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効果的なマーケティングを行うために、消費者が持つニーズについての分析が必要なのはもちろんですが、忘れてはいけないのが、競合分析です。
自社が事業を展開する市場にはどんな競合がいるのか、その競合が持つ強みと弱みは何なのか、競合と自社の違いは何か……そういった観点で分析を行うのが、競合分析です。
今回は、Webマーケティングの重要な要素である競合分析を行う上で、意識するポイントとコツについて解説していきます。
Webマーケティング特有のポイントにフォーカスして紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
競合分析を行う目的
競合分析を行う一番の目的は、「競合と自社の差別化」です。
マーケティングにおいて、「差別化」は基本中の基本ですが、競合についてよく知っておかないと、どこを何と差別化すればいいのかがわかりません。
そのため、まずは差別化の対象とすべき競合について知る必要があります。
競合・消費者・自社について分析する「3C分析」
競合分析を含め、市場分析を行うために非常によく使われる有名なフレームワークに、「3C分析」というものがあります。
3Cは、競合(Competitor)、消費者(Customer)、自社(Company)の3つの頭文字から来ています。
要は、市場のプレイヤーを、競合・消費者・自社の3つに分けて、それぞれについて分析することで、市場を効率的に知ろうとする手法です。
競合が弱みとしている部分、あるいはそもそも競合が存在せず市場の空白になっている部分と、消費者がニーズを持っている部分、そして自社が技術やノウハウを持っていて強みとしている部分の3つが重なるところを見つけ出し、そこを狙って商品を世に送り出すことで、競合との差別化を図りながら、消費者のニーズを満たす優れた商品を売り出すことができます。
マーケティングの最も効率的な戦略は、「ブルーオーシャン戦略」と言われるもので、つまりは競合のいない自社独自の市場を作り出すことです。
競合がいなければ消費者のニーズを独占できますし、激しい価格競争によって自社の利益を減らす心配もありません。
ブルーオーシャンを見つけるためには、競合分析は不可欠ですから、3C分析を駆使して、自社にとってのブルーオーシャンを探していきましょう。
競合から自社の強みと弱みを知る
マーケティングにおいて、競合との差別化を考える際には、引き算で考えることが有効と言われています。
競合の持つ強み・弱みと、自社の特徴を引き算で考えることで、自社にとって何が強みになるのか、反対に何が弱みになるのかが浮き彫りになります。
競合との差別化を図る上で、自社が競合より明確に優れている必要はありません。
競合と自社を引き算してみて、自社に残ったものがあればそれが自社にとっての強み、反対に競合にしかないものがあればそれが自社にとっての弱みと言えます。
競合分析は、あくまでも相対的なものとして考えましょう。
競合分析で意識すべきポイント
Webマーケティングの世界では、3C分析に必要なデータが簡単に得られる環境が整っています。
Googleアナリティクスや、サーチコンソール、キーワードプランナーなどのGoogleが提供する無料ツールのほか、「Similar Web」という有名な競合分析用ツールが存在します。
こうした競合分析ツールについては、「自社サイトの強み・弱みがわかる競合分析ツール7選」という記事で紹介しているので、ご覧ください。
ここでは、アクセス解析とキーワード分析の観点から、Webマーケティングにおける競合分析で意識すべきポイントを確認していきましょう。
競合分析で意識すべきポイント① 流入チャネル
競合分析で意識すべきポイントの1つ目は、流入チャネルです。これは、Googleアナリティクスを使って簡単に確認することができます。
自社のウェブサイトには、どんなチャネルからの流入が多いのか? 自然検索か、外部リンクか、SNSか、広告か……その流入元の割合は、ウェブサイトによって様々です。
そんな様々な流入元の違いを、Similar Webを使って競合と比較することができます。
自然検索による流入数が競合よりも少ない場合、SEO対策が不足している可能性があります。あるいは、指名検索のボリュームの違いが要因となっているのなら、ブランド認知度の差が顕著に表れた結果と言えるでしょう。
SNSからの流入で負けている場合は、取り返すには苦労するかもしれません。
SNSは、今では消費者の生活に溶け込んだ重要なチャネルですが、SNSによる集客力をアップさせるには、顧客を飽きさせない定期的な投稿と、魅力的なブランドイメージ形成を、長期にわたって続けることで、時間をかけてファンを獲得していかなければなりません。
競合がSNSによる集客に強みを持っているのなら、あえて正面から挑むことはせず、SEO対策や広告による集客に力を入れるというのも一つの手です。
競合分析で意識すべきポイント② 流入キーワード
競合分析で意識すべきポイントの2つ目は、流入キーワードです。これは、1つ目よりもSEMに特化した施策になります。
自社のウェブサイトに自然検索やリスティング広告で流入しているユーザーは、どんなキーワードで検索してきているのかは、Googleアナリティクスやサーチコンソール、あるいはGoogle広告の管理画面から確認することができます。
加えて、Google広告のツールである「キーワードプランナー」を活用すれば、そのキーワードの検索ボリュームがどれくらいあるのか、競合性がどれぐらい高いのかを確認することもできます。
ここで重要なのは、自社の製品やサービスが特に強く訴求しているアピールポイントに関連したキーワードでしっかりと流入が獲得できているかどうかです。
もしも、そういったキーワードで検索しているユーザーが競合に奪われているとしたら、急いで対策をしなければなりません。
SEOで言えば、そのキーワードに関連したページを増やしたり、キーワードとの関連性が上がるようにページの質を改善したりといった対策が挙げられます。
リスティング広告であれば、キーワードと広告文とランディングページの関連性が高まるように一貫して改善を行ったり、そのキーワードの入札単価を上げて、自社の広告が競合よりも上位に表示されるようにしたりといった対策が挙げられます。
これらの対策は、自社のアピールポイントを確保して競合と戦うための「攻め」の施策ですが、逆に、アピールポイントを変えることで競合との衝突を避けるというのも手でしょう。
キーワードプランナーを使って自社に関連したキーワードについて調べれば、一定の検索ボリュームがありながらも競合性は低い、いわゆる穴場のようなキーワードが見つかる可能性があります。
そこを狙ってSEO対策やリスティング広告を強化していけば、競合との衝突を避けながら、自社のウェブサイトに効率的にユーザーを集めることができます。
そのキーワードで安定して流入を維持できるようになれば、そのキーワードに合わせて製品・サービスの売り出し方やコンセプトを変えていくことで、ポジショニングにも一貫性が生まれて、強いブランドイメージを形成することもできるようになるでしょう。
競合分析を行う上で意識するポイントとコツまとめ
競合分析の基本と、Webマーケティング特有の競合分析のポイントについて解説してきました。
Webマーケティングは得られるデータが多いので、競合分析にも様々なやり方がありますが、「競合と自社の差別化を図る」という競合分析の目的そのものは基本的に変わりません。
まずは競合を知り、自社との引き算によって自社の持つ強みを浮かび上がらせ、その強みを活かせる市場・戦略を探し出して、自社にとってのブルーオーシャンを確立していきましょう。
あくまでも相対的に、競合と自社の違いを強みとして、それを軸にブランドイメージを構築していくことができれば、ユーザーとの関係性もより効率的に作り上げていくことができるようになるはずです。