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Webマーケティングにおいては日々のアクセス解析などのデータ分析が不可欠です。しかし時折、今まで順調に推移していたはずの数字が突然急落したり、あるいは跳ね上がったりという急変動が時たま起こることがあります。
それが良い意味での急変動であれば喜ばしいことなのですが、残念ながら多くの場合、こういった急変動は自社のWebマーケティング活動に悪影響を及ぼすもので、迅速な対処が求められます。
もしもこういった急変動に直面したときに適切な対処をして被害を最小限に食い止められるよう、まずチェックすべきポイントを押さえておきましょう。
アクセス解析で急変動が起きたときの応急処置
アクセス解析での急変動は、大きく分けてセッション数やクリック数が急落する場合と、逆に急増する場合があります。どちらに当てはまるかによって対処法も異なりますので、分けて解説していきます。
アクセス解析で数字が急落した場合
自然検索からのセッション数やクリック数などが急落したということは、検索結果の順位が落ちるなどの要因でWebサイトへの流入が激減しているということになります。
この場合は、SEO対策ですぐに回復させるというのは難しいのが実情です。
SEO対策で効果が出るまでには数週間から数ヶ月ほどかかるため、Web広告を活用して急落分を補うよう努めましょう。
もし今までにWeb広告を利用していないという場合は、準備するだけで時間がかかってしまいますので、ひとまずWebマーケティングの活動を縮小させて損失を抑えるべきです。
反対にWeb広告の成果が突然悪化したという場合は、対策方法が明確であり、しかもSEO対策と比べてすぐに効果が得られるため、次節以降で解説するポイントを確認して原因を解消していきましょう、
アクセス解析で数字が急増した場合
セッション数やクリック数などが急増した場合、つい喜んでしまいがちですが、気を付けなければいけないのは、急増した分のユーザーの質が今までとどう変化したかです。
急増したユーザーが本来のターゲット層であれば何ら問題はなく、むしろ収益を大きく伸ばすチャンスになるのですが、何らかの理由でターゲット以外のユーザーが流入してしまっているとしたら、むしろ遮断した方がいい場合が多いです。
特に、広告経由でのクリックが増えているのにユーザーの質が悪くなっているとしたら、クリックによって発生するコストだけが無駄に増加することになるため、一時的に広告の配信を停止することも含め、対策を検討しましょう。
急変動が起きたらまず確認すべき3つの外部要因
アクセス解析で急変動が起きた場合、自社でよほど大きなアクションを起こしていない限り、外部要因が原因となっていることでしょう。
しかし、一言に外部要因と言ってもあまりに広すぎるため、どこから調べたらいいか迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、急変動が起こる原因としてありがちな3つのポイントをご紹介しますので、アクセス解析で急変動が起きて困ってしまったという方は、今回取り上げる3つのポイントが原因になっていないかどうかをまず調べてみるといいでしょう。
チェックすべき外部要因①:風評被害・SNS
風評被害やSNSは、Webサイトへの流入が急増する原因として非常によく当てはまるものです。
風評被害は、インターネット上で間違った情報や悪意あるデマが流されたり、テレビなどのマスメディアで競合企業の不祥事などが報道されたりした場合に、自社が何もしていなくても巻き込まれてしまうというものです。
そして、それを助長するのがSNSで、特にツイッターでこうした風評被害が広まってしまう傾向にあります。
ツイッターには、他人の投稿(ツイート)をそのまま自分のタイムラインに再投稿する「リツイート」という機能がありますが、ボタン1つで他人の投稿を広めることができることから、内容の真偽を確認せずに投稿を広めてしまう危険が高くなります。
そのため、突然セッション数や広告のクリック数が激増したという場合は、理由の良し悪しはともかく、まずはツイッターで検索してみると要因が突き止められるかもしれません。
チェックすべき外部要因②:競合の動き
Web広告の表示回数やクリック単価などが急変動した場合は、競合がWeb広告の配信で大きなアクションを起こした可能性が高くなってきます。
競合がWeb広告の配信をいきなり弱めた場合、代わりに自社の広告が配信される量が急増することになるため、クリック数が急増する場合があります。
逆に、競合がWeb広告の配信を強めた場合は、強めた度合いによって2つに分かれます。
競合の広告配信が、自社を圧倒するほど強められた場合は、自社の広告の掲載順位が競合に負けて下がる、あるいはそもそも広告が出なくなるということもありますので、多くの場合はクリック数が下がり、コンバージョン数も減ります。
成果を回復させるためには競合に負けないように入札単価を上げたり、ターゲティングの設定を変えて競合との衝突を避けるなどの方法が必要です。
また、競合の配信の強め方が、自社を押しのけるほどではなかったという場合は、単純に広告配信のオークションの競争が激しくなりますので、クリック単価がつりあがります。
クリック単価が上がれば、同じ予算内で集められるクリックの数は減少しますので、予算に限りがある場合はコンバージョン数も減ってしまう可能性が高くなります。
高いクリック単価を払ってでも競合よりも優位なポジションを維持し続けるか、入札単価を下げて競合に譲るようにして採算が合うように広告配信を縮小させるかは、広告配信の目的や広告予算などによって適切な対処が異なりますので、自社に適した戦略を考えましょう。
チェックすべき外部要因③:Googleのアルゴリズムアップデート
SEO対策をメインにWebマーケティング活動を行っている方であれば避けては通れないのが、Googleの検索エンジンのアルゴリズムのアップデートです。
Googleは、検索の精度をより向上させるため、定期的に検索エンジンのアルゴリズムのアップデートを行います。
大体、小規模なアップデートが四半期に1回程度あり、大規模なアップデートが1年に1回程度あります。
このアップデートは、内容やWebサイトのジャンルなどによって、影響を受けるかどうかがまちまちなのですが、1年に1回の大規模なアップデートとなると、多くのWebサイトが影響を受けます。
具体的には、掲載順位1位を長くキープしていたページが突然10位未満にまで転落してしまったり、逆に圏外だったページが検索結果の1ページ目に躍り出ることもあります。
このアルゴリズムのタイミングや内容はGoogleのみぞ知る、といった具合で、一応大規模なアップデートが行われた際にはGoogleからアナウンスがあるものの、具体的にどこがどう変わったかという情報は一切与えられません。そのため、変動の傾向からどういうアップデートが実施されたのかを推測するしかありません。
このような大規模アップデートの被害を最小限に食い止めるためには、Googleが常に意識している「ユーザー志向」のサイト作りを心掛けたり、ドメインの違う複数のWebサイトを運営してリスクヘッジを行うなどの対策が有効です。
アクセス解析で急変動が起きた場合の原因究明と対処法まとめ
アクセス解析やWeb広告のデータ分析において、数値に急変動が起きてしまったときの対策と考えられる原因について解説してきました。
急変動にも良いものと悪いもの、すぐに対策ができるものとできないものがありますが、まず一番大事なことは、原因を突き止めることです。
原因さえ突き止めてしまえば、その後どういうアクションを起こせばいいのかの筋道が立てやすくなりますので、まずは原因究明に努めて、冷静に対策の戦略を考えていきましょう。