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広告文、商品パッケージ、Webサイト、提案資料や報告書…キャッチコピーはあらゆるところに溢れています。あなたも会社で働いたり、チームに所属していたりすると、キャッチコピーを書く機会が多いと思います。
今回は広告文などで頻繁にキャッチコピーを書いている方に向けて、「男性に刺さる」という角度から紹介したいと思います。
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あの女性誌も使ってる。女性脳を意識したキャッチコピーの作り方
男性に刺さるキャッチコピーにはコツがあります。ただ単にキャッチコピーを作っても、男性に刺さるものにはなりません。今回は、男性脳の特徴からキャッチコピーの作り方、さらに実例を元にしたブラッシュアップの方法を解説します。
これから男性に刺さるキャッチコピーを作る予定の方は、実践的な本記事の解説をぜひ参考にしてください。
男性脳を理解してキャッチコピーを作ろう
男性に刺さるキャッチコピーを作る際に肝心なのが「男性脳」を理解すること。男性脳とは、男性がものを見たり考えたりする際の特徴です。キャッチコピーは、極めて少ない文字数で訴求を行うため、無駄な文字を入れるスキマがありません。
そこで、男性脳を理解しておけば、男性に訴求できる内容を少ない言葉で表現できます。
【男性脳の特徴】
- 目的重視
- 論理的
- 効率的
男性脳は「目的重視」です。例えば、男性が買い物に行く場合、目的となる商品が手に入れば、すぐに帰る方が多いです。一方、女性の場合は、買い物自体を楽しむ傾向にあります。これは古来から狩りに出ていた本能の名残といわれています。そのため男性は、遠回しなキャッチコピーより、ダイレクトな表現を好むのです。
続いて、男性脳は「論理的」です。ある商品を買う際に信頼できる根拠やデータが必要になります。この点が曖昧だと男性は購買意欲が湧きません。常に数字や根拠、データをキャッチコピーに含ませることが大切です。
最後に、男性脳は「効率的」です。目的に達するプロセスがいかに簡単で効率的かを伝える必要があります。キャッチコピーが複雑だと、訴求性が低くなるので注意しましょう。
こうした特徴を踏まえて、男性脳は「左脳型」といわれます。とにかく具体的な内容でキャッチコピーを作り、「目的=夢=憧れ」といったビジョンを見せることが重要です。
男性に刺さるキャッチコピーの作り方
【男性に刺さるキャッチコピーの特徴】
- 「ゴール」をイメージさせる
- 「データ」や「ロジック」を示す
- 直接的な「フレーズ」を
上記の3つは男性向けキャッチコピーによくある特徴です。一部例外もありますが、基本的に上記を意識すれば、優れたキャッチコピーが生まれます。
男性に刺さるキャッチコピーの作り方 ① 「ゴール」をイメージさせる
男性脳の特徴で解説した通り、男性は「目的重視」です。男性に刺さるキャッチコピーを作る上で重要なのはゴールをイメージさせること。キャッチコピーを一目見たときに、自分がどうなるのかイメージできる言葉を入れてください。
また、男性脳はサクセスストーリーを好みます。特に、少ない労力で成功できるイメージは好まれやすいです。ゴールをイメージさせる場合は、どんな結果が得られるのか、できるだけ簡単に伝えましょう。
そのためには、キャッチコピーで伝えたいことを明確にします。「必勝法」「理由」「交渉術」など、ゴールをイメージさせる言葉を用意してください。
その上で、次に紹介する「データやロジックを示す」や「直接的なフレーズを」を活用して、サクセスストーリーを演出していきます。
男性に刺さるキャッチコピーの作り方 ②「データ」や「ロジック」を示す
男性脳は、論理的であり効率的です。そこで、キャッチコピーには数字を用いた「データ」や、矛盾のない「ロジック」を入れてください。男性向けのキャッチコピーには、よく数字が使われます。例えば、「10の方法」「3つのポイント」「5つの理由」など、数字にできる部分は積極的に変換していきましょう。
また、数字を利用する際には、矛盾のないロジックを組み立ててください。例えば「100の方法」「30のポイント」「90の理由」などは、パッと見た際に違和感を覚えます。100個も方法を教えてもらっても、効率的ではないからです。いくら数字を使っているからといって言葉に矛盾があったり、効率的でなかったりすると、男性脳に刺さらないので注意が必要です。過剰な数字の使用には気をつけましょう。
「データ」や「ロジック」を示す際には、まず数字に変えられる部分を変換、その上で無理のないロジックを組み立ててください。
男性に刺さるキャッチコピーの作り方 ③ 直接的な「フレーズ」を
男性脳は、直接的なフレーズを好みます。そのため、男性に刺さるキャッチコピーの多くには、直接的なフレーズが使われています。例えば、「デキる」「モテる」「エリート」など、直接的なフレーズは効果的です。
こうしたフレーズは、あくまでストレートに使いましょう。少しでも遠回しな表現になると、男性脳に刺さりません。「こんなに単純で良いのかな?」くらいがベストです。
男性脳は、地位や名声を求めるため、こうした感情を煽る言葉を積極的に利用しましょう。深いメッセージは必要ないので、とにかくダイレクトに伝えることが重要です。
男性に刺さるキャッチコピーをブラッシュアップする方法
最後に、男性に刺さるキャッチコピーをブラッシュアップする方法を紹介します。より良いキャッチコピーはちょっとしたアイデアで生まれます。できるだけたくさんのアイデアを生み出し、ブラッシュアップしていくことが大切です。
ここでは、ブラッシュアップのテクニックを中心に解説します。
ちょっとだけ「不良感」を出す
「不良感」といえば、男性にとって永遠のテーマです。ドラマや映画、アニメ、漫画といった、あらゆる媒体の作品には、必ず正義と悪が出てきます。その中で、少し不良なキャラクターに憧れる方も多いのではないでしょうか。
キャッチコピーにとっても、こうした「不良感」は欠かせません。例えば、日産自動車の「やっちゃえ NISSAN」は、この不良感を出した優れたキャッチコピーです。”やっちゃえ”という言葉には、子供っぽい言い回しながら、どこか不良感を漂わせています。
また、サントリーウイスキーの「ウイスキーの中には、俺の独立国がある。」も同じく不良感を感じさせます。”独立国”といった直接的なフレーズも効果的に働いているといえるでしょう。
「男」を感じさせてみる
女性脳に比べると、男性脳はそこまで自分主体でなくても構いません。女性の場合は、「自分」がキャッチコピーに入っていないと反応が薄くなる可能性があります。一方、男性は「自分」がなくても、ダイレクトに理解できれば反応します。
ただ、より反応を高めたい場合、「男」をキャッチコピーに加えてみましょう。
例えば、サッポロビールの「男は黙ってサッポロビール」は力強さを感じさせるコピーです。この場合も「男」をダイレクトに使っています。他にも、サントリーの「男はいつだって目を見開いたまま夢をみている。」も男を感じるキャッチコピーといえるでしょう。
- ジョージア「男は、サイテーで、そして、男は、サイコーだ。」
- JT「男とはスーツを着た子供にすぎない。」
- トヨタ「男の真ん中でいたいじゃないか。」
男性脳は、ダイレクトなものに反応するからこそ、あえて「男」を使ってよりダイレクトに伝えてみましょう。
「本音」を混ぜてみる
キャッチコピーの中に、「本音」を混ぜると共感が生まれます。基本的に共感は女性脳の方が強いといわれていますが、男性脳でもダイレクトな「本音」を使うことで、共感を生み出すことが可能です。
特に、現在「本音」に近い状況に直面している方には響きやすいです。
「本音」を利用したキャッチコピーといえば、月桂冠の「男が、大泣きしたって、いいじゃないか。」が有名です。このキャッチコピーが世に出たのは1997年。現代に比べると、「男は男らしく」を求められていた時代といえます。
こうした時代にあえて本音を交えたキャッチコピーを出すことで話題となりました。
他にも、ホンダ・オデッセイの「いいクルマが好きだ。男ですから。」といったコピーも本音を交えています。あえて本音を加えて、特定のターゲットを狙うと、より良いキャッチコピーが完成します。
「闘争心」を煽ってみる
多くの男性は「闘争心」を持っています。基本的に強いものに惹かれる男性には、「闘争心」を煽るようなフレーズを使いましょう。ダイレクトな言葉遣いに加えて、少し言い過ぎる程度のフレーズが必要です。
シンプルに闘争心を煽ったキャッチコピーといえば、タグホイヤーの「その挑戦を、止めるな。」が有名です。単調なフレーズながら力強さを持っています。また、JTの「死ぬ気でやれば、死ぬ前にできるさ。」もインパクトが強く、闘争心を煽っています。
他にも、スポーツ系で有名なのがテレビ朝日の「絶対に負けられない戦いがそこにはある」です。こちらもシンプルながら闘争心を煽るキャッチコピーといえるでしょう。
闘争心を煽る場合は、シンプルかつ力強さが必要です。ぱっと見でインパクトのあるキャッチコピーを心がけてください。
まとめ
今回は男性に刺さるキャッチコピーの作り方を解説しました。男性向けのキャッチコピーは、女性向けと同じく特徴的です。本記事で男性脳の特徴を抑えて、作り方を理解すれば、男性に刺さるキャッチコピーが作れます。
今回紹介したブラッシュアップの方法や具体例を参考にして、優れたキャッチコピーを作ってください。