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Web広告がテレビCMやその他の広告手法を追い抜き、主要なマーケティング手段となった現在、SNS広告に取り組んでいる広告主は多いと思います。しかし、SNS広告には様々な種類があり、日々アップデートが行われています。
そこで、本記事では、日本でトップクラスの利用者数を誇るSNS、Twitterについて最新の広告情報をまとめていきます。
「Twitter広告とは何か」という基本的な話から、広告の種類や使えるターゲティング、その選び方までご紹介します。すでにTwitter広告を出稿している方も、検討中の方もTwitter広告の全体像が見える内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
Twitter広告とは
Twitter広告とはその名の通り、SNSプラットフォーム「Twitter」に出稿する広告手法です。その特徴はなんといっても簡単に出稿できること。「初めてのWeb広告にチャレンジ! 今からInstagram広告とTwitter広告に出稿してみよう」という記事ではスマートフォンアプリから5分で広告出稿する方法を解説しています。
それでは、Twitter広告の詳細の前に、Twitterマーケティングの魅力を紹介していきます。
Twitterの利用動向
Twitterは日本国内での月間アクティブユーザー数を2017年10月を最後に公表していません。当時のアクティブユーザー数は4500万人でした。同時期のInstagramは、アクティブユーザー数が2000万人ほどだったので、SNSとしてはかなりのユーザー数を誇っていました。
現在の公式なユーザー数はわかりませんが、リサーチ会社の調査によると現在でも国内のSNSとしてはトップクラスの利用者を誇っていることがわかっています。
上図はアライドアーキテクツ社が2020年12月に行った調査ですが、各年代でInstagramやFacebookより利用されていることがわかります。
また、6割以上のユーザーがTwitterをきっかけに商品・サービスを購入したことがあり、企業が行うキャンペーンに参加したことがあると回答しています。
高い拡散力とエンゲージメント獲得
先ほどのデータから、Twitterは国内で最も利用者数が多いSNSの1つで、企業がマーケティングを展開する媒体として適していることがわかります。さらに、Twitterにはもう1つ独特の強みがあります。
それは高い拡散力です。Web広告の多くがインプレッションやクリック、視聴などで課金され、費用が発生しますが、「二次拡散」にはコストがかかりません。
つまり、広告がいいねやリツイートで拡散しても、拡散した先では一切広告費がかかりません。フォロワー1000人のユーザーがリツイートすれば、1000人のフォロワーに広告費ゼロで情報を届けられるのです。
Twitterにはユーザーが気軽にいいねやリツイートで投稿をシェアする文化があります。また、ハッシュタグを上手く活用することで拡散力をさらに高められます。Twitterの二次拡散による広告効果は、大きな可能性を秘めているのです。
少額から出稿できる
Twitter広告にはクリック課金、インプレッション課金、フォロー課金、エンゲージメント課金、再生数課金など様々な課金体系がありますが、最低出稿金額などの制限はありません。
スマホアプリから1000円単位で出稿することもできますし、1円から出稿可能です。
つまり、自社の予算や目的に合わせ、柔軟に予算をコントロールできるということです。もちろん、広告の反応が悪ければすぐに止めることもできますし、うまくいきそうな広告の予算をあげることもできます。
Twitter広告の種類
それでは続いて、Twitter広告の種類を見ていきましょう。Twitter広告には、プロモアカウントとも呼ばれる「フォロワー獲得広告」やタイムラインやトレンドの上部に表示させる「タイムラインテイクオーバー」「トレンドテイクオーバー」など様々な種類がありますが、今回は最もよく使われる「プロモツイート」の種類を紹介したいと思います。
これらの種類について、出稿方法は基本的に同じです。入稿するクリエイティブ(広告コンテンツ)や広告グループの設定によって、表示される種類が異なります。
テキスト広告
最も基本的な形はテキスト広告です。通常のツイートと同じく全角140文字(広告用URLに12文字使用される)で入稿します。シンプルですがユーザーのタイムラインに溶け込みやすく、画像作成も必要ないため気軽に出稿できる形式です。
画像広告
続いて画像広告ですが、テキスト広告と同じく全角140文字に画像を追加した形式です。GIF画像は静止画として扱われる点に注意が必要ですが、非常によく用いられる形式です。
画像広告には最大70文字のタイトルをつけられます。140文字という制限があるTwitter広告で、画像に加えて訴求メッセージを追加できるのは大きな魅力です。
動画広告
動画広告は、画像広告の画像の代わりに動画を入稿する広告です。動画の長さについて、Twitterは15秒以内を推奨していますが、最長2分20秒の動画を広告として配信できます。適切な動画の長さは目的や訴求内容によって様々ですが、60秒以内の動画の場合、自動でループ再生されることも動画作成の際には考慮しておきましょう。
画像広告と同じく、動画にタイトルをつけられるので、訴求要素が増やせる点も魅力です。
カルーセル広告
カルーセル広告では、2〜6枚の画像または動画が並行方向にスワイプできる形で表示されます。画像だけでなく動画も入稿できますが、動画の長さに関する規定は動画広告と同じです。また、入稿する画像は全て同じアスペクト比のものを使用する必要があります。
スワイプというユーザーの積極的なアクションによってブランドのストーリーや訴求ポイントを見せられるのが魅力です。
モーメント広告
モーメント広告は、1つのツイートでは表現できないストーリーを伝えるためのもので、イメージとしては、まとめ機能のようなものです。複数のツイートを1つにまとめての広告配信が可能です。
こちらはキリンビールが数年前に行った一連のモーメントです。「キリンが贈る”超簡単レシピ集”」というテーマで関連する数件のツイートを1つにまとめています。
公式サイトにはモーメント広告の入稿に関する基準がありませんが、Twitterでモーメントを作成し、URLを広告に設定するか、オーガニックで投稿したものを広告に設定する形で出稿できます。
オーディエンスプラットフォーム
最後はオーディエンスプラットフォームです。FacebookやYouTube広告でいうオーディエンスネットワーク、アウトストリームのようなもので、Twitter以外の広告枠に表示させられます。
広告グループの設定でオーディエンスプラットフォームをオンにすると出稿できます。リーチを広げるなどの目的には効果的ですが、オーディエンスプラットフォームでは一部のターゲティングが無効・制限されます。Twitter広告の大きな魅力の1つである拡散力も狙えないので、活用するか否かは目的に応じて検討しましょう。
Twitter広告の種類の活用ポイント
このようにTwitter広告には様々な種類があります。今回紹介したのは「プロモツイート」の種類だけなので、実際にはもっと多くの種類が存在します。
どの種類をどのように活用していくべきかは広告の目的や訴求によって様々ですが、Twitterは「広告フォーマットを3種類以上使用すると、広告キャンペーンの認知度が20%、購買意欲が7%向上します」と発表しています。できるだけ多くの種類を出稿し、利用可能な要素(タイトルなど)を全て利用することをおすすめしています。
そのため、最もよく利用されるベーシックな画像広告を中心に、効果的だったものを動画広告、カルーセル広告などに展開し、種類を増やしていくというアプローチが効率的に結果を出していくために重要だと考えられます。
Twitter広告で使えるターゲティング
続いて、Twitter広告で利用できるターゲティングを見ていきましょう。SNS広告成功の秘訣は、そのSNSならではのターゲティング機能をうまく活用することです。YouTube広告ならチャンネルや動画単位で指定でき、Facebook広告なら1歳単位の年齢、といった詳細ターゲティングのことです。
Twitter広告にも、独自のユニークなターゲティングがあり、それをうまく活用できるか否かで成果が大きく変わってきます。Twitter広告のターゲティングは大きく4つに分類されるので、それぞれ確認していきましょう。
オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングでは、年齢・性別・地域でターゲットを絞り込めます。年齢は10歳単位、地域は国単位、都道府県、市区町村単位で選択可能です。
デバイスターゲティング
続いてデバイスターゲティングですが、Twitter広告では非常に細かくデバイスを指定できます。iOS15.0やiOS14.7など、OSの種類やバージョン、iPhone13やiPhone13 Proなど、端末のモデル、さらには通信会社(ドコモ、AU、ソフトバンクなど)、そして特定の期間に新しい端末を利用しているユーザーなどです。
カスタムオーディエンス
続いてカスタムオーディエンスですが、ここでは自身で作成したターゲティングリストを使用できます。例えば、ランディングページにアクセスした人のリストを作成してリマーケティングを行ったり、購入した人のリストを作成して除外したりといった自由度の高いターゲティングができます。
その他のターゲティング
そのほかにも、下記の項目からターゲティング設定できます。
- キーワードターゲティング
- フォロワーターゲティング
- 興味関心
- 映画とTV番組
- イベント
- 会話トピック
キーワードターゲティングは、ユーザーのツイートや検索キーワードをもとにターゲティングする機能です。例えば「アクセサリー」というキーワードを設定すると、アクセサリーを含むツイートを投稿したユーザーや、検索したユーザーに表示されます。
フォロワーターゲティングは、Twitterアカウントのフォロワーをターゲティングする機能です。例えば競合のアカウントを設定した場合、競合のアカウントをフォローしているユーザーに類似した人に広告を届けられます。
この2つはユニークなターゲティングなので、ここをうまく使えるかどうかが成功の鍵になります。
興味関心は他のSNS広告にもあるターゲティング機能と同じく、ユーザーの興味関心でターゲットを絞り込む機能です。「書籍」と検索すると「コミック」「ノンフィクション」「ミステリー」「ロマンス」など数多くのジャンルが表示され、細かな項目が用意されています。
続いて映画とTV番組、イベント、会話トピックですが、これらはTwitterのユニークなターゲティング機能です。
こちらは映画とTV番組で「ニュース」と検索したものですが、世界仰天ニュースやNHKニュースなど、様々な番組がリストに表示されます。
ターゲット層が関心を持っているテレビ番組を設定して、アフィニティターゲティングのように活用できます。また、テレビCMを出稿している場合は、自社のCMが放映された番組をターゲティングし、リマーケティングのように活用できるでしょう。
イベントの項目では、直近数ヶ月程度の主要なものがリストアップされます。2022年5月21日に検索してみたところ、エンターテインメントではアニメ・マンガ系の国内イベント「AX 2022 – Anime Expo」などが、スポーツでは「NBA」や「日本ダービー」などが表示されていました。自社が協賛か参加しているイベントがあればぜひ活用してください。
まとめ
今回はTwitter広告スタートガイドをテーマに、広告の特徴や種類、ターゲティングについて紹介しました。すでに出稿されている方でも使ったことがない機能があったのではないでしょうか。
Twitter広告というと、GoogleやYouTube、Facebook、Instagramなどの広告と比べて、最近あまり勢いがないように感じるかもしれません。しかし、Twitter広告にしかないユニークな機能が数多くあることがわかっていただけたと思います。
ぜひ、この記事を参考に、Twitter広告に取り組んでみてください。ターゲティングもユニークなものがあり、どう活用すれば成果が得られるのか、少額からでも出稿できるので、まずは、テスト感覚で試してみてはいかがでしょうか。