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全世界で最も利用されているSNSはFacebookです。しかし2018年現在、日本国内で最も利用されているSNSはTwitterです。
Instagramをはじめ、多くのSNSが誕生する中、Twitterのユーザー数は2010年ごろから伸び続けており、「情報のライフライン」として欠かせないツールとなっています。
なぜ日本ではTwitterが大流行しているのでしょうか?
SNSマーケティングを成功させるうえで、“なぜTwitterが人気なのか”を知ることは欠かせません。
Twitterが人気である理由を知り、ユーザー行動を分析・把握することで、広告運用をはじめとするSNSマーケティング成功のヒントが見えてきます。
今回は、日本でTwitterが人気である理由と、「購入率」「アプリダウンロード率」「検索率」の3つのポイントから、マーケティングへの活用方法を見ていきましょう。
Twitterが日本国内で人気な理由
まず、Twitterをはじめとする各SNSについて、日本国内と全世界でのユーザー数を見てみましょう。
※LINEもSNSの一種ですが、SNSというよりもチャットツール、連絡手段としての意味合いが強いため、ここでは省いています。
【主要SNSの利用者数 日本国内】
Twitter:4,500万人
Facebook:2,800万人
Instagram:2,000万人
【主要SNSの利用者数 全世界】
Facebook:20億人
Instagram:8億人
Twitter:3億人
利用者数を日本と世界とで比較すると、日本の独特さがわかると思います。
世界中で見るとTwitterのユーザー数はFacebookの7分の1ほどしかいません。しかし日本国内では、Twitterのユーザー数はFacebookの2倍近くになっています。
このように極端な差が出た理由には、次の2つがあるといわれています。
人気の理由① 日本語対応が早かった
理由の一つは日本語対応のスピードです。
主要SNSの日本語対応は次のようになっています。
【主要SNSの日本語対応時期】
Twitter:2008年4月23日
Facebook:2008年5月
Instagram:2014年2月
タッチの差でFacebookよりもTwitterのほうが早く日本語対応をリリースしています。
当時はミクシィなど日本国内で登場したSNSが主流であったため、海外で話題になっているSNSが日本語対応されたインパクトは相当大きかったのでしょう。
また、Twitterがアメリカでリリースされてから2年ほどで日本語対応しているのに対し、Facebookは4年かかっています。
そもそもマーケティング戦略として、Facebookが日本市場に重きを置いていなかったことも、要因の一つと考えられます。
人気の理由② 文字数制限が日本語と相性が良かった
Twitterがいち早く日本語対応しただけではなく、日本語との相性も普及の要素です。
日本人の生活とTwitterは密着度が高く、単なる情報発信にとどまりません。電車の遅延や地震の情報など、自分の身に起きたことをすぐに投稿する文化が出来上がっています。Twitter Japanの取締役が「ある店に行列ができているかどうか、Twitterで検索するとすぐにわかるのは日本だけだ」といったこともあります。
これほど日本人の生活に密着した理由は、140文字という文字数制限と、日本語の特性にあります。
日本語は、ひらがなとカタカナ、漢字を使い分けるため、同じ文字数でも伝えられる情報量が非常に多い言語です。
英語で140文字だとちょっとした情報しか伝えることができませんが、日本語では単なる情報に加え、自分の感情なども伝えることができます。
例えば、「仕事帰りに本屋によると、村上春樹の新刊を見つけたので購入してみた。」という文章は日本語では33文字です。さらに簡単な感想を書けるくらいの文字数です。
しかし、英語にすると「According to the bookstore on the way home from work, I found a new book by Murakami Haruki so I bought it.」で107文字です。さらに感想を書くことは難しいでしょう。
Twitterは、アメリカでは「ニュース・事実を伝えるSNS」ですが、同じ文字数でも多くの情報を伝えられる日本では「事実だけでなく、日常のちょっとした出来事の感想や感情、自分の意見を伝えられるSNS」といったイメージになっています。
また、日本には「俳句」のように、短い言葉で物事を表す文化があることも、Twitterが受け入れられた理由と考えられます。
では、ここからマーケティング上重要な、「購入率」「アプリダウンロード率」「検索率」の3つのポイントで見ていきましょう。
Twitterの特徴①:購入率が高い
Twitterユーザーは他SNSに比べ、購入率が高いと言われています。実際のデータをもとに、検証してみましょう。
データ1:美容アイテムを積極的に購入している
女性を対象に、ヘアケア、スキンケア、メイクアップの美容アイテムに対して、購入同行の調査が行われました。すると、月に1回以上購入している人の割合は、Twitterユーザーのほうが顕著に高くなりました。Twitterユーザーは、美意識が高く、化粧品の購入頻度が高いことがわかります。
引用:https://twitter.app.box.com/s/pkyzlwfyvpl274hl90be2p4bjh78vsyg
データ2:購入体験をより肯定的にツイートし、周囲に影響を与えている
気軽に口コミ情報を発信できることがTwitterの特徴ですが、実際に口コミやレビューを投稿されているのか、調査が行われました。
引用:https://twitter.app.box.com/s/pkyzlwfyvpl274hl90be2p4bjh78vsyg
調査結果では、ユーザーは積極的に口コミ情報を発信しており、また60%ものユーザーが口コミ情報に影響を受けている傾向が明らかになりました。
企業目線の情報がかかれている通販サイトやオフィシャルサイトでの商品説明やレビューよりも、個人の実体験に基づいた口コミを重視していると言えます。
また、モバイル用ECサイトでの購入率について、Twitterユーザーが14%であるのに対し、非ユーザーは4%と、2.5倍も差があることもわかりました。
Twitter利用者は、スマートフォンで商品・サービスを購入することに対し、抵抗感が少ない傾向があります。
データ3:Twitterの影響で買ったものTop5
データ2で明らかになったように、Twitterユーザーは積極的に口コミが投稿し、またその投稿に影響を受けるユーザーも多く、ECサイトでの購買率が高いという結果が出ました。
さらに、Twitterユーザーが実際に購入している商品カテゴリのデータあります。上位5位のカテゴリから傾向を導きだすと、単価が安く、個人の口コミや実際の感情が、購入のきっかけになりやすいものであると言えます。
引用:https://twitter.app.box.com/s/pkyzlwfyvpl274hl90be2p4bjh78vsyg
データ4:ゲームアプリの課金状況
データ3で4位にランキングされていた「ゲーム」に関しては、課金経験の有るユーザーを対象に、課金率や課金価格に対する詳細な調査が行われました。
驚いたことに、調査結果ではTwitterユーザーの課金率は非ユーザーの2倍以上、課金金額も非ユーザーの約4倍であることがわかりました。
ゲームアプリはもちろん、スマホアプリの市場では、Twitterでの広告・プロモーションが非常に重要であるといえます。
引用:https://twitter.app.box.com/s/pkyzlwfyvpl274hl90be2p4bjh78vsyg
Twitterの特徴②:アプリダウンロード率&利用率が高い
ここまでのデータで、Twitterはユーザーの購買動向に大きな影響を与えていることが明らかになりました。
ここからは、これからのマーケティングに欠かせない「アプリ」の利用動向について、データを見ていきましょう。
データ5:アプリを積極的にダウンロードしている
アプリの収益を左右する要素に「ダウンロード数」「利用率」があります。
調査の結果、Twitterユーザーはより多くダウンロードし、さらに利用する可能性も高い傾向が明らかになりました。
アプリマーケティングには様々な手法がありますが、認知度が低いゲームアプリは、まずTwitter広告を出すことも効果的な戦略といえます。
【アプリのダウンロードと利用に関する調査結果】
Q.価格が安いものや無料のアプリならばダウンロードする
・ユーザー:47%
・非ユーザー:25%
Q.無料アプリは、内容確認前にダウンロードする
・ユーザー:34%
・非ユーザー:17%
Q.ゲームアプリ利用率
・ユーザー:70%
・非ユーザー:57%
Q.ダウンロードしているゲームアプリ数
・ユーザー:9.3個
・非ユーザー:6.5個
驚いたことに、Twitterユーザーの34%が「無料アプリは、内容確認前にダウンロードする」と答えています。
この事実は、アプリマーケティングにおいて欠かせません。現在、有料版のアプリを販売していても、無料版をリリースしTwitterでリーチを獲得すれば、非常に多くのダウンロード数が期待できます。
データ6:スクリーンショットが課金に繋がっている
毎月5,000円以上をゲームアプリに課金しているユーザーに、「スクリーンショットが含まれているツイートを見たことがあるか」という質問が投げかけられました。
すると、課金額の高い人ほど、スクリーンショットを含むツイートに多く接触していることがわかりました。
一見、スクリーンショットと課金率には関連性がなさそうですが、ユーザーが実際に操作しているところを見るほど、課金モチベーションが上がるようです。
スマホゲームというと「ガチャ」の制度を取り入れているものが多くあります。ガチャはゲームアプリの課金体系で最もメジャーなものですが、イベント限定Sレアを引いた際のスクリーンショットの投稿を見ることで、自分も課金して手に入れようという気持ちになるのだと推測できます。
最近のスマートフォンでは、簡単にスクリーンショットを撮影&添付することができ、個人の呟きとして発信しやすいことから、Twitterならではの結果だと言えます。
ゲームアプリを開発する際は、ユーザーがスクリーンショットをとりたくなるような場面を用意しておくことも、マーケティング戦略として効果的かもしれません。
Twitterの特徴③:検索エンジンとしての利用
さて、最後にTwitterが検索エンジンとしての役割を果たしているデータを紹介します。
Web広告には様々な手法がありますが、最も費用対効果が見込みやすく、多くの成果が期待できるものは、「検索型広告」といって間違いないでしょう。
Twitterは、GoogleやYahoo!のように「検索エンジン」としても活用されています。
データ7:Twitterで検索が多いキーワード
検索というと、GoogleやYahoo!で行う事が常識だと考えられてきました。しかし、若年層スマホユーザーは様々なSNSで検索していることが知られています。
例えば、Twitterではニュース、最新情報が検索され、Instagramではブランドやコスメに関して検索される傾向があります。
Twitterでの検索が多いキーワードとして、次の4点があります。
・商品の口コミ評価(正直な声がリアルタイムに集まる場としてのTwitter)
・話題になっているニュース、トピック
・トレンドに入っているハッシュタグ
・近所のイベント、スポット、レストラン
検索型広告というと、GoogleとYahoo!がほとんどですが、Twitterでも検索キーワードに応じた広告出稿を行うことが可能です。
Twitterをはじめ、SNSを検索エンジンとして利用するユーザーは増加傾向にあります。
「検索型広告=Google広告」という認識ではなく、SNS広告に目を向けることも重要です。
まとめ
今回は、Twitterがなぜ日本国内で人気があるのかという理由と、Twitterをマーケティングに活用することが有効であることを示す7つのデータを紹介しました。
まとめると、Twitterユーザーの傾向は下記だと言えます。
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・話題になっている新商品や珍しい商品の購買率が高い
・肯定的な口コミを発信し、他者の口コミで商品購入を行っている
・アプリのダウンロード率、課金率、課金額が高い
・若年層は情報ライフラインとして利用している
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特に食品・飲料、ホビー系アイテム、エンタメコンテンツ、ゲームはTwitter広告との親和性が高く、口コミが増加する施策や、口コミ状況により広告を出すことが有効です。
Twitter最大の特徴は、「圧倒的な拡散力」でしょう。「リツイート」という概念はTwitterが生み出したものであり、気に入った投稿をリツイートすることは誰もが自然に行っています。
そのため、Twitterを用いたマーケティングでは、想像以上の成果が誘発されることも珍しくありません。
Twitter広告の特徴やフォーマット、独特のターゲティング機能に対して、詳しくはこちらをご覧ください。