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2018年11月29日、LINE株式会社公式サイトで「運用型広告「LINE Ads Platform」の新メニューとしてダイナミックリターゲティング広告「LINE Dynamic Ads」を提供開始」というニュースが発表されました。
「LINE Ads Platform」は、2017年に開始した新しい広告配信プラットフォームですが、LINEが持つ圧倒的なユーザー数を武器に、大企業から中小企業まで、認知拡大目的での利用が急速に拡大しています。
今回は、注目を集めるLINE Ads Platformの新メニューである「LINE Dynamic Ads」をテーマにお送りいたします。
LINE Ads Platformに登場したターゲティング「Dynamic Ads」とは
LINE Dynamic Ads(以下LINEのダイナミックリターゲティング広告)は、LINEが提供する運用型広告プラットフォーム「LINE Ads Platform」の新メニューとして登場したダイナミックリターゲティング広告です。
LINEのダイナミックリターゲティング広告は、ユーザーの行動履歴から最適な広告クリエイティブを自動生成しする「ダイナミック広告」と呼ばれる広告手法です。ユーザーの好みや興味関心に合った広告を自動で出稿することができるため、高い費用対効果が期待できます。
出典:LINE株式会社プレスリリースより
実は、LINEのダイナミックリターゲティング広告について、LINEは2018年8月7日に登場をにおわせる発表がありました。
今後は、ダイレクトレスポンス向け商品として、ダイナミック広告(DPA)などのサービス拡充や、自動入札最適化機能にアプリ内の売上を最大化する仕組みを導入することで、広告費用対効果(ROAS)のさらなる向上を目指します。
またデータ活用についても、登録会員数2000万人超の「LINEショッピング」の購買データなどの活用や、LINEの法人向けアカウント広告とのターゲティング連携を通じて各ユーザーへの最適化を自動的に行える、マーケティングオートメーションを実現していきます。また、2019年上半期を目処に導入を予定しているセルフサーブ機能などにより、SMB領域への展開も加速してまいります。2018.08.07 【LINE】運用型広告「LINE Ads Platform」の配信プラットフォームを大幅刷新 機能・データ拡充によって広告費用対効果(ROAS)のさらなる向上目指すより引用
この時予告していたダイナミック広告(DPA)が、今回の「LINE Dynamic Ads」です。
ダイナミック広告という手法は、LINEのダイナミックリターゲティング広告がリリースされる前から、Googleなどの媒体では導入されていました。
LINEのダイナミックリターゲティング広告の強みや配信方法を紹介する前に、「ダイナミック広告」という仕組みを見てみましょう。
ダイナミック広告(=ダイナミックリターゲティング)とは
ダイナミック広告は、Google広告やFacebook、Criteoのような一部のDSPで導入されていた広告手法です。Google広告では「動的リマーケティング」と呼ばれています。
ダイナミック広告は、商品データと行動履歴を取得するタグを組み合わせて配信します。
ダイナミック広告を出稿するためには、まずは製品フィードを作成します。製品フィードは製品IDや名称、商品ページURLなど、広告配信に必要な商品データがまとまったExcelのような資料です。
この商品データと、ユーザーの行動履歴から、「ユーザーが過去に閲覧した商品を再度訴求」や「過去に購入した商品の関連商品を訴求」といった広告を動的に配信することができます。
画像:ソーシャルメディアラボ
Facebook広告では、「コレクション広告」や「カルーセル広告」でダイナミック広告を利用できます。
ダイナミック広告を利用すると、「黄色のカバンを閲覧したが購入しなかったユーザーに青色と白色のカバンを広告配信」といったことが可能になります。
行動に基づいて最適な訴求ができるため、ECや旅行など選択肢が多い商材で非常に高い費用対効果が期待できます。
一流ホテルや旅館を厳選した宿泊予約サイト「relux」は、Facebookのダイナミック広告を利用し、ユーザーが最後に閲覧した宿泊施設に関連する施設を訴求しました。その際は、他の広告手法と比較してCVRが20%も向上したようです。
LINE Ads Platformでも今後、似たような事例が登場してくるでしょう。
LINEのダイナミックリターゲティング広告 注目ポイント
LINEのダイナミックリターゲティング広告も他のダイナミック広告と同じような仕組みで配信しています。
では、Google広告やFacebook広告のダイナミック広告と、LINEのダイナミック広告は何が違うのでしょうか
LINE Ads Platformの特徴1:圧倒的なユーザー数とアクティブ率
LINEのダイナミックリターゲティング広告に限らず、LINE Ads Platform全体に対していえることですが、LINEという国内最大のコミュニケーションツールに配信できることが大きな強みです。
月間6800万人が利用し、生活の一部となったLINEは、インプレッションが非常に多く、ブランディングメインで利用されてきました。
ユーザーが多いだけでなく、幅広い年齢層に利用されており、アクティブ率が非常に高いことも特徴です。
下記の図のように、「TwitterもFacebookもやっていないがLINEは使っている」というユーザーが38.3%もいるため、他の媒体ではリーチが難しいユーザー層へのアプローチが可能です。
この圧倒的なリーチ数を強みに、LINE Ads Platformは「ブランドリフトサーベイ」や「リーチ&フリークエンシー」などブランディングで強力なプランが用意されていました。
しかし、今回登場したLINEのダイナミックリターゲティング広告は、成果をよりダイレクトに狙った手法です。ブランディングに強みを持っていたLINE Ads Platformがクロージングでも活躍することは、SNS広告の戦略に大きな影響を与えそうです。
LINE Ads Platformの特徴2:配信面はタイムラインのみ
LINEのダイナミックリターゲティング広告で自動生成された広告は、LINEのタイムラインで配信されます。現状、LINEニュースやLINEマンガは配信面に含まれていませんが、タイムラインで広告を閲覧したユーザーは月間4,600万人と、Twitterの全ユーザー数よりも多くなっています。
今年に入ってから、LINEはタイムラインの機能追加、デザイン変更など大幅なアップデートを行いました。
アップデートによりユーザーの利用が促進されることはもちろん、ダイナミック広告の利用により広告効果は大きく向上しそうです。
LINE Ads Platformの特徴3:対応している業種は5つ
ダイナミック広告は、ECや旅行など、選択肢が多く、ユーザーが様々な選択肢を比較検討する商品に向いています。
LINEのダイナミックリターゲティング広告は現状でアパレル、航空券、ホテル予約、不動産、人材の5業種に対応しています。
どれも比較検討が重要になる商品であるため、現在の広告効果が悪化しているなら、LINEのダイナミックリターゲティング広告が起爆剤になるかもしれません。
LINEからの公式発表はありませんが、今後様々な商品・サービスに対応していく可能性があります。
複数プランがある、検討期間が長い商品・サービスであれば高い費用対効果が期待できるため、アンテナを張っておきたい情報です。
LINE Ads Platformのダイナミックリターゲティングまとめ
LINEの広告は、LINE Ads Platformとしてリリースされてからまだ数年しかたっていません。
今年は、管理画面の大幅アップデートなどの広告運用側だけでなく、タイムラインのアップデートなど、多くのニュースがありました。
また、来年にはLINE@の料金改定が行われる予定もあります。
日々進化するLINEですが、今後もマーケティングへの影響はどんどん高まっていくでしょう。
また、LINE Ads Platformは誰でも出稿できるわけではなく、LINEの審査を受けた認定パートナーになる必要があります。
弊社はLINE Ads Platformの運用実績のある認定パートナーですので、LINEのダイナミックリターゲティング広告に興味がある方はぜひご相談ください。