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昨今、注目を集めている動画広告の配信プラットフォームとして最もよく使われているのが、動画投稿サイトのYouTubeです。しかし、実はYouTube広告の種類にも様々なものがあり、それぞれ特徴が違います。
それに、YouTubeで配信できる広告は動画だけではなく、バナー広告も配信が可能です。
2018年12月の調査で、YouTubeは日本国内の月間利用者数が6200万人、18~29歳に至っては9割ちかくが利用していることが明らかになっています。
今後、動画広告の利用価値が伸びることはほとんど間違いありません。そして、動画広告の中で最も重要な媒体がYouTubeです。
今回は、YouTubeで配信可能な広告の種類とそれぞれの特徴について、ひとつずつ解説していきます。
実は動画だけじゃない?YouTube広告
YouTube広告と聞くと、動画広告のことを想像してしまいがちかもしれません。
しかし、YouTubeのプラットフォーム上で配信できる広告は動画だけではなく、バナー広告やテキスト広告を表示するための広告枠も用意されています。
そのため、動画広告を用意するのが難しいといった場合や、動画以外の配信形態で広告を表示したいといった場合にも、YouTube広告を利用することが可能です。
いずれもGoogle広告から出稿するもので、1つのキャンペーンから勝手に出稿できたり、専用のキャンペーンを作らないと行けなかったりと運用方法は様々です。
より重要なことは、一言に「YouTube広告」「動画広告」といっても、役割や効果、ユーザーが受け取る印象は様々ということです。それぞれの基本的な特徴を紹介するので、YouTube広告に取り組む際には知っておいてください。
YouTubeに掲載される4つの動画広告
YouTubeに掲載される動画広告は、大きく3種類に分けられます。
- スキップ可能な動画広告
- スキップ不可の動画広告
- バンパー広告
の3種類です。
YouTubeに掲載される動画広告①スキップ可能な動画広告
スキップ可能な動画広告は、動画の前後、あるいは途中に挿入して掲載することのできる動画広告です。
この形態は、広告が5秒間再生された後、続きをスキップするかどうかをユーザーが選ぶことができます。
15秒や30秒など長めの動画が使われることが多いのがこの配信形態です。ただ、広告に興味のない多くのユーザーは最初の5秒間が終わるとすぐに動画をスキップしてしまいますので、この最初の5秒間にいかにユーザーの興味を惹けるかが重要になってきます。
もしスキップされずに最後まで見てもらうことができれば、長時間ユーザーに訴求ができますし、もしスキップされてしまったとしても、最初の5秒間は確実に見てもらうことができますから、認知獲得の効果が高い配信形態です。
YouTubeに掲載される動画広告②スキップ不可の動画広告
スキップ不可の動画広告は、その名の通り、最初の5秒間が終わってもスキップができない動画広告です。
掲載される場所としては、スキップ可能な動画広告と同じく、動画の前後、あるいは途中に挿入されます。動画の長さは15秒または20秒と決められており、動画広告の再生が始まると、ユーザーは再生が終わるまでスキップなどができません。
広告主にとっては、長めの動画を最後まで見せることができるので、訴求したい内容を狙った通りに届けることができますが、広告に興味のないユーザーにとっては、スキップができない動画広告はストレスが大きいのが実情です。
広告によって認知獲得やブランドイメージの向上を図っていたはずが、ユーザーにとってはむしろ悪い印象を持ってしまうことがありえます。
そのため、他の2種類の動画広告と比べると、あまり利用されていない配信形態です。Appleのようにすでに圧倒的な信頼とブランド力を持った企業が新製品のリリース時に使っている印象です。
YouTubeに掲載される動画広告③バンパー広告
バンパー広告は、最長6秒間でスキップ不可の短い動画広告です。こちらも同じく、動画の前後、または途中に挿入されます。
バンパー広告の特徴は、とにかく短いことです。最長で6秒間という非常に短い動画ですので、この6秒間にいかにユーザーの興味を惹けるか、印象に残せるかが重要になります。
単に動画を作って配信するだけなら、短い動画の方が簡単かもしれませんが、その動画で成果を上げるとなると途端に難易度が上がってしまいます。
そのため、どちらかというと動画広告の運用経験があり精通している広告主向けの配信形態と言えます。
再生時間が短く作るのが難しい代わりに、スキップボタンが表示されず、ユーザーは最後まで動画を見ることになりますので、認知獲得の効果は他の動画広告よりも高く、再生時間が短いおかげでユーザーにとってもストレスを感じにくいのがこのバンパー広告です。
いくら優れた動画であっても6秒で商品のすべてを伝えることは難しいでしょう。そこで、インパクトのある6秒動画を作成しバンパー広告で認知獲得、その後、リマーケティングでスキップ可能な動画広告を配信し商品のメリットを詳しく説明するなどの戦略が求められます。
動画広告なのに動画以外で掲載されるディスカバリー広告
動画広告なのに動画以外のフォーマットで表示される広告に、TrueView ディスカバリー広告があります。ディスカバリー広告とは、YouTubeの検索結果や動画再生ページの関連動画に表示される広告で、クリックするとYouTubeの動画再生ページやチャンネルページが表示されます。
スキップ可能・不可の動画広告と異なり、ユーザーの能動的なアクションから広告動画を見てもらえることが最大のメリットです。
YouTubeに掲載される動画以外の3種類の広告
ここまで、YouTube広告で配信できる3種類の動画広告について解説してきましたが、冒頭でも述べた通り、YouTube広告には、動画以外にも配信できる広告があります。
- ディスプレイ広告
- オーバーレイ広告
- スポンサーカード
の3種類です。
YouTubeに掲載される動画以外の広告①ディスプレイ広告
YouTubeのディスプレイ広告は、基本的にはGoogle広告の通常のディスプレイ広告と変わらず、バナー広告を出稿できる広告枠です。注目動画の右側、おすすめの動画一覧の上に表示されます。
ただし、ディスプレイ広告なら何でも掲載できるというわけではなく、YouTube広告で出稿できるディスプレイ広告にはいくつかの制限があります。
まず、ディスプレイ広告は、PCにしか対応しておらず、スマートフォンユーザーには配信されません。
そして、バナーのサイズは、「300×250」または「300×60」に限られます。「300×250」は最もポピュラーなバナーサイズですので、YouTube広告専用のサイズのバナーを用意しなければならないということはなく、通常のディスプレイ広告で使っているバナーがあればそのまま配信が可能です。
動画の再生枠ではなく隣に表示されるため、ユーザーの視聴の邪魔をせず広告を出稿でき、かつ視界にも入りやすいのがメリットです。
YouTubeに掲載される動画以外の広告②オーバーレイ広告
オーバーレイ広告は、動画再生枠の下部に重なって表示される広告です。バナーあるいはテキスト広告を表示できますが、ディスプレイ広告と同じく、PCにしか対応していません。
また、バナーのサイズは「468×60」または「720×90」のみとなっています。
動画の再生枠に重なって表示されるため、ディスプレイ広告よりもさらにユーザーの視界に入りやすいのがメリットです。
オーバーレイ広告には常に閉じるボタンが表示されるため、ユーザーの動画視聴を妨げることもほとんどありません。
広告に興味のないユーザーに不快な思いをさせることなく、認知獲得を狙っていきたい場合におすすめの広告形態と言えるでしょう。
YouTubeに掲載される動画以外の広告③スポンサーカード
スポンサーカードは、ティザー広告を動画再生枠の右側に表示し、動画に関連する商品・サービスについて訴求できる広告です。ディスプレイ広告・オーバーレイ広告と異なり、スポンサーカードはPCとスマートフォンの両方に対応しているのが特徴です。
動画再生枠内に掲載する広告ですが、表示されるのは数秒間ですので、ユーザーの動画視聴を妨げることもほとんどなく、動画を見る中で興味を持ったユーザーがクリックしやすい形になっています。
動画だけじゃない?YouTube広告の種類と特徴まとめ
今回は、YouTube広告で掲載できる、3種類の動画広告と、3種類の動画以外の広告についてそれぞれ解説してきました。
「YouTubeに広告を掲載したいけど、動画を用意するのが難しい……」とお悩みの方は、まずはディスプレイ広告やオーバーレイ広告など、動画以外の広告を出稿することから始めてみてはいかがでしょうか。これらは通常のディスプレイキャンペーンから出稿することができます。
また、YouTubeに動画広告を出稿することを検討している方は、再生時間の制限の少ない、スキップ可能な動画広告から始めてみることをおすすめしますバンパー広告は6秒間という短い時間でユーザーの興味を惹かなければならないという難しさがあるためです。
Google入札戦略や考え方などについて詳しく解説しています。こちらの記事もぜひご参考にしてください。
YouTube広告の運用指針|目標インプレッション単価の考え方
YouTube以外にも動画広告を出稿できるプラットフォームは多くありますので、そこで出稿している広告をYouTubeでも配信してみるといった試みも良いでしょう。
ぜひ今回解説した内容をもとに、YouTube広告の出稿に挑戦してみてください。