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今回は、Webサイトを改善していく上で課題となりやすい、「直帰率・離脱率が高い」という問題が起こる原因と、直帰率・離脱率を下げて状況を改善するための有効な施策をいくつかご紹介します。
直帰率・離脱率を改善することは、ユーザーにサイト内部を回遊してもらって多くのページを閲覧してことに繋がるため、PVの増加はもちろん、商品の購入やファイルのダウンロードといったコンバージョンを促すことにもなります。
Webサイト全体の改善のためには避けては通れない道ですので、この機会にぜひ、直帰率・離脱率が高くなってしまう原因とその改善方法について理解を深めていってください。
直帰率・離脱率が高い原因
直帰率・離脱率が高い原因は、いくつか考えられますが、業界・業種やWebサイトの種類に関わらず、「お決まり」とも言えるパターンが多いです。
どんなWebサイトにも当てはまるということは、ちゃんと力を入れて対策をすれば、非常に有効な施策になり得るということでもあります。
直帰率・離脱率が高い状況を改善する第一歩として、ありがちな原因について見ていきましょう。
直帰率・離脱率が高い原因①:読み込み速度が遅い
直帰率・離脱率が高い原因の一つ目は、ページの読み込み速度が遅いことです。
高速なインターネットが当たり前になっている現代のユーザーは、読み込みが遅いとそれだけでページを閲覧する意欲を失ってしまうため、ページの読み込み速度が長くなると直帰率・離脱率は飛躍的に上昇します。
実際にページの読み込み速度と直帰率の関係を調査した実験の結果を見てみますと、ページの読み込み速度が2秒以内であれば直帰率は10%未満と低い値になりますが、3秒を超えると大きく上昇し、5秒になると約38%にも達します。
ページの読み込み速度が遅いことは、ユーザーの離脱を誘発するだけでなく、Googleからの評価も悪くなってSEO対策上も悪影響があるので、特に注意が必要です。
(出典:https://boxil.jp/beyond/a5835/)
直帰率・離脱率が高い原因②:サイトデザインのUXが悪い
直帰率・離脱率が高い原因の二つ目は、サイトデザインのUX(ユーザーエクスペリエンス)が悪いことです。
UXとは、ごく簡単に言えば「ユーザーにとっての快適さ」のことです。
過剰なポップアップ表示、読みにくいフォント、わかりにくい内部構造などが悪いUXの例にあたります。
仮に、ページの内容自体の質が高いとしても、こういったUXが悪いページはユーザーに受け入れられにくくなり、結果として離脱の要因となります。
デザイナーの方などは、ついつい自分のこだわりをたくさん盛り込んだWebサイトを制作してしまうことがあるかもしれませんが、それが本当にユーザーにとって快適なWebサイトと言えるのか、ユーザー目線で考えてみることが大切です。
直帰率・離脱率が高い原因③:期待していたコンテンツが無い
直帰率・離脱率が高い原因の三つ目は、期待していたコンテンツが無いことです。
自分が求めていた情報がそのWebサイトにないとわかったら、離脱してしまいやすくなるのは想像がつきやすいでしょう。
あらゆるユーザーのニーズを満たせるほどコンテンツが充実したWebサイトを作れればいいのですが、それは現実的に無理な話なので、わかりやすくも厄介な原因です。
ただし、「やってしまいがちな失敗」というのもあります。
それは、とにかくユーザーをWebサイトに呼び込むことを考えるあまり、「タイトルを盛りすぎてしまう」ことです。
派手で目を引くタイトルをつければ、ユーザーが検索したときにクリックしてくれる確率は上がるかもしれませんが、タイトルから期待していた内容がページに無いとなると、ユーザーは当然離脱します。
ページビューの増加だけが目的ならそれでもいいかもしれませんが、中長期的に見て良い施策とは言い難いでしょう。
それだけでなく、Webサイトのブランドイメージを毀損することにも繋がりかねないので、ページのタイトルはなるべくページの内容と一貫性を持たせるようにしましょう。
直帰率・離脱率を下げてWebサイトを改善する方法
直帰率・離脱率が高くなる原因として、どんなWebサイトにも共通するありがちなものを3つ紹介してきましたが、原因が共通しているということは、対策方法も共通したものがあるということです。
ここでは、直帰率・離脱率を下げるために有効な対策方法を解説します。
直帰率・離脱率を下げる対策①:ページの読み込み時間を短縮する
直帰率・離脱率を下げる対策方法の一つ目は、ページの読み込み時間を短縮することです。
ページの読み込み時間が長くなることが直帰率・離脱率の上昇に繋がるのなら、逆に読み込み速度を短くすることで直帰率・離脱率を下げることができるというのは理解しやすいでしょう。
具体的にどのようにしてページの読み込み時間を短縮するのかというと、最も簡単でかつ効果が高いのは、Webサイトに挿入されている画像のファイルサイズを小さくすることです。拡張子をPNGやbmpのようなファイルサイズが大きくなりやすいものからJPGに変換したり、画像の解像度を落としたりすることで、読み込み時間が大きく改善されることがあります。
その他には、使用しているサーバーを高速なものに変えたり、Webサイトに挿入されているJavaScriptやプラグインを最適化したりすることでも読み込み時間を短縮することができます。
ワードプレスのプラグインや、Googleタグマネージャーなどのタグ設置ツールで、不要なプラグイン・タグをそのまま放置しておくと、それらを読み込む時間が無駄に発生してしまい、ページの読み込み速度を遅くする原因になることがあるため、これらは定期的に整理・見直しを行うようにしましょう。
ページの読み込み速度と、改善のために有効な施策について調べたい場合には、Googleが提供している「ページスピードインサイト」というツールが便利です。
各施策を行うことで具体的にどの程度読み込み時間が短縮できるのかという見積もりを出してくれるので、施策に優先度をつけやすくなります。
積極的に活用していきましょう。
直帰率・離脱率を下げる対策②:Webサイトの導線を工夫する
直帰率・離脱率を下げる対策方法の二つ目は、Webサイトの導線を工夫することです。
導線とは、ユーザーの行動を誘うための道筋のようなものです。
メディアサイトであれば記事の途中や最後に関連記事への内部リンクを挿入したり、ECサイトであればユーザーが閲覧している商品の関連商品や、よく一緒に買われている商品を表示したりすることなどが挙げられます。
このように、ユーザーが次のアクションを起こすための案内をしてあげることで、ユーザーをWebサイト内に引き留め、直帰率・離脱率を下げることができます。
また、CTA(Call to Action)と呼ばれる表示を入れることも重要です。
CTAとは、「今すぐ購入」「詳しくはこちら」「申し込む」のような、ユーザーの行動を促す表示のことで、ボタン形式で作られることが多いです。
内部リンクよりも具体的にユーザーの行動を促すことができるため、うまく使えば直帰率・離脱率を大きく下げながら、Webサイトの目的とする行動を増やすことができます。
ただし、CTAの主張が激しすぎるとUXの悪化に繋がるので、ユーザーが不快に思わない程度に抑えるようにしましょう。
直帰率・離脱率を下げる対策③:SEOキーワードを最適化する
直帰率・離脱率を下げる対策方法の三つ目は、SEOキーワードを最適化することです。
ユーザーの検索ニーズにしっかりと応えられるコンテンツ作りを意識して、狙うキーワードとページの内容に一貫性を持たせることで、ユーザーの無駄なクリックを減らし、直帰率・離脱率を下げることができます。
それではPVが減ってしまうじゃないか、と思われるかもしれませんが、ユーザーにとって本当に便利なWebサイト作りを心がけていれば、Googleからの評価も良くなり、自ずとPVも増えるようになります。
即効性がなく難しい施策ではありますが、中長期的に良いWebサイトにしていくためには非常に重要と言えます。
直帰率・離脱率が高い原因と改善方法まとめ
直帰率・離脱率が高い原因と、それらを下げるための改善方法についてまとめました。
これらの原因と改善方法は、どんなWebサイトにも当てはまる大変普遍的なものばかりです。
Webサイトの直帰率・離脱率が高いことでお困りの方は、まずはここで紹介したような原因について調べ、当てはまる場合は適切な対策を行ってみてください。
直帰率・離脱率の改善は時間がかかり、辛抱が必要な作業ですが、根気よく、小さなところから少しずつ変えていくことで、Webサイト全体の改善を目指していきましょう。