Webマーケティング

【広告手法編】WEBマーケティング用語集

以前の「WEBマーケティング用語集」では、広告評価指標アクセス解析に関するものを紹介しました。

今回は、「広告手法編」です。

ウェブ広告の種類は星の数ほどあります。一言で「バナー広告」や「ディスプレイ広告」といっても、厳密にはアドネットワークなのか、DSPなのか、純広告なのか、またはリマーケティング広告なのか。「SNS広告」も注目を集めている広告手法ですが、もちろん媒体によって仕様や呼び方は様々です。

あなたが、自社サービスのマーケティングにウェブ広告を活用しようと考え、広告代理店のもとを訪れたなら、こうした広告手法の多さに驚くでしょう。

さて、「30代女性がターゲットのサービスなので、そうした女性がよく使っているアプリに広告を出したい」という要望があったとき、選ぶべき広告手法はなにでしょうか。

「アプリ広告」でしょうか。

しかし、広告代理店の担当者に「アプリ広告をやりたい」と伝えると、全く意図と違った提案が出てきて困ったことになるかもしれません。

それでは、そうした事態を避けるために、主要な広告手法を見ていきましょう。

リスティング広告

ウェブ広告を始めるなら、まず始めに検討する広告手法が「リスティング広告」ではないでしょうか。
電通グループが発表した2017年のインターネット広告媒体費に関する分析調査では、リスティング広告の予算が全体の約4割を占めており、5000億円近い規模に達しています。
ディスプレイ広告のほうが若干高い割合になっていますが、ディスプレイ広告の中には「DSP」や「アドネットワーク」「純広告」など様々な手法が一括して含められていることを考えると、ウェブ広告の最もスタンダードな手法はリスティング広告であると言い切ってもいいかもしれません。

引用:インターネット広告媒体費 広告種別 構成比

リスティング広告とは、「検索エンジンでユーザーがあるキーワードで検索した際に表示される広告」のことで、「検索連動型広告」と呼ばれます。
主な婆体は「Google」と「Yahoo!」です。他にもリスティング広告媒体は存在しますが、特殊なケース(ターゲット層が他の検索サービスを利用している、GoogleとYahoo!にはすでに出稿していて飽和してきている、など)を除いて、この2つの媒体以外を使うことはあまりないでしょう。
しかし、goo、OCN、BIGLOBE、@nifty、Exciteなど、国内の大手ポータルサイトの検索結果にリスティング広告を配信できる「レモーラリスティング」は知っておいたほうがいいかもしれません。

最大の特徴は、検索ニーズにアプローチできることです。
例えば、「転職 ウェブデザイナー」と検索したユーザーは、ウェブデザイナーの求人情報を探していることは間違いありません。
このように、ユーザーが検索するキーワードは、ユーザーのニーズを明確に表しています。そのため、他広告手法に比べて、少ない費用でも高い費用対効果が期待できます。

また、キーワードや広告文だけでなく、興味関心や年収、デバイス、地域など、細かなセッティングが可能なことも、リスティング広告の強みです。
細かなセッティングが可能な分、運用チューニングが非常に複雑で、本当に高い成果を出すには専門家の知識、スキルが必要になります。

主要媒体 Google、Yahoo!
向いているサービス 検索ニーズがあるすべてのサービス
特徴・メリット 顕在層にアプローチできる。
デメリット 検索ニーズがないとアプローチできない。運用スキルがないと成果を伸ばしにくい。
課金体系 CPC(広告がクリックされた分だけ課金)

リマーケティング広告(リターゲティング広告)

リマーケティング広告(リターゲティング広告)は、「一度サイトを訪問したけれど、何らかの理由で去っていった人を追いかける広告」です。
Googleでは「リマーケティング広告」、Yahoo!では「リターゲティング広告」という名称を使っているため、広告代理店によって言い方が分かれることがありますが、どちらでも通じるでしょう。

あなたも、どこかのサイトを訪問した後、高い頻度でそのサイトの広告を目にしたという経験があるのではないでしょうか。
それは、リマーケティング広告を利用しています。

一般的に、どんな種類の広告手法を使っても、9割以上のユーザーはコンバージョンしません。他の業者を検討したり、あとで見ようと思ったり、ボーナスが入ったら購入しようと思ったり、様々な理由でサイトを去ってしまいます。
とはいえ、一度サイトを訪れたということは、少なからずその商品・サービスに興味を持ったということです。一度もサイトを訪れたことがないユーザーよりは、コンバージョンしてくれる確率が高い「見込み客」だといえるでしょう。
そうしたユーザーを追いかけるため、リマーケティング広告はコンバージョン率が非常に高く出る傾向にあります。

リマーケティング広告は、単体で利用されることは少なく、他の広告の補佐役として活用されることがほとんどです。
ディスプレイ広告を幅広いユーザーにばらまいて、興味を持ってクリックしてくれた人だけをリマーケティング広告で追いかける、といった戦略がよくとられます。

リマーケティング広告を行う場合は、リマーケティングリスト(リマーケティング広告を配信する対象ユーザーのリスト)をためておく必要があります。そのため、「リマーケティング広告を始めたい」といってその日に始められるわけではありません。

リマーケティングリストは、単に訪問したユーザーだけを集めるのではなく、「特定のページを閲覧したユーザー」「3ページ以上閲覧したユーザー」「問い合わせページを閲覧したユーザー」「30秒以上滞在したユーザー」など、様々な方法で作ることができます。

YouTubeの動画広告などでは、「動画を15秒以上閲覧したユーザー」などといったリストを作ることも可能で、戦略次第で幅広い使い方ができます。
商品の多いECサイトでは、「商品Aを見たユーザー」「商品Bを見たユーザー」のように細かくリストをつくり、値引き情報を伝えたり、関連商品の広告を配信したりと、効果的にリマーケティング広告を活用しています。

主要媒体 Google、Yahoo!、各種SNSなど
向いているサービス 検討段階が長い、類似商品が多いサービス
特徴・メリット コンバージョンしなかったユーザーにアプローチすることでコンバージョン率が伸びる。一度購入したユーザーに関連商品を届けることでLTVを最大化できる。
デメリット リマーケティングリストをためる必要がある。高度なリマーケティング戦略には、マーケティング知識が必要になる。
課金体系 CPC

※LTV(Life Time Value)…顧客の生涯価値

SNS広告


SNSというと、若者のコミュニケーションサービスで、あまり企業のマーケティング戦略において重要ではないイメージがありました。しかし、ここ数年でSNSをマーケティングに活用する企業が急増しています。

SNSの利用者は若者だけにとどまらず、10代から50代以上まで非常に幅広くなっています。若い世代には「何か知りたいことがあったとき、GoogleやYahoo!ではなくTwitterで検索する」というユーザーも増えてきています。
SNSがユーザー行動に与える影響は飛躍的に大きくなってきているため、BtoC(消費者向け)商材はもちろん、BtoB(ビジネス向け)商材でも活用されています。

国内の主要SNSとして押さえておきたいものは「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」の4つです。SNSには流行り廃りがあるため、数年後には「ティックトック」のような新しいSNSが主流になっているかもしれません。

これらのSNSがマーケティングに活用される理由は大きく2つあります。

1つはもちろん利用者数が多いことです。利用者数が多いということは、それだけ多くのユーザーにアプローチできるということであり、生活に密着しているということです。
もう1つは、普通に利用している分にはあまり感じませんが、広告配信サービスが出来上がっているということです。主要SNS以外にも広告を出稿することは可能ですが、独自の広告配信サービスを持っていないため、ディスプレイ広告の一部として配信されたり、ターゲティングデータは他サイトのものを利用していたりと、なかなか最適化できません。

主要SNSとして挙げた4つは、いずれも独自の配信サービスを持っており、そのSNSに最適化されたフォーマット、ターゲティングで広告を出稿することができます。

課金体系やターゲティング方法はSNSによって様々です。
例えば、Twitter広告ではユーザーがつぶやいたキーワードでターゲティングする「キーワードターゲティング」や、フォローしているユーザーから興味関心をとらえる「フォロワーターゲティング」など、独自のターゲティングがあります。テレビ番組の内容がつぶやかれることが多いという特徴から「テレビターゲティング」というものまで存在します。
課金体系も独特で、Twitterではユーザーのアクションに対して課金される「エンゲージメント課金」、LINEには友達登録に対して課金される「CPF(Cost Per Friend)」というものがあります。

BtoCであれば、消耗品や食品から娯楽、金融まで様々なサービスで活用されています。
BtoBではまだまだ模索段階ですが、求人や無料お試し系のサービスなどで利用が広がっています。

主要媒体 LINETwitterInstagramFacebook
向いているサービス BtoC商材、気軽に試せるBtoB商材
特徴・メリット 独自のターゲティングがあり、他の手法ではアプローチできなかったユーザーにもアプローチできる。ユーザーとの関係構築や話題性など、波及効果が期待できる。
デメリット リスティング広告ほどダイレクトにニーズをとらえることは難しい。SNSによって異なる仕様があり学習コストがかかる。波及効果の測定が難しい。
課金体系 CPC、CPE、CPI、CPFなど

CPE(Cost Per Engagement)…エンゲージメント(広告に対するユーザーのポジティブな反応)獲得に対する課金
CPI(Cost Per Install)…アプリなどのインストールに対する課金

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、少し前まで「成果報酬型広告」と呼ばれてきました。しかし、最近ではCPI(インストールされたら課金)やCPF(友達登録に対して課金)のように、アフィリエイト以外の成果報酬型広告も増えてきています。
そのため、ここではアフィリエイト広告を「ASPなどを通じてアフィリエイターに商品を紹介してもらい、その成果に応じて広告費を払う広告」とします。

アフィリエイト広告を出稿するには、アフィリエイト広告を掲載したい媒体を束ねているASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)というサービスを利用します。
ASPに自社の商品を登録すると、その商品を紹介したいアフィリエイターが自身のブログなどで商品を掲載してくれます。単にバナーを張ってくれるだけの場合もあれば、その商品について詳しい記事を書いてもらえる場合もあります。

なんといってもメリットは「成果報酬型である」ということです。成果が出なければ広告費は必要ありません。その分、通常の広告よりも成果が出た場合のCPA(コンバージョン単価)は高くなってしまうことがあります。

デメリットは、広告を広告主側がコントロールできないということです。ASP側である程度規制はあるものの、どんなアフィリエイターがどんな方法であなたの商品を紹介するかはわかりません。そもそも紹介してもらえない可能性もあります。
そのため、「費用は掛からなかったが全く成果もなかった」「アフィリエイターが実際よりも商品をよく書いて、その記事を読んだ人が購入してクレームになった」という可能性もあります。

アフィリエイト広告というと、成果報酬型のため余計な費用が一切かからないと思われることが多いですが、実際はASPのシステム利用料として、月々数万円から数十万円の費用が発生します。
反対に、多くのウェブ広告はシステム利用料がかからず広告費だけで出稿することができます。
実際の費用対効果で比較する際は、サービス利用費を考慮しましょう。

SNSの普及とともにアフィリエイト広告は縮小傾向にあります。それに代わって登場した手法が、後述する「インフルエンサー・マーケティング」です。

主要媒体 A8ネット、バリューコマースなど
向いているサービス 化粧品や健康食品など、顧客のレビューが重要になるもの
特徴・メリット 成果報酬型であるため、余計な費用がかからない。※ASPのシステム利用料は別
デメリット 広告主側が広告を管理できず、トラブルのもととなる場合がある。
課金体系 成果報酬、システム利用料

インフルエンサー・マーケティング

インフルエンサーの代表例ともいうべき渡辺直美さんは、800万人を超えるフォロワーを有する

インフルエンサー・マーケティングは、マーケティング戦略として、広告とは別枠で紹介されることがあります。しかし、実際の活用方法は広告に近いイメージなので、ここで紹介します。

インフルエンサーとは、SNSなどで影響力を持った個人のことを指します。SNSの普及に伴い、SNS上で人気を集める一般のユーザーが増えてきました。
そうしたユーザーを企業のマーケティングに活用するというのが、インフルエンサー・マーケティングの考え方です。
これまでも、タレントやモデル、芸能人などをマーケティングに活用する企業は数多く存在しました。彼らもインフルエンサーの一員のため、考え方自体はずっと以前からあったといえます。

インフルエンサー・マーケティングに注目が集まる背景には「YouTube」と「Instagram」の登場があります。
YouTubeでは、ユーチューバーと呼ばれる一般人が、何百万回という再生回数をたたき出し、芸能人顔負けの人気を持つことがあります。
Instagramも「インスタ映え」という言葉が生まれたとおり、個人の写真がファッションの流行を左右することさえあります。
芸能人をプロモーションに起用すると、数百万円はかかってしまいます。しかし、元が個人であるインフルエンサーは、芸能人に匹敵する影響力を持ちながら、より少ない費用でマーケティング活動に協力してもらうことができます。

インフルエンサー・マーケティングのメリットは、すでに述べた「費用が安い」以外に、「特定の層を狙える」ということがあります。
インフルエンサーの数は一般に知られているよりもはるかに多く、非常にニッチな業界にも存在します。「ファッション」のように大きな市場ではなく、「カジュアル系」や「ストリート系」、「ビジネスファッション」などニッチな市場に特化したインフルエンサーが数多く存在するため、最適なターゲットに向けてプロモーションが行えます。

デメリットとしては、効果か測定がしづらいことと、マイナスイメージにつながるリスクがあることです。
インフルエンサーは、あくまでもいつもの自然な投稿と同じように商品を紹介してくれます。広告色を抑えるため、広告効果が測りやすい露骨なプロモーションには協力してもらえない場合があります。
また、万が一起用したインフルエンサーが不祥事を起こしてしまった場合などは、ブランドイメージを損ねてしまう可能性があります。

インフルエンサー・マーケティングを行うには、いわゆる芸能事務所のようにインフルエンサーを束ねている企業にアプローチすることが一般的です。
有名なところでは、HIKAKIN、はじめしゃちょーといった有名Youtuberが在籍する「UUUM」やファッション動画マガジンMINE(マイン)の運営元が提供している「3MINUTES」などがあります。

インフルエンサー・マーケティングについては、「最新のマーケティング手法!「インフルエンサー・マーケティング」の始め方」という記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

主要媒体 YouTube、Instagram、Twitter
向いているサービス ファッション系など「誰が使っているか」が購買動機になるもの、便利グッズなど、動画や写真で使い方を伝えやすく話題性があるもの
特徴・メリット 比較的低価格で行える、ニッチな業種でも的確にアプローチできる。
デメリット 広告効果が測定しづらい。インフルエンサーの不祥事によりブランドイメージにダメージを与える可能性がある。
課金体系 インフルエンサーへの依頼料

純広告

特定メディアの広告枠を買い取る広告手法を「純広告」といいます。
ウェブ広告の中では歴史が古く、以前は主流でした。ターゲティング機能が豊富な広告手法の登場により注目されなくなりましたが、今でも爆発的な効果が期待できる手法です。

純広告の代表例には「Yahoo!プレミアム広告」があります。
Yahoo!プレミアム広告には、Yahoo!JAPANのトップページに動画で掲載される「ブランドパネルビジョン」や専有面積が最大の「ブランドパネル」などがあります。
いずれも、特定期間、特定回数広告を表示することを保証したもので、「純広告」に分類される広告手法です。

広告費も非常に高額なものが多く、ブランドパネルの一種である「ブランドパネル トップゲートビジョン」では、1週間で6000万円~6600万円の費用が必要です。
その代わり数千万回のインプレッション(表示回数)が保証されているうえ、Yahoo!JAPANトップページのメインバナー、サイドバナーを占有するため、ブランド効果は圧倒的です。

Yahoo!JAPANの純広告枠は、主に大企業が新商品を発売したときなど、一気に認知度を広げるために利用されています。

もちろん、Yahoo!JAPAN以外にも純広告の枠を設けているメディアは数多く存在します。
例えば、主婦向けにスーパーのチラシなどを配布する「Shufoo!」というメディアには「プレミアムパネル」という広告枠があります。ここでは、一定期間、アプリ起動時に全ユーザーに広告を届けることができます。
主婦向けの商品・サービスの広告であれば、ブランド効果だけでなく、多くの成果も期待できるでしょう。

主要媒体 Yahoo!など
向いているサービス 純広告の枠を用意している媒体のニーズとマッチしたサービスを提供している。広告予算が潤沢にあり、ブランディングが重要である。
特徴・メリット ブランド認知拡大に効果が期待できる。インプレッション数や視聴回数などがあらかじめ保証されている。
デメリット 大きな予算が必要になる。ターゲティングできないことが多い。
課金体系 広告枠の購入費、インプレッション課金など

 

アドネットワーク広告

広告枠を持つ媒体を多数集めて、広告配信ネットワークを作り、一つの配信方法で多数のウェブサイト上に広告を配信する手法を「アドネットワーク広告」といいます。

ウェブ広告は、広告主が媒体に広告掲載を依頼して、消費者に届きます。しかし、一つ一つのメディアに対してそうしたやり取りをすることは非常に面倒です。アドネットワークはこうした手間を省くために開発されました。
ネットワークに加盟しているすべての媒体に配信できるため、手間がかからないだけでなく、メディアごとにばらばらだった課金体系が統一され運用管理の手間が減ったり、より大きなデータを扱えるため、運用改善がやりやすくなったりと、様々なメリットがあります。

通常、ディスプレイ広告といった場合にはアドネットワーク広告を指しています。
例えば、Googleでディスプレイ広告を出稿した場合、「Googleディスプレイネットワーク(GDN)」と呼ばれるアドネットワークに配信することになります。
アドネットワークとして最大のものはGoogleの「Googleディスプレイネットワーク(GDN)」、Yahoo!の「Yahoo!ディスプレイネットワーク(YDN)」です。
そのほかにも、株式会社リクルートが提供する「リクルートアドネットワーク」では、リクルートが提供する様々なサービスのデータを利用できたりと、独自の強みを持ったアドネットワークも存在します。

ウェブ広告の業界では、長く「アドネットワーク=ディスプレイ広告」という構図がありました。
そのため、あえて「アドネットワーク広告」という言葉を使う必要はないかもしれません。しかし、後述する「DSP」のようにより高度な広告手法も登場してきているため、覚えておいたほうがいいキーワードです。

主要媒体 Yahoo!など
向いているサービス ブランディングが重要になる商品・サービス。リマーケティング広告のためにリストを貯めたい場合など。
特徴・メリット リスティング広告等に比べクリック単価が安い傾向にある。GDNのように大きなアドネットワークを利用すると、多くのユーザーにアプローチできる。
デメリット 顧客のニーズに最適なタイミングでアプローチするわけではないため、高いコンバージョン率は期待しにくい。
課金体系 CPC、CPM

DSP(デマンドサイドプラットフォーム)広告

今後、ウェブマーケティングに関わっていくなら、ぜひとも理解しておきたいキーワードの一つに「DSP(デマンドサイドプラットフォーム)」があります。
というのも、DSPは現在最も注目を集めるウェブ広告手法でありながら、正しく理解し、使いこなせる人はまだまだ少ないからです。

DSPは広告主の広告効果最適化を目指すプラットフォームで、SSP(サプライサイドプラットフォーム)という媒体主の広告効果最適化を目指すプラットフォームと連携して機能します。

「アドネットワーク」が「広告枠」に対して広告を配信する仕組みであるのに対し、DSPは広告を届ける「人」に対して広告を配信する仕組みです。
DSPは非常に複雑な仕組みを持ったサービスですが、ここではなるべく簡単にご紹介したいと思います。

あるユーザーが広告枠のあるサイトを訪問した際、SSPが各DSPへユーザーのデータを送信します。DSPはそのデータをもとに、「そのユーザーに対して何円まで払えるか」を決めて入札します。
数多くの入札の中から最も高額のものが実際に広告配信され、そのサイトに掲載されます。

実際にはRTB(リアルタイムビッティング)やDMPなど様々な仕組みが複雑に絡み合っていますが、「広告枠」ではなく「人」に対して入札をかける広告手法が「DSP」であると理解しておけば問題ないでしょう。

「広告枠」ではなく「人」に向けて配信するということを、具体的に考えてみましょう。

ビジネス向けの時計ブランドを販売するとき、従来のアドネットワーク広告は時計のまとめサイトやビジネス向けのノウハウブログ、ニュースメディアなど、ターゲットとなるユーザーが見て良そうなサイトに向けて広告を配信していました。
これは、「ターゲットユーザーが見ていそうなウェブサイト」という枠に向けて広告を配信しています。

しかし、ビジネス向けのニュースメディアを読む全員がその時計を必要としているわけではありませんし、その時計を必要としている人がニュースメディアを見ているとも限りません。

DSPでは、性別、年齢、地域などの基本情報と、検索履歴や行動履歴といったユーザーデータを元に、配信される広告が選ばれます。
時計の例でいうと、その時計のターゲット層が20代のビジネスマンであれば、ターゲットユーザーが料理サイトを見ていようが、スマホゲームをしていようが広告を届けることができます。

“どこに出すか”ではなく“誰に出すか”
枠から人へ

DSP広告はこうしたキーワードで紹介されることがあります。
ターゲット層に的確に届けることで、無駄な配信が減り、高い費用対効果を期待できます。
しかし、ターゲットユーザーが閲覧していたらそのネットワークのどのサイトにも広告が広告掲載される可能性があるという特性から、配信先がわからなことも多く、コンプライアンスを重視する企業からは敬遠されることがあります。

DSPも提供する企業によりさまざまな特徴があり、自社の商品・サービスに最適なものを選ぶ必要があります。
DSPによって「ターゲティング」と「配信先」が異なります。

例えば、「Criteo」というDSPは、ターゲットの行動履歴に応じて広告を動的に表示させる「自動最適化」という機能に強みがあります。レコメンド機能も豊富であることから、ECサイトや求人など取扱商品が多い業種でよく取り入れられています。

Googleが提供する「DoubleClick Bid Manager」は、何といっても配信できる広告枠が非常に多いことが強みです。Googleが持っているアドネットワークはもちろん、Facebook ExchangeやOpenXなど他のネットワークにも配信できます。

Geolocation Technologyが提供する「どこどこad」は、IPアドレスから判定された位置情報・企業情報・気象情報・回線情報によるターゲティングが可能で、BtoB商材で活用されています。

DSPを選定する際は、「どんなターゲティングが可能か」と「どこに配信できるか」を考えましょう。

主要媒体 Yahoo!プレミアムDSP、MicroAd BLADE、DoubleClick Bid managerなど
向いているサービス ターゲット層がある程度明確である商材。
特徴・メリット 人に向けて届ける特性から、高い確度でターゲットユーザーに広告を届けることができる。
デメリット 広告がどのようなサイトに掲載されるかわからない。わかってもコントロールしにくい。
課金体系 CPCなど

 

動画広告

動画広告は、手法というよりも広告クリエイティブの形式の一つです。しかし、動画広告の市場規模は年々増加してきており、特にブランディングに力を入れる企業では必須といっていい広告手法です。


画像:TechCrunch Japan

サイバーエージェントとデジタルインファクトの調査によると、2017年の動画広告の広告費は1093億円でした。2020年には2,000億円を突破すると予測されており、2015年は506億円だったため、5年で4倍にも成長します。

動画広告がここまで急速に成長する背景には、次の3つがあります。

  • テレビ離れが進み、動画のネット視聴が増加してきている
  • Youtubeをはじめ動画視聴サービスが拡大・充実した
  • スマートフォンの利用が拡大した

動画によるプロモーションといえば「テレビCM」ですが、テレビ離れとスマートフォンの普及により、マーケティングでの影響力が低下してきています。
テレビCMは少なくとも数百万円、通常は数千万円の予算がかかるうえ、ターゲティングや効果測定がほとんどできません。

テレビCMとインターネットの動画広告を比較すると次のようになります。

  テレビCM 動画広告
予算 数百万円~数千万円 数万円から
ターゲティング 番組や時間帯のみ 年齢、性別、興味関心に加え、ウェブ上の行動履歴やリマーケティングなど幅広い
効果測定 ほとんどできない 視聴率、視聴数、視聴時間はもちろん、視聴後のコンバージョンまで測定可能

これまでテレビCMを使ってきた企業はもちろん、大きな予算が確保できなかった中小企業も動画をマーケティングに活用し始めています。

最も代表的な動画広告は、YouTube広告です。
YouTube広告にはいくつか種類がありますが、最も利用機会がおおい手法は「TrueView インストリーム広告」でしょう。これは動画の再生前や再生中、再生後に表示される動画広告で、30秒以上もしくは最後まで閲覧された場合、リンククリックなどのアクションが発生した場合に課金されます。スキップされた場合は課金されないため、無駄のない配信が可能です。
そのほかにも、YouTube広告には「TrueView ディスカバリー広告」「バンパー広告」「アウトストリーム広告」といった種類があります。

YouTube以外でも、「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」の主要SNSはいずれも動画広告に対応しています。
課金体系は様々で、Twitterの場合は「50%の領域を2秒以上再生」「100%の領域を3秒以上再生」の2種類があり、InstagramではCPCやCPMから選択できます。

動画広告最大のメリットは、伝えられる情報量です。
1分間の動画が伝える情報量はウェブサイト3600ページ分ともいわれており、複雑な商品、深いメッセージでも動画なら簡単に伝えることができます。

実際、広告出稿後のブランドリフト調査(広告の接触・非接触によるブランド認知・イメージの変化を測定する調査)でも、ディスプレイ広告等に比べて動画広告は圧倒的な結果を残しています。

Instagramは写真中心のSNSと思われていますが、実際には動画の割合が高まっており、「IGTV」という新サービスのリリースにも繋がりました。
広告手法に限らず、動画を用いたマーケティングは今後さらに重要性を増すでしょう。

主要媒体 YouTube、Instagramなど
向いているサービス 伝えたいメッセージが多い、ブランド認知度が重要になる商材
特徴・メリット 高いブランドリフト効果が期待できる。伝えられる情報量が非常に多い。効果測定が容易である。
デメリット 動画作成に数十万円から数百万円の費用がかかる。
課金体系 CPC、CPMなど

まとめ

今回は「WEBマーケティング用語集」の広告手法編ということで、リスティング広告、リマーケティング広告、SNS広告、DSP広告など、9種類の広告手法を紹介しました。

広告手法は細かく分けると無数にありますが、特に覚えておいてほしいものばかりです。
中でも「DSP広告」と「動画広告」については、今後活用の機会が増してくることは間違いありません。
どういった仕組みの広告手法で、どういったメリットデメリットがあるのかは、把握しておきましょう。

さて、冒頭で次のような質問を投げました。

「30代女性がターゲットのサービスなので、そうした女性がよく使っているアプリに広告を出したい」という要望があったとき、選ぶべき広告手法はなにでしょうか。
「アプリ広告」でしょうか。

「アプリ広告」といった場合、次の3つの可能性が考えられます。

  1. アプリをインストールしてもらうための広告
  2. いろいろなアプリにバナー広告を掲載する
  3. 特定アプリの広告枠に記事やバナーを掲載する

1の場合、Twitter広告やLINE広告で利用できる「アプリインストールキャンペーン」が有効でしょう。このタイプのキャンペーンは「CPI」という、アプリインストールに対する課金となります。アプリのプロモーションでは間違いなく利用する広告手法でしょう。
2の場合、アドネットワークやDSPを用いたディスプレイ広告を利用します。GDNやYDNには、ウェブサイトだけでなく様々なアプリが配信先に含まれています。
3は純広告が近いでしょう。「Shufoo!」のように純広告のぷらんを用意しているアプリは数多くあります。また、記事広告の出稿プランを用意しているニュースアプリもあります。

つまり、「30代女性がターゲットのサービスなので、そうした女性がよく使っているアプリに広告を出したい」という場合は、2か3を選択することになります。

効果的なマーケティング戦略を立てるには、広告手法の理解が欠かせません。
次回の「WEBマーケティング用語集」では、ニュースアプリやSNSで利用されている「インフィード広告」や検索キーワードに応じて広告文が変動する「動的検索広告」、ECサイトでの活用が広がる「データフィード広告」など、広告の表示スタイル、クリエイティブに関する用語をご紹介します。