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【5G革命到来】経営層の7割が認識していないテクノロジーのインパクト

2019年7月25日、アクセンチュアが発表したレポートによると、世界の企業経営層・技術幹部は5G 時代到来による影響を過小評価していることが明らかになりました。
とはいえ、5Gに対しては「2020年に始まるっていうのは知ってる」「通信速度が速くなるんでしょ?」という程度が大半の認識と思います。

今回は2020年に導入が予定されている5G技術について、アクセンチュアのレポート、ビジネスに与える影響、そしてそもそも5Gとは何かといったことを見ていきたいと思います。

アクセンチュア「日本の経営層の約7割が5Gがもたらすインパクトを理解していない」

画像:アクセンチュア 経営層と技術担当幹部の53%が4Gではできないが5Gではできるようになることを「ごくわずか」と考えている。

画像:アクセンチュア 経営層と技術担当幹部の53%が4Gではできないが5Gではできるようになることを「ごくわずか」と考えている。

アクセンチュアは、世界の企業経営層および技術担当幹部を対象に5G(第5世代移動体通信システム)技術に関する調査を行いました。
調査結果によると、世界の経営層の70%が「5G関連技術が今後、競争上の重要な意味を持つようになる」との認識を示しています。また、グローバル全体では回答者の60%が「5Gの人口カバー率は2022年までにほぼ100%になる」と考えているほか、70%は「5Gの活用が営業上の競争優位につながる」と確信していることが明らかになりました。このほか、回答者の約4割が「5Gが通信速度と容量に多大な影響をもたらすと期待しています。

その一方で「5Gについて何を知らないかについても分からない」という経営層はグローバル全体では60%、日本は調査対象の10か国で最も高い68%ととなりました。
これはつまり「5Gはよくわからないけれど凄そう」漠然とした印象しか持っていないということになります。

そのほか、このレポートからは次のようなことが分かります。

  • 経営層の72%が「5Gがもたらす将来の可能性と有効な実用例を見極めるには支援が必要」と回答し、40%が「企業が5Gへの移行を計画する上で通信事業者は主要な提携先の1つである」と考えている。
  • 経営層の多くが5G関連技術をいかにイノベーションに活用できるかという課題を抱えているが、「通信事業者は自社の属する業界の課題を十分に理解していない」と回答した経営層は60%に上る。
  • 5G導入に向けた主要な障壁は「先行投資」(回答者の36%)、「セキュリティ」(同32%)、「従業員の理解」(同29%)が挙がった。セキュリティについては、経営層の78%が「自社における5Gの活用により事業のセキュリティが向上する」と期待を示した一方、32%が5Gのセキュリティに懸念を抱いている。
  • 5Gに対する理解度は業界によってばらつきがある。エネルギー業界の経営層の過半数(53%)は「5Gは遠隔地や荒れ地など、従来の通信環境では十分にカバーされなかったエリアもカバーすることで業界に革命的な影響をもたらす」と考えている一方、この期待を示した回答者は全体では41%に留まりる。
  • 行政・公共分野は5Gに対する理解度が最も低く、「5Gの通信速度が4Gの10倍に達する」と認識している回答者は59%と、全体の回答率67%よりも低い。また、「5Gの使用により業務上のセキュリティが向上する」と回答した行政機関の幹部は66%で、同じく全体の78%を下回る。

こうした結果が出たことに対し、アクセンチュアは次のようにコメントしています。

「5Gは今後、現実の世界で通信環境に大きな変革をもたらし、イノベーションを起こしながら商業的、経済的な発展を遂げる新たな次元を切り拓いていくでしょう。5Gの活用により、3D映像や拡張現実技術が搭載されたテレビ、自動運転車、スマートシティにおけるインフラといった飛躍的な発展がもたらされ、現時点では想像することすら難しいさまざまな変革の機会が新たに生まれるでしょう。通信事業者は、こうした世界を実現する上で重要な役割を果たしていくことが期待されています。」
ジョージ・ナチ

 

「それぞれの理解度にはばらつきがあるにもかかわらず、企業の経営層は5Gがもたらし得る価値に対して大きな期待を抱いています。5Gをめぐっては現時点ではリスクや不確実性が懸念されていますが、企業は顧客ニーズを理解し、導入への障壁を克服し、パートナー企業との連携を促進できれば、5Gがもたらす潜在価値を引き出すことができるでしょう。」
アンダーシュ・リンドブラッド

皆さんは3Gから4Gに変わったときのことを覚えているでしょうか?
携帯電話に搭載されていた3Gから今もスマートフォンに搭載されている4Gに変わったとき、インターネットとの付き合い方が大きく変わりました。

携帯電話で動画を見る機会はあまり多くなく、たとえ見てもかなりのストレスに耐えていたと思います。
しかし4G通信になった今、動画がメインのコンテンツといっても過言ではありません。SNS、Webサイト、アプリ、どれもリッチな動画、動きに溢れていると思います。TwitterやInstagramのような無限スクロール型のコンテンツが増えてきたのも、スマートフォンの機能によるものだけでなく、4Gという通信規格が導入されたからです。

3Gから4Gに切り替わったときと、少なく見積もっても同程度のインパクトを与えるのが5Gです(5Gの能力を見ればわかりますがおそらくそれ以上)。
にもかかわらず、アクセンチュアの調査結果にあるように多くの経営層が5Gを漠然としか捉えられていません。ビジネスにインパクトを与えることはある程度想像できても、一体それが何なのか、どういったインパクトなのか、5G革命によって何ができるようになるかを考えられているのはまだまだ一部です。

ではまず、そもそも5Gとは何かということを見てみましょう。

5Gとは何か? 仕組みと現状、予定

5Gについて、多くの人は「聞いたことはある」「速度が速くなるんでしょ」という認識はあると思います。しかし、「5Gはこういうものです」といえる人は少ないのではないでしょうか。
まず5Gとは何かを見ていきましょう。また、2020年に導入されるといわれていますが、現状どうなっているのか、そのほかの予定はあるのかなども紹介しましょう。

5Gとは何か?|1Gから続く移動通信システムの歴史

5Gとは、現在主流の「4G」の次世代となる移動通信システムを指します。
移動通信システムとは持ち運べる通信機器を使った通信を指します。Gは「ジェネレーション」のGで、5Gは「第5世代移動通信システム」を指します。

1Gから順に見ていくと、

  • 1G(第1世代移動通信システム)…車に設置された自動車電話、ショルダーフォンなどに利用されていたアナログ回線。1999年に終了
  • 2G(第2世代移動通信システム)…1993年に開始したデジタル通信規格。データ通信が可能になり、Eメールや初期のモバイルサイトが誕生するきっかけになった。通信速度は8kbpsと4Gの5000分の1程度
  • 3G(第3世代移動通信システム)…2000年代初頭に登場した通信規格で初期のスマートフォンまで利用されていた。電波が届く範囲が広い特徴がある。度々改革が行われ5Gや3.9G(厳密にはLTEと同意で4Gに分類されることもある)と呼ばれる規格も存在する
  • 4G(第4世代移動通信システム)…現在主流の移動通信システム。3Gと比べ大幅に高速化し、スマートフォンでの動画閲覧、リッチなWeb・アプリ体験、リアルタイムな位置情報更新など、今となっては生活になくてはならないサービスの提供を支えている

となっています。

1Gと2Gにより、携帯電話というこれまでなかったコミュニケーション方法が登場しました。3Gにより携帯電話でインターネットにアクセスし、電子書籍を読んだりゲームをするといった文化が生まれました。そして4Gにより、音声や映像コンテンツのストリーミングなど全く新しい仕組みのビジネスが多数登場しました。
当然、5Gが登場することで、これまでのように全く新しい文化やビジネスが登場するでしょう。

では次に何がすごいのか、5Gの能力を見ていきましょう。

5Gの能力|通信速度、同時接続数、遅延

普通に動画を見たりリッチな動きのあるWebサイトやアプリを利用するうえでは、4Gで十分です。しかし5Gは世界全体で、政府レベルが主体となって導入を進めています。
では、なぜ5Gが必要なのでしょうか
それは5Gがスマートフォンなどの携帯端末に限らず、自動運転や医療、IoTなど様々な分野で革命を起こすと予測されているからです。

能力1:格段に速い通信速度

画像:東洋経済新報社|2019年のラグビーワールドカップに合わせてプレサービスが始まり、2020年から商用化がスタートする

画像:東洋経済新報社|2019年のラグビーワールドカップに合わせてプレサービスが始まり、2020年から商用化がスタートする

4Gの通信速度は100Mbps~1Gbpsです。しかし5Gでは最大100Gbpsになり、単純に4Gの100倍以上の通信速度が予定されています。
4Gで10秒かかるデータ通信が5Gでは0.1秒未満になります。つまり、インターネットを利用するあらゆるシーンで「待つ」時間が無くなります。Googleがページスピードインサイトを導入してから、Webサイトの表示速度を上げるために四苦八苦することも少なくありませんが、こうした苦労もなくなるかもしれません。

能力2:医療や自動運転で欠かせない超低遅延

画像:東洋経済新報社|超低遅延により高解像度な映像もリアルタイムで送受信できる

画像:東洋経済新報社|超低遅延により高解像度な映像もリアルタイムで送受信できる

5Gは遅延が非常に小さいことも期待されています。4Gでは10ms程度の遅延がありますが、5Gは1ms未満に改善されます。これにより、例えばライブ配信でよくある映像と音がずれたり、コメントに対する反応が遅れたりといったことが少なくなります。
また、ロボットの遠隔操作などもリアルタイム性が高くなるため、工業分野への応用が期待されています。

もっとも期待が大きいのは自動運転と医療でしょう。遅延がなくなることでセンサが察知して瞬時に対応する能力が求められる自動運転、遠隔手術などの医療分野が受ける恩恵は非常に大きいでしょう。

能力3:IoTに必須の同時接続数

画像:東洋経済新報社|同時接続数が格段に上がり1平方キロメートル当たり100万台を同時に接続できる

画像:東洋経済新報社|同時接続数が格段に上がり1平方キロメートル当たり100万台を同時に接続できる

5Gは圧倒的な同時接続数が予定されています。同時接続数とは、1つの基地局から接続できるデバイスの数を表します。過程に設置されているWi-Fiであれば数台~10台程度が上限で、それ以上接続すると極端に通信速度が低下します。
5Gでは、1つの基地局から少なくとも100個程度の機器を接続できます。実証実験では2万台の同時接続に成功した例もあります。
これによって何ができるかというと、例えば倉庫内の物品の在庫数、位置、状態をインターネットで管理できるようになります。また、災害時に大勢の被災者にウェアラブル端末をつけてもらい、健康状態をリアルタイムで確認したりといったことも考えられます。
特にインパクトが多いのはIoTです。IoT機器の登場により、家庭内にあるインターネットデバイスが数十~数百個になるかもしれません。そうなると5Gでないと対応できなくなります。

5Gの現状と最新動向|未来の話ではなくすでに始まっている

5Gは2020年に導入されるため、まだまだ先のことと思っているかもしれません。
しかし、いくつかの国ではすでに5Gの提供が始まっており、決して未来の話ではありません。
ここでは5Gの現状や最新動向がわかるトピックをいくつか紹介します。

ZTE 8月5日より5G対応スマートフォンを販売開始
スマートフォン大手のZTEは5Gに対応したスマートフォン「AXON 10 Pro 5G」2019年8月5日に中国での販売を開始しました。価格は日本円で7万5千円と比較的リーズナブルです。
中国ではZTE以外にもファーウェイが8月上旬に「Mate 20 X(5G)」を販売予定で、シャミオはすでにヨーロッパで「Mi MiX 3 5G」を販売しています。
スマホ出荷台数世界一位のサムスンも8月7日に「Mi MiX 3 5G」を発表しました。

中国の5G商用化は日本と同じ2020年といわれていますが、すでに5Gの免許がキャリアに与えられており、いつ始まってもおかしくない状態です。

韓国とアメリカではすでに5Gの商用利用が開始
2019年4月5日、韓国が世界に先駆けて5Gの商用利用を開始しました。また、それよりも以前に限定された地域、環境ではあるもののアメリカでもスタートしています。
5Gは年間12兆ドル以上の市場になるといわれており、最初に商用利用にこぎつけた企業がその中核を担うでしょう。どこが最初かについては議論がありますが、本題はそこではなく、すでに5G時代は“到来している”ということです。

東京オリンピックに向けたマルチアングルVR実証実験がヤフオクドームで開催

日本では2020年の東京オリンピックを契機に5Gを活用した様々な商用サービスが提供されるといわれています。
そんな中、2019年3月には福岡のヤフオクドームで5Gを活用したマルチアングルVR試合観戦の実証実験が行われました。5GとVRという、最新技術をかけ合わせた新しいスポーツの楽しみ方が誕生しました。

VR空間では他の観戦者がアバターとして表示され、その人の行動がアバターの動きにリアルタイムで反映されます。また、試合中はいつでもヤフオクドーム各所に設置されたカメラからの映像に視点を変えることができます。
将来的には離れた家族が一緒の空間でスポーツ観戦を楽しめるようになるかもしれません。

こうした技術は膨大なデータ通信を遅延なく通信できる5Gがあって成り立ちます。

2020年に発売されるiPhoneはすべて5G対応モデルと予測
5Gスマホはすでに登場していますが、日本人として気になるのはiPhoneです。iPhoneも著名なアナリストが2020年発売のiPhoneはすべて5Gモデルになるとの予測を発表しました。
あくまでも予測ですがサムスンなどのスマホメーカーが対応している以上、Appleが対応するのも時間の問題でしょう。

NTTドコモ 5Gを使った遠隔医療を実験
2019年1月、NTTドコモは5Gを活用した遠隔医療実験を実施しました。この実験は県立医科大学(和歌山市)と、約40キロ離れた同県日高川町の診療所を5Gでつなぎ、高精細映像や音声により現場の診察を医大の医師が指導するというものです。
医療の現場ではリアルタイム性や画像や音声の精度が非常に重要になります。5Gを遠隔医療に活用した実験は世界的にも珍しく、今後の取り組みが注目されています。

KDDI 5Gを用いた自動運転の実証実験を実施
2019年2月、KDDIはアイサンテクノロジーなどの企業と共同で、5Gを使った自動運転の実証実験を愛知県一宮市で行いました。

自動運転にはクルマの雲梯状況、周囲の環境、交通情報といった膨大なデータがサーバーへ送られ、そのデータを元にベストな走行を行います。つまり、自動運転の実現には大容量のデータをリアルタイムにサーバーとクルマで通信する必要があります。

5Gに対応した自動運転を行動で走らせるのは日本では初の取り組みとなりました。自動運転の課題は通信速度だけではありませんが、5Gにより大きく進歩するでしょう。

5G/IoTの展覧会に500社以上が出展、3万人以上が来場

2017年7月、リード エグジビション ジャパンは5G/IoT通信展を開催しました。
今回で3回目になりますが、出展企業500社以上、来場者数3万人以上と非常に注目を集めていることが分かります。
アクセンチュアの調査結果にあるように、5Gに対して漠然とした期待を抱いている経営層は多く、そのためには通信事業者によるサポートが必要だという認識があります。
こうした展覧会では翌年、翌々年にリリースされる最新のテクノロジーが数多く発表されます。

他にも5Gについては多くのニュースがあります。今回は特に興味深いものをいくつか紹介しましたが、伝えたいことは「5Gは未来の話ではなく、すでに始まっている」ということです。

5G革命と呼ばれる所以|ビジネスに与える影響

5Gとは何か、5Gの最新動向、簡単にではありますが、いかがでしょうか。「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という特長を持つ5Gは、さまざまな産業を根底から変える可能性があります。
1Gから4Gまでも大きく進歩してきましたが、それは主に通信速度に関してでした。5Gは通信のタイムラグを小さくする超低遅延、基地国の同時接続数を大幅に増やす多数同時接続はこれまでの世代にはなかった特徴です。

そのため単なる通信速度ではなく、リアルタイムな安全性が求められる自動運転や工場ロボットの遠隔作業、遠隔医療の実現や、身の回りのあらゆるデバイスがインターネットにつながるIoTの普及促進が期待されています。

画像:東洋経済新報社|交通や工場、医療、流通、スマートホームなどを中心に47兆円近い経済効果を生む

画像:東洋経済新報社|交通や工場、医療、流通、スマートホームなどを中心に47兆円近い経済効果を生む

こちらは総務省が発表した5Gによる経済効果の予測です。交通や工場、医療、流通、スマートホームなどが特に大きな効果を受け、総額47兆円近くに上ります。
また、英調査会社のIHSマークイットは世界で約12兆ドルに上ると予測しています。

正直、話題に上がっている「5Gスマホ」などは5Gによる恩恵のごく一部です。それ以上に、これまで実現できなかった、構想で止まっていた新しいビジネスが次々誕生するでしょう。

最後に、私の個人的な私見によるものですが、5Gによって大きく変わるであろうビジネスイノベーションをいくつか紹介します。

ライフスタイル・モバイルとの付き合い方が変化

まず、確実に言えることはライフスタイル・モバイルとの付き合い方の変化です。
8K映像コンテンツをスマートフォンでいつでも見れるようになったら、大容量のプランでも20ギガ程度のキャリアのデータ通信容量が2000ギガに増えたら、家にある家電はもちろん、街中の看板もすべてインターネットにつながったら…
4Gが私たちのコンテンツの楽しみ方を一新させたように、5Gの登場によってライフスタイルが大きく変わるでしょう。

身近なところでいえば、生体認証も広がるかもしれません。通信が高速化すれば、生体情報のような複雑なものも瞬時に認証できます。

広告・マーケティングのあり方もライフスタイルに直結します。
同時接続数が多いということは、駅のホームにある看板広告やポスターをすべてインターネットにつなげたWeb広告にすることも可能です。トイレの鏡を特殊なディスプレイにして、目の前にいる人の年齢、性別はもちろん服装から就業中か遊びに来ているのかなどを把握し、それと連動したリアルタイムな広告配信も可能になるでしょう。
今WebサイトやアプリでだけできているRTBやターゲティング配信といった手法が、看板広告等にも導入されるかもしれません。

テレワークも進むかもしれませんね。IoTにより就労状況が把握できるようになれば社員をオフィスで管理する必要もなくなります。職場でやり取りする大きなデータも問題なく個人のスマホでやり取りできるでしょう。
ビデオ会議なども確実により高解像度で音質が良く、遅延のないものになるでしょう。

エンタメ・スポーツ・音楽・ライブ配信

個人的に一番期待しているのは音楽やライブ配信です。バンドでセッションしようとなればみんなで機材をもってスタジオに集まる必要があります。しかし、超低遅延が実現されれば画面とヘッドフォン(もしくはVR/ARデバイス)を通じて、離れたところにいる音楽仲間とリアルタイムなセッションが可能になります。
これは演奏者だけでなく見る側の価値観も変わるでしょう。ライブハウスやコンサート会場に足を運ばす、家の中で臨場感のあるライブを愉しめるようになるかもしれません。

最近人気のライブ配信アプリ(17live、showroomなど)も、さらに人気になるかもしれません。すべての人がより気軽に、リアルタイムに、高品質なライブを配信し、多くの人とつながることができるようになります。

スポーツ観戦についてはトピックで触れたように、VRを用いた観戦がすでに実験されています。

ファクトリーオートメーション・無人コンビニ

自動化の領域も5Gによって大きく発展すると予測できます。
ファクトリーオートメーション(工場の自動化) に必要なのは、大量の在庫を正確に管理すること、機器同士がリアルタイムに通信できることです。Amazonの倉庫には人がほとんどおらず、注文を受けたらロボットが自動で荷物を取りに行くようになっているようです。Amazonの倉庫の映像を見るとまるでSFの世界ですが、5Gによって当たり前のものになります。
また、同様の技術を使った無人コンビニも期待できます。すべての商品にICタグをつけ、購入者は自分のカバンに商品を入れて出ていくだけ。ICタグの情報を読み取ってコンビニから出たタイミングで自動決済。
これも5Gの多数同時接続によって実現されるでしょう。

ドローンによる配送

ドローンによる配送も実現できそうです。5Gによって多数のドローンを飛ばし、互いに通信しながら細かな制御が可能になります。
自動運転と同じ仕組みですが、自動運転には通信以外の課題がまだまだたくさんあります。そういう意味では完全な自動運転車が街中を走るよりは、ドローンが空を飛び交う未来のほうが近いでしょう。

ビジネスに与える影響は私が個人的に興味を持っている部分を中心に紹介しました。
他にもいろいろな分野で5Gは活用されます。「5G革命」と呼ばれる所以は、今までの世代交代よりも大幅に通信技術が向上するからです。
専門的な話をすると、1G~4Gまではすべて数本のアンテナを基地局に設置していました。しかし5Gはアンテナではなく、無数の素子からなる板状のアンテナパネルを用いています。
つまり、5Gは今までの通信技術の延長ではなく、全く新しい通信技術であるといえます。

画像:NEC|5Gアンテナは無数の素子を設置した板状のパネルを用いることで、これまでより圧倒的に複雑で豊富なデータ通信を行うことができる。

画像:NEC|5Gアンテナは無数の素子を設置した板状のパネルを用いることで、これまでより圧倒的に複雑で豊富なデータ通信を行うことができる。

まとめ|5G時代に備え、楽しもう

今回は5Gをテーマに長めの記事で紹介しました。しかし5Gのほんの表面部分にしか触れられなかったと思います。それくらい5Gがライフスタイル、ビジネスに与える影響は大きいといえるでしょう。
5Gについては数か月前から大量の情報が飛び交うようになりました。すべてを把握することは難しいかもしれませんが、自身の生活や仕事に影響する範囲でアンテナを張っておいた方がいいかもしれません。

冒頭で経営層と技術担当幹部の53%が4Gではできないが5Gではできるようになることを「ごくわずか」と考えているというアクセンチュアの調査結果を紹介しました。
ここまで読んでいただけたら共感してもらえると思いますが、5Gは4Gでできなかった様々なことができるようになります。そしてそれは全世界で12兆ドル、日本国内でも50兆円近い市場規模があります。
5Gを正しく理解し、活用すること、その変化に対応することはすべてのビジネスパーソンにとって必要といえます。