今求められている求人施策①|オウンドメディアリクルーティング

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今求められている求人施策①

企業の採用担当の皆さんは、今採用の分野で注目を集めている「オウンドメディアリクルーティング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
オウンドメディアリクルーティングとは、その名の通り、オウンドメディアを活用した採用活動を指しますが、この言葉を提唱したのは求人媒体のIndeedの代表取締役と言われています。
今回は、このオウンドメディアリクルーティングとは何なのか、どういうメリットがあるのか、具体的にどのように実施していけばいいのかなど、詳しくご紹介していきます。

オウンドメディアリクルーティングとは

オウンドメディアリクルーティングとは
オウンドメディアリクルーティングとは、先述の通り、オウンドメディアを活用した採用活動のことです。
まずオウンドメディアについておさらいしておきましょう。オウンドメディアとは、自社で所有していて情報を発信しているメディアのことを指し、WebサイトやSNS、YouTubeチャンネルなどをまとめた総称です。一般的には、企業が発信しているブログのようなWebサイトをオウンドメディアと呼ぶことが多いです。
つまり、オウンドメディアリクルーティングを再度言い換えると、「企業が自社で保有するWebサイトで行う情報発信を通じて、採用活動を行うこと」となります。

オウンドメディアに関しては、下記記事で詳しく紹介していますのでぜひご参考ください。
【マーケティング戦略の軸】オウンドメディア運営のメリットと目的
オウンドメディアをマネタイズする7つの方法と集客戦略

オウンドメディアリクルーティングのメリット

では、オウンドメディアリクルーティングを行うことには、どんなメリットがあるのでしょうか。
採用活動のためにわざわざオウンドメディアを立ち上げるなんて、コストがかかるし、手間もかかるし、面倒でコストパフォーマンスが悪いと感じられる方も少なくないかもしれません。
確かに、オウンドメディアの立ち上げにはコストや手間がかかります。
社内にノウハウやリソースがない企業であれば、外注に出す必要があるかもしれませんし、そのコストを踏まえたら従来の採用手法の方が良いと考えてしまう方も多いでしょう。
しかし、オウンドメディアリクルーティングが注目されているのには、それなりの理由があります。

オウンドメディアリクルーティングを行う一番のメリットは、「採用したい人材に自社の情報がダイレクトに届くだけでなく、転職を検討している段階の潜在層にも自社のことを深く知ってもらえること」です。
最近の日本では、人口の減少や働き方改革の促進によって、優秀な人材を採用することがますます困難になってきています。
そんな中で、求人広告を出して求職者からの応募を待つ受け身の採用活動だけでは限界がきていることは、採用担当の皆さんも日々の現場感として感じられているのではないでしょうか。

だからこそ、「今」の転職市場にいる人材だけを奪い合うのではなく、将来転職市場に出てくるであろう優秀な人材に、自社のことを深く知ってもらうことが大切になってくるのです。優秀な人材が転職市場に出てきたときに、自社への応募を考えてもらえるよう、いわば「顧客」のように育て上げることがオウンドメディアリクルーティングの最大の強みでしょう。

そのように長い期間をかけて、狙ったターゲット層にアプローチして自社のことを深く知ってもらう目的にかけては、オウンドメディアを活用するのが最も適しています。
そのため、今オウンドメディアリクルーティングという言葉に注目が集まっているわけです。

自社でオウンドメディアリクルーティングを行う方法

オウンドメディアリクルーティングのメリットがわかったところで、次は具体的にオウンドメディアリクルーティングを実践する方法を見ていきましょう。

①事前調査・設計

3C分析

【例:3C分析】市場と競合と自社の3つの視点から企業を取り巻く環境を分析し、事業を成功に導くためのフレームワーク

採用活動であっても、オウンドメディアを作るという根本の部分に変わりはありません。
オウンドメディアを作る際には、どういったメディアを作り、どういったターゲット層に情報を届けていくかという、事前調査とメディアの設計の部分が成功の鍵を握ります。
これが、自社製品の広報活動としてのオウンドメディアであれば、自社製品とその市場、競合、ターゲットとなるユーザー層を調査し、またその市場で検索されているキーワードの検索順位なども調査する必要があります。

しかし、オウンドメディアリクルーティングの場合は、とにもかくにも「自社」について深く知り尽くすことが大切です。
業界の中で自社はどんなポジションにあるのか、求職者や従業員から見て自社はどんなイメージを持たれているのか、自社の体質はどのようなものなのか、競合と比較した際の強み・弱みは何か、将来の展望はどうか、などなど。
「採用担当なんだから自社のことなんて十分知ってるよ」と思われるかもしれませんが、メディアとして記事に起こせるぐらいまで本当に知り尽くしているでしょうか?

オウンドメディアリクルーティングでは、自社の情報をコンテンツとして将来の応募者に対して発信していき、自社のことを深く知ってもらい、自社のファンになってくれるぐらいまで求職者を育て上げなければなりません。
そのためには、この事前調査がしっかりできていなければならず、また事前調査はマーケティング的思考を伴っている必要があります。
既に自社のことをよく知っているつもりでも、改めて情報を洗い直すようにしましょう。

事前調査の仕方は、次の記事をご覧ください。
マーケティングに欠かせないビジネスフレームワーク集|【現状分析編Part1】
マーケティングに欠かせないビジネスフレームワーク集現状分析編Part2】

②テーマの決定

市場・競合調査
自社のことを十分に知り尽くしたら、次は立ち上げるオウンドメディアのテーマを決めます。
テーマとは、どういった情報を発信していくか?という方向性のことです。
方向性がなく雑多な情報ばかり垂れ流している状態になっていたり、方向性があってもブレていたりすると、他のメディアの中に埋もれてしまって成果が出ないだけでなく、企業としてのブランドイメージを損なうことにも繋がりかねません。

オウンドメディアのテーマは、自社が持っている強みを活かせるものにすべきです。
強みを活かせるものにしておけば、まず第一にコンテンツが用意しやすいです。

オウンドメディアを運営していく上では、とにかくコンテンツを発信し続ける、継続性が重要になってきます。
そう考えた時に、自社の強みである分野をテーマにしておけば、発信するコンテンツが用意しやすく、オウンドメディアの運営が継続しやすいでしょう。
逆に、強みとは違うテーマを選んでしまうと、コンテンツをひとつ用意するだけでもリサーチに時間がかかってしまい、コンテンツの発信が負担となり、継続が難しくなって運営が破綻することがあり得ます。

第二に、自社の強みをテーマにすることは、採用したい人材が求めている情報を発信することにも繋がるため、採用活動を行う上でもプラスに働きます。
優秀な人材を採用したいのであれば、優秀な人材が「ここで働きたい」と思ってくれるような、どこの競合にも負けない最先端の情報を提供すべきです。
その企業が存在している限り、どこの競合にも負けないその企業独自の強みは必ず持っているはずなので、その強みを徹底的にリサーチし、磨き上げ、コンテンツとしてテーマ化しましょう。

③オウンドメディアの運営

テーマが決まったら、実際にオウンドメディアを運営していきます。
オウンドメディアの運営は、常に施策の実行と分析・改善の繰り返しです。
アクセス解析や、キーワードごとの掲載順位などを見ながら、新しいコンテンツの企画を考え、時には以前のコンテンツをリライトして再アップして、改善を図っていきます。

オウンドメディアはSEOによる流入がメインになる施策なので、実際に効果が出てくるまでに半年~1年以上かかってくるのが普通です。
特に、採用という大きなイベントに関わってくる施策になると、1年どころか2~3年は見ておいてもらった方がいいかもしれません。

ただし、オウンドメディアは、効果が出ないから終わり、と早々に辞めてしまうのは非常にもったいない施策です。
なぜなら、オウンドメディアは積み上げ型の施策であり、それまでに発信してきたコンテンツは、全て自社の資産として残っていくからです。
求人サイトの広告に1ヶ月に10万円の投資をしたら、1ヶ月後その10万円はなくなっておしまいです。しかしオウンドメディアの場合、1ヶ月に10万円の投資をしたら、その10万円はコンテンツという形で資産として残り続けます。

それを積み上げていくことで、どんどんオウンドメディア全体の流入が増えていき、だんだんPVが増えてきて、成果に結びつくというわけです。
一度その流れが作り出せれば、オウンドメディアリクルーティングは、求人サイトに求人広告を出すよりも圧倒的に低コストで、かつ自社が求める優秀な人材を効率的に採用できるようになる可能性を秘めています。

オウンドメディアリクルーティングは最低でも半年、長ければ1年~3年という長い年月がかかる施策になりますが、今後多くの企業が取り組んでいくと考えられる施策です。
数年後に競合よりも先手を取るためにも、今からオウンドメディアリクルーティングの準備をしておきましょう。

まとめ

今回は、オウンドメディアリクルーティングについての概要とメリット、具体的な実施方法について一挙に解説してきました。
従来の求人サイトに求人広告を出稿してただ応募を待つだけの採用活動に限界を感じている企業の方は、ぜひこの記事を参考にして、オウンドメディアリクルーティングに取り組んでみてはいかがでしょうか。