LPO(ランディングページ最適化)とは?|CV増加させる対策を紹介

7a8733e2aaa3cc5e966e21755bc59ea1a710a057
LPO(ランディングページ最適化)とは?|CV増加させる対策を紹介

「LPを制作して広告を出稿しているけど、なかなか思ったような成果が出せない」「Googleのリスティング広告だったらそこそこの成果は出ているけど、YouTube広告やバナー広告ではうまくいかない」といった悩みはありませんか?広告運用ではターゲティングや入札・広告文やバナー・除外リストや予算比重など、広告管理画面の中にある要素に注目しがちです。しかしLPは広告の設定などより成果に与える影響がはるかに大きいのです。

今回は広告用LPの運用、つまりLPO(ランディングページ最適化)の役割や方法を紹介したいと思います。

まずは、広告運用におけるLPの重要性から見ていきましょう。

広告用LPの役割と重要性

広告用LPの役割は一つ、広告が連れて来たユーザーを行動に導き、広告の目的を達成することです。

広告自体はユーザーをLPに連れて来ることしかできません。クリック単価を抑え、見込み顧客に響く広告運用ができても、ユーザーの行動に繋げることができなければ成果にはなりません

また、ある程度の精度で運用している場合、広告運用によって成果を2倍・3倍と上げることはなかなかできません。もちろん広告文の調整や入札・ターゲティングの調整を繰り返すことで徐々に費用対効果を良くし、成果を伸ばすことができます。

しかしクリック単価などは自社の運用でコントロールできるわけではありません。多数の広告主がオークションに参加しているので、自社だけクリック単価を半分にしようとしてもなかなかできません(広告ランクを高めることで競合よりクリック単価を下げることは狙っていけます)。

一方LPは完全に自社でコントロールできます。もちろん広告審査や商法などにより、自由にできるわけではありませんが、当たり前の最低ラインを満たしていれば自由です。

Google検索広告の広告文の見出しは半角30文字です。例えば、それを60文字にしたいと思ってもできません。しかし、LPなら文章を2倍の長さにすることもできます。

広告運用におけるLPの重要性がイメージできたでしょうか。

プロの広告運用者が担当したからといって、クリック単価を相場の10分の1に抑え、クリック率を10倍にすることはほとんどできません。しかし最終的な広告成果、CPA(コンバージョン単価)で見ると、10倍、20倍の差が出ることは珍しくありません。

どこでそんなに大きな差が出るのでしょうか?

それはLPOによる、CVR(コンバージョン率)の改善です。CVR1%のLPがファーストビューや構成の見直して3%に、CTA(コールトゥアクション=ユーザーに行動を促す部分)や見出しの改善で6%に、さらに細かなテキストやボタンの色などのテストを繰り返すことで10%に、ということは十分にありえます。

LPOで注視するLPの要素

LPOの重要性を紹介しましたが、広告運用が重要ではないという意味ではありません。どんなに素晴らしいLPでも適切なターゲットに適切なコストでアプローチしないと成果は出ません。この記事で言いたいことは広告運用とLPOはセットで考える必要があるということです。

ただ細かく数字が出てすぐに設定変更ができる広告運用ばかりに注目するのではなく、LPOにも力を注いでいきましょう。

続いては、LPOで具体的にどこを変更していけば良いのか、その指針を紹介します。

広告運用の目的や手法、ターゲット層、なにより現在のLPのどこに課題があるかにより、見るべきポイントは変わってくるので、あくまでも指針として参考にしてみてください。

1.ファーストビュー・キャッチコピー

どんなLPでもファーストビューとキャッチコピーは最も成果を左右します。そのためファーストビューの変更だけで成果が数倍変わるということは珍しいことではありません。

どんなユーザーもファーストビューを最初に見て、その続きを読むかどうかを決めます。ファーストビュー以外がどれだけ素晴らしくても、ファーストビューで離脱されたら意味がありません。

このLPはファーストビューにわかりやすい治療イメージの写真と「1ヶ月トライアル無料」という点で、ユーザーに価格を訴求しています。このようにファーストビューがわかりやすいと、ユーザーが興味を持ちやすくサイトの続きを読んでもらいやすくなります。

ここで意識する点はユーザーが広告をクリックした理由、ニーズに対しきちんと答えているかどうかです。広告文や広告バナーとの親和性ともいいます。

例えば「業界最安値/無料見積り」という広告文をクリックしてLPを見たユーザーは、業界最安値で無料見積もりがあるという要素に惹かれてクリックしたと考えられます。そのためファーストビューでは品質や実績より、価格や見積もりについて書くべきでしょう。

色味やデザインのトーンも重要です。柔らかくておしゃれなデザインのバナーをクリックして、原色で派手なデザインのLPに移動したら、ユーザーは一瞬、間違ってクリックしたのかと思ってしまうかもしれません。作り手の感覚とユーザーの感覚は全く違うことを意識してみましょう。ユーザーは他のコンテンツを見ていて、ちょっと気になった、という程度でクリックします。バナーと親和性のないサイトはユーザーに不信感を与えるということを覚えておきましょう。

せっかくサイトに来てくれたユーザーを逃さないように、イメージを合わせたLPづくりを意識してください。

2.見出しと構成

続いてのポイントは、見出しと構成です。ただし1度や2度ファーストビューをテストして、その後すぐに見出しや構成のテストに移るのではなく、まずはファーストビューのテストを繰り返しましょう。ファーストビューで離脱した人には何も届きません。せっかくのLPなので、ファーストビューで離脱されないように見出しや構成を工夫しましょう。

見出しで重要なことは、ななめ読み耐性です。ななめ読み耐性とは、細かなテキストを読まなくても情報が理解できるということです。LPの平均滞在時間を正式に計測すれば、ほとんどのユーザーが深く読み込んでいないことがわかります。ファーストビューの時も言いましたが、ユーザーは他のコンテンツを見ている最中で、ちょっとバナーが気になったからという理由でクリックしているだけかもしれません。

見出しだけで魅力を伝えることを意識しましょう。

よくある見出しは「お客様に選ばれる理由」「ご利用費用」「ご利用の流れ」「お客様の声」などです。これらは単にその要素を説明しているだけで魅力を伝えていません。

次のように変換できないか考えてみてください。

  • お客様に選ばれる理由 → 業界初の〇〇!お客様に選ばれる理由
  • ご利用費用 → お客様の目的によって選べる3つのプラン
  • ご利用の流れ → たった○ステップで登録完了
  • お客様の声 → ○%のお客様に満足いただいています

このような見出しを付ければ、ユーザーは細かなテキストを読まなくても魅力を知ることができます。そこから詳しく知りたいと思えば、LPの続きを読んでくれます。

ここでも作り手ではなく、ユーザーの気持ちで考えましょう。ユーザーは「お客様に選ばれる理由」が知りたいわけではありません。自分にとって魅力的かどうかが知りたいのです。「ご利用費用」を知りたいとも思っていません。ユーザーが知りたいのは「自分にふさわしい料金プラン」「他社よりも安い料金体系」が知りたいのです。「ご利用の流れ」も、それそのものが知りたいわけではないはずです。「簡単にできるか、すぐにできるか」が知りたいのです。

続いて構成です。これにはいくつかの型があります。

課題解決型の商品(ユーザーが何らかの課題を抱えていて、それを解決するための商品、サービス)で代表的なものは、

  1. ファーストビューで惹きつける
  2. 課題を認識させる(問題提起)
  3. 課題の解決策を与える(商品プレゼン)
  4. 信頼性を築く(事例やデータ、お客様の声)
  5. 価格
  6. 最後のひと押し
  7. 疑問の解消(Q&Aや別の選択肢の提示)

といった流れです。

こうした型を調べ、それに沿っているかを確認しましょう。LPは何年にも渡り研究されている分野なので、素晴らしい型が数多くあります。オリジナルの流れを作るより、型に沿った方が効果的であることがほとんどです。

もう一つ、構成で重要な要素がCTAです。長いLPであれば、CTAをいくつも設置することが一般的です。ユーザーによっては、ファーストビューで惹かれた段階で行動してくれるかもしれませんし、お客様の声を見た段階で行動してくれるかもしれません。

要素の間にCTAを入れ、その数や位置をテストしましょう。

3.LPの最後

LPで一番見られる部分は間違いなくファーストビューです。そこから順にスクロールして見ていくと思うかもしれませんが、実はLPの最後が次に見られる要素だという意見もあります。実際あなたも広告をクリックしてLPを見て、もう少し読んでみようと思った時、ざっと最後までスクロールして大体の内容を見た後で詳しく見たりしませんか?

ななめ読み耐性とも通じますが、LPの最後もユーザーの行動を左右する重要な要素です。

しかしLPの最後には個人情報についてや特定商取引法に基づく表記が無機質に書かれているだけだったりします。法律上、記載が必要なものは必ず掲載すべきですが、LPの最後で何か魅力を伝えられないか考えてみてください。

よくある方法としては、LPの最後のCTAにキャッチコピーを再度載せるという方法です。全てのCTAにキャッチコピーを載せると繰り返しすぎるため違和感がありますが、本来キャッチコピーは最もユーザーを惹きつける強いメッセージです。それを最後にもう一度、伝えてみてはいかがでしょうか。

4.CTA

最後に紹介するのはCTAです。CTAもCVRに大きく影響する要素です。ここを工夫できるかどうかで、LPの成果は大きく変わるでしょう。

CTAは大きく3つの要素で構成されます。1つ目はボタンのデザイン、2つ目はボタンにあるテキスト、3つ目はその周辺のテキストです。

まず1つ目のボタンのデザイン。ボタンの色と形は他と差別化できていますか?CTAはそのLPの中で唯一、ユーザーが行動する場所です。極端に言うとユーザーが考えることは、そのボタンを押すかどうかです。LPを見て、元々見ていたブログ記事やSNSに戻るのか、それともこのボタンを押すのか、その2択をユーザーは考えるわけです。そのボタンが見出しのアイコンなどとデザインが被っていたらもったいないですよね。

2つ目のボタンのテキストも重要です。こうした要素をマイクロコピーと呼ぶことがあります。

例えば、「無料登録はこちら」というボタンのテキストを「今すぐ無料登録しよう」としてみるのはどうでしょうか。また、音楽や動画のストリーミングサービスのように登録して使えるものであれば、「○万曲を今すぐ聴こう!」などが良いかもしれません。

社労士、会計士、税理士のようにプロに相談するものであれば、「お問い合わせ」より、「公認会計士に無料相談」や「今すぐプロに相談」などはどうでしょうか。

3つ目はCTA周辺のテキストです。CTA周辺のテキストは、ユーザーが行動しようかどうか迷っている時に見ているテキストなので、しっかりと魅力を伝えましょう。具体的には、そのボタンをクリックする、フォームを入力することでどうなるのか、わざわざ手間をかけて行動するだけの価値があるのか、という疑問に答えましょう。

繰り返しになりますが、ユーザーは他のコンテンツを見ている最中ですし、なにより行動しなくて済むなら行動したくないのです。

公認会計士に相談する時、公認会計士に相談したくて行動するわけではありません。会計上の課題を解消したくて、そのための手段として相談という手段を取ります。何もせずに会計上の課題が勝手に解消されるなら、わざわざ相談しませんよね。

LPOを考える時は、ユーザーは結果が欲しいのであって、解決策は別に欲しがっていない、ということを意識してください。そして多くの場合、あなたが提供しているのは解決策です。特にCTAでは、「解決策があります」ではなく、「結果が得られます」ということを伝えられているか考えてみましょう。

LPOの必須ツール

最後に、LPOに必要なツールを紹介します。必須ツールとして2つ紹介しますが、同じ機能を持った別のツールもあるので、目的や予算に応じて検討してみてください。

1.LPOツール:Googleオプティマイズ

LPOを行う時は、今あるLPを修正していく方法と、LPOツールを使って別のLPと同時にABテストを行う方法があります。

基本的にはABテストで行った方が良いでしょう。今のLPをそのまま修正してCVRやCPAの推移を見てもいいですが、こうした数字や時期や広告運用の他の要素によっても変わってしまうため、厳密にLPの成果を見ることができません。

Googleオプティマイズを使えば、無料でABテストが可能です。

代表的な方法は大きく2つあり、一つがオプティマイズの機能を使って既存のLPを上書きし、広告から遷移した時にどちらかをランダムで表示させる、というものです。ボタンの色や一部のテキストといった細かな要素のテストであれば、この方法が簡単です。

もう一つはリダイレクトテストです。これは別のLPを用意し、広告をクリックした時にランダムにどちらかのURLにリダイレクトさせるものです。この方法であれば、ファーストビューのデザインや構成といった大きな要素をテストすることができます。

2.解析ツール:User Heat

続いてはヒートマップ解析ツールのUser Heatです。基本的なデータ(CVRや滞在時間など)は、Googleアナリティクスや広告管理画面で確認できますが、LPOではより細かなデータや傾向を見ていかなければいけません。

Googleタグマネージャーで要素のクリックやスクロール、滞在時間などを計測することもできますが、よりお手軽な方法がヒートマップの導入です。

User Heatを紹介している理由は、ある程度の機能が無料で使えるため、導入しやすいという理由からです。より精度を上げてLPOを行うのであれば、有料で高機能なヒートマップやLP専用の解析ツールを導入しても良いかもしれません。

ヒートマップを導入すれば、ファーストビューや構成、ななめ読み耐性を評価できます。ファーストビューのすぐ下の要素の注目度が低ければ、続きを読んでもらうというファーストビューの役割が果たせていないことになります。各見出しの注目度が低ければ、見出しだけで十分な魅力が伝えられていないということになります。LPの途中で注目されている要素が見つかれば、その要素はユーザーにとって重要であると考えられるので、構成を変更した方が良いかもしれません。

LPOは純粋にCVRで評価することもできますが、ヒートマップを入れることでより要素に沿った評価ができます。

要素に沿った評価というのは、その要素が果たすべき役割を果たせているか、ということです。例えば、ファーストビューの役割はその場でコンバージョンしてもらうことではなく、続きを読んでもらうことにあるので、たとえCVRが変わらなくても、LPの読了率が上がっていれば、ファーストビューとしては成功です。

まとめ

今回は広告成果を高めるLPOについて紹介しました。今回紹介した、4つの要素、見出しと構成、ファーストビュー・キャッチコピー、LPの最後、CTAを徹底して見直していけば、広告の費用対効果を数倍に高めることもできると思います。

また、意識として「ユーザーはLP読みたいとも、行動したいとも思っていない」ということを覚えておきましょう。どうしても作り手は、ちゃんと読んでもらえる、魅力が伝われば行動してもらえる、と考えてしまいます。しかしユーザーは、ちょっと興味を持ってYouTube広告をクリックしても、本心では早くYouTube動画の続きが見たいのです。何かの課題を解決したいとは思っていても、解決策が欲しいのではなく、解決された結果が欲しいので、問い合わせをせずに済むなら問い合わせしたくないのです。

この意識を持ってLPを見直してみるだけで、色々と改善できる場所が見つかるのではないでしょうか?

改善できる場所が見つかったら、別ページを作って、ヒートマップを入れて、Googleオプティマイズのリダイレクトテストを始めてみましょう。