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Webサイトの重要性について、あえて今更言う必要はないでしょう。オフィシャルホームページを持っていない企業はほとんどないのではないでしょうか。
しかし、10年前の創業当時からリニューアルされていなかったり、スマートフォン対応していなかったり、SSLしていなかったり、ほとんど更新していなかったり…こうしたケースも決して少なくありません。
特にBtoBにおいてはその傾向が強いように感じます。おそらく、Webサイトを収益の起点として考えていないため、優先順位が低いのだと思います。
そこで今回、BtoBにおけるWebサイトの役割を考えてみました。
BtoBにおけるWebサイトの重要性
インターネットの急速な普及とテクノロジーの進化により、ユーザーは自身が求めている情報をインターネットを活用することで集めることができるようになりました。
BtoBでも企業に問い合わせをしてくる時点で既に発注先が決まっていたり、そもそも案件の問い合わせがなくなるといった機会損失が増えてきました。そのため、これまであたり前に行われていた営業方法では企業は案件を獲得することが非常に難しくなってきました。
また、労働人口の減少や採用コストの高騰により、十分な従業員の数を揃えることが困難になってきており、いままで以上に効率的な活動が求められるようになってきました。
そのような課題を解決する手段の一つとして、Webサイトが注目されています。
以前と比べるとBtoB企業でも自社の情報発信であったり、ユーザー接点を強化するためにWebサイトが積極的に利用されるようになってきました。
ある調査によると、BtoBにおいて仕事上の商品、サービスの情報源として企業のWebサイトが全体の64.8%を占めており、他の情報源を大きく上回り活用されていることがわかっています。
また、BtoCサイトの売上貢献度の平均が7.9%なのに対し、BtoBサイトの売上貢献度は27.2%の結果が出ており、BtoB企業が経営効率をさらに高めていくためにWebサイトを積極席に活用していくことは大変重要であると考えられます。
このように以前に比べてBtoBにおけるWebサイトの価値は大きく向上してきており、企業がさらなる成長を遂げるためにはWebサイトの有効活用が欠かせなくなってきました。
BtoBにおけるWebサイトの役割
WebサイトはBtoBでも様々なケースで利用されています。新規ユーザーの獲得や商品の販売、ユーザーサポートやブランディングなど、幅広い用途で利用されています。この章では、BtoBでのWebサイトの具体的な活用方法について紹介していきます。
(1)企業のブランディング
企業のブランド価値を高めていく方法は色々とありますが、企業のブランドを浸透させるための手段としてWebサイトは効果的なプラットフォームとして役に立ちます。
ブランドは単にイメージアップを図るのではなく、自社の世界観を広く世間に浸透させていく営みになります。そのためには、単発的なメッセージの訴求ではなく、継続的に同様のメッセージを伝えていく必要があります。
Webサイトではメッセージの訴求をテキストだけではなく、動画やアニメーションなど様々な表現を通して来訪者に伝えることが可能です。文字だけではなく、動画や音声などで感性に訴えることで記憶に残りやすく、企業のブランドを様々な角度からユーザーに訴え、浸透させることが可能です。
(2)良質なリード生成
インターネット広告をはじめとする各種広告を活用した集客では、ある意味強引にユーザーをWebサイトに集客することになります。そのため、自社のターゲットではないユーザーやあまり関心が高くないユーザーも引き寄せてしまいます。
一方、質の高いコンテンツを用意し、適切なSEO対策を施して集客したユーザーは、事前にふるいにかけられているため、自社にとって最良なユーザーになり得る可能性を秘めています。
また、継続的にWebサイトを成長させることで、ユーザー自ら課題解決の過程でWebサイトを通じて自発的に問い合わせをしてくれるようになります。問い合わせをしてくるユーザーは企業についても理解が深く、コンテンツを通じて高い信頼関係を築けているため、良質なリードになりやすい傾向にあります。
このようにWebサイトはリード生成のためのインバウンドマーケティングの展開に役立ちます。
(3)ユーザーとのタッチポイントを創造する
自社の製品やサービスを知ってもらい、購入してもらうためには、ユーザーとのタッチポイントを作り出すことが非常に重要です。どのような素晴らしい商品やサービスであってもユーザーに知ってもらわなければ買ってもらうことはできないためです。
会社名や商品名で検索して来訪するユーザーは既に自社の製品やサービスを認知している方がほとんどです。もちろん、このようなユーザーとリレーションを構築していくことは大切ですが、「自社の製品やサービスがユーザーに役に立つはずだが認知していない」人に気づいて貰う必要があります。
継続的に顧客とつながることは難しいですが、Webサイトで情報発信をして来てもらうことで多くのタッチポイントを作り出し、良好な関係を築くきっかけとなります。
(4)ユーザーの悩みを解消する
Webサイトに訪れるユーザーの中には、いま抱えている具体的な課題があり、その課題を解決する方法を探すためにWebサイトを訪れる方も多くいます。
そのため、ユーザーの課題とその課題解決を導くためのコンテンツを用意して、適切なSEOを行うことでこのようなユーザーをサイトに誘引することができます。
ユーザーは目の前の課題を解決したいためにWebサイトに訪れるため、自社製品やサービスの宣伝は控えてまずは課題解決をするための情報を積極的に提供していきます。ユーザーとの接点を作り、その悩みを解決することができればユーザーと強いリレーションが構築できます。
信頼関係ができた後に自社製品やサービスを宣伝していくことで購入ハードルを下げることができるようになるため売上への貢献も期待できるようになります。
(5)ECサイトやサービスサイトへ誘導するための布石
ECサイトやサービスサイトで集客する場合、広告を使って対象となるユーザーを刈り取っていくことが一般的ですが、なかなか商品の購入までつながらないといった悩みを抱える企業も多くいます。
ECサイトやサービスサイトで購・申し込み入してもらうための布石としてWebサイトを活用することでスムーズに購入に誘導させることが可能です。例えば、肩こりに悩みを抱えているユーザーがその解決方法をWebサイトで見つけて記事を読んでいたとします。もちろん、記事から課題解決の示唆を得ることができますが、それを抜本的に解決してくれる商品が紹介されていれば購入したくなります。
(6)ユーザーのサポート窓口
商品やサービスを利用している人への窓口としてWebサイトが活用されています。
例えば、電話で商品について問い合わせをしたいとした場合、ユーザーはWebサイトに訪問して該当の問い合わせ先に電話をして課題を解決しようとします。このような情報をWebサイトに掲載しておくことでユーザーが気軽に情報を確認することが可能になります。
企業としては、ユーザーが集まるサイトに情報を集中して掲載することで、効率的にユーザーからの問い合わせに対応することができるようになります。
最近ではWebサイト上に設置したチャットによるサポート対応が盛んになってきています。電話やメールよりも早いレスポンスが期待できるとあり、企業も1人の対応者で多数のユーザーを一度に相手することができるため、処理時間を短縮するなど業務効率の改善につながっています。
まとめ
BtoB企業でも他社との差別化やプロモーションの一環としてWebサイトが積極的に活用されるようになりました。今後ますますWebサイトの企業経営の中でも重要な位置を占めるようになることから、しっかりWebサイトの価値と役割を理解して効果的な活用方法を検討していきましょう。