今求められている求人施策②|オウンドメディアリクルーティング成功事例

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オウンドメディアリクルーティング成功事例

前回の記事「今求められている求人施策①|オウンドメディアリクルーティング」で、オウンドメディアリクルーティングという今注目を集めている新しい採用手法について解説してきました。
オウンドメディアリクルーティングとは、その名の通り、オウンドメディアを活用した採用活動のことです。
従来の求人サイトに求人広告を出してただ応募を待つだけの採用活動とは異なり、狙ったターゲット層に向けて情報を発信していく攻めの採用活動ができること、まだ転職市場に出ていない潜在層を長期的に自社のファンとして育てることができること、うまく軌道に乗せれば採用コストを抑えることができることなどがメリットとして挙げられます。
今回は、そのオウンドメディアリクルーティングを既に実践し、成功を収めた企業の事例をいくつか紹介していきますので、これからオウンドメディアリクルーティングの実施を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

オウンドメディアリクルーティングの成功事例

さっそくオウンドメディアリクルーティングで成功を収めた企業の事例を紹介いたします。施策の内容や意図の説明から成功ポイント等をまとめているので、自社の目的に似た企業の手法を参考にしてください。

成功事例①株式会社BAKE

オシャレなパッケージとおいしさで人気な株式会社BAKEは、採用に関するオウンドメディア「THE BAKE MAGAZINE」を運営しています。

BAKEは「お菓子を、進化させる」をミッションに2015年からオウンドメディアを運用しています。お菓子のことだけでなく、BAKEで働く人たちの紹介や、ブランドの裏情報、お菓子の世界で活躍する人々について、多くの記事が公開されています。

BAKEのユニークなポイントは、失敗談も記事として公開していること。「新しいことに挑戦して、失敗する。」この背景を含めて公開することにより、お菓子の世界で働く方への力になるのではと考えているそうです。

失敗を含めすべてをさらけ出すことにより、業界や企業に対して興味を持ち面白いと思う人が読むメディアとして人気を集めています。こうすることで自然と企業のファンになり、採用活動がスムーズに行いやすくなるのです。

成功事例②株式会社メルカリ

株式会社メルカリは、フリマアプリのサービスを運営している企業です。

メルカリの採用方針は、優秀な人材を採用するために母集団を増やすのではなく、10人の人材が欲しければ10人の募集をかけるだけでいいというスタンスを取っており、それで成功を収めていると言います。
そしてその裏側には、メルカリのオウンドメディア「メルカン」があるようです。

メルカリの応募者のほとんどが「メルカン」を読んでいてメルカリの企業文化をよく理解しているため、採用時のミスマッチが生まれにくいことが採用の効率化に繋がっています。
またメルカリはオウンドメディアを運営する上で大切にしているルールを3つ設けています。

1つは、高い更新頻度を保つこと。
コンテンツの一つ一つの内容にこだわって更新頻度を落とすよりも、日々の出来事をとにかく発信していって、更新頻度を高く保つことをメルカリは重視しています。
このオープンさが、メルカリらしさのひとつだとも言います。

2つ目は、経営陣がコミットすること。
現場だけが一生懸命にやっていても続けるのは難しいということから、メルカリでは取締役も「メルカン」の運営に注目しており、実際にSNSで記事をシェアすることもあるようです。

3つ目は、誰かのものではなく社員みんなのメディアという意識を作ること。
オウンドメディア運営の部署を作ってしまうと、その部署の仕事になってしまうため、プロジェクトとしてメルカリ全体で「メルカン」に関わっていく方針で運営を行っています。
記事は誰が書いてもよく、社内向け・社外向けと記事を出し分けることもせず、社内のメンバーも「メルカン」を通じて情報を得ることもあるそうです。
こういったオウンドメディアを大切にする企業文化の浸透が、メルカリでオウンドメディアリクルーティングがうまくいっている理由と言えるかもしれません。

成功事例③株式会社Gunosy

株式会社Gunosyは、ニュースアプリのGunosy(グノシー)を運営している企業です。

Gunosyは、採用活動において2つの課題を抱えていました。
1つ目には「中の人の顔が見えず、社内と社外でイメージのギャップがある」という点です。創業者がエンジニアであることから、社外からはエンジニアの会社というイメージが強く、エンジニア以外の職種の採用に苦戦するという課題がありました。実際にはビジネス職のポジションも多く、活躍している女性も多く存在しているのですが本来の姿が外には伝わっていませんでした。

2つ目には、「採用メッセージの訴求イメージや世界観がバラバラだった」ことです。
事業部ごとに求人の文言を作成していたために、会社としてのブランディングの視点が抜けており、「企業」としての訴求ができていませんでした。これらの2つの課題を解決するために活用されているのが、オウンドメディア「Gunosiru」です。

「Gunosiru」自体は採用活動のために立ち上げられたオウンドメディアではなく、元々あったオウンドメディアですが、コンテンツの更新に時間を割けておらず必要最低限のコンテンツしか発信できていませんでした。そこで環境を整備して「等身大のGunosy」を伝えるための場として「Gunosiru」の活用を始めたのです。

実際に配信するコンテンツとしては、更新スケジュールは月に3本と多くはありませんが、そのうち2本は社歴や年齢・性別や職種に関わらず幅広いメンバーへのインタビューコンテンツとし、もう1本は社内の雰囲気がわかるような写真を多く盛り込んだ記事としています。
また「Gunosiru」というオウンドメディアの認知度自体が低かったため、認知度を上げるために求人SNSのWantedlyからも誘導し、認知度向上のための施策を行っています。

記事を読めば会社のことがわかるというのが、オウンドメディアの最も大きな役目となっています。
その施策の結果として、現在ではほぼ100%の入社者が「Gunosiru」を読んでくれているようになり、求職者の応募判断材料のひとつとして定着しつつあるようです。面接時に、応募者から記事に関する話をされることも増えてきたそうです。

また「Gunosiru」はエージェントとの打ち合わせにも役立っており、無機質な募集要項を見せるよりも、実際に働く姿がわかりやすい記事を見せながら打ち合わせを進めることで、エージェント側も人物像が見えやすくなり、求職者の働くイメージしやすいようです。

他には「Gunosiru」をきっかけに社外のメディアから問い合わせが来たり、社内のチームから「Gunosiru」のインタビューをしてほしいという声をかけられたりと、社内外で様々な活性化にも役立っています。
オウンドメディアリクルーティングで何を発信したらいいかわからないという担当者の方も多いかもしれませんが、この成功事例のように等身大の自社を発信していくことが、成功に結び付くかもしれません。

オウンドメディアリクルーティングの成功事例の共通点

ここまで、オウンドメディアリクルーティングの成功事例を3つご紹介してきました。
今回ご紹介してきた成功事例に共通して言えることは、社外の人から見ても「社内の雰囲気」・「就職後の働く姿」がイメージしやすいメディアづくりに成功し、自社の価値観と人材獲得のミスマッチを起こりにくくしているということです。

優秀な人材が自社で働く姿をイメージしてくれるようになれば、求人募集にかけるコストを減らすことができます。さらに自社の価値観とのミスマッチを減らすことができれば、それだけ面接・採用にかけるコストも減らすことができます。
このようにオウンドメディアリクルーティングはうまく軌道に乗せることができれば、求職者の志望度を高めながら採用活動を効率化し、コストを大きく削減することができる施策と言えます。

またもう一つの共通点として、半年~1年以上という長期的視点を持って、効果が出るまで定期的に改善を繰り返しながらコンテンツの発信を続けているということも挙げられます。
オウンドメディアリクルーティングは、とても時間のかかる施策です。最初の半年間は、まず効果が出ないものと考えておいた方がよいでしょう。
それでもその半年間の積み上げがその後に活きてくるのがオウンドメディアリクルーティングの強みなので、効果が出ないからといって中止せずに改善を繰り返しながらコンテンツの発信を続けていくことが大切です。

このように月に3本といったような無理のないペースでも良いので、とにかく定期的に更新を続けるよう心がけましょう。オウンドメディアはとにかく定期的に「続ける」ことが最も大切です。

今求められている求人施策②|オウンドメディアリクルーティング成功事例 まとめ

今回は、オウンドメディアリクルーティングの成功事例についてご紹介してきました。
オウンドメディアリクルーティングはまだ新しい施策ですので、難しく感じられる担当者の方も少なくないかもしれませんが、今回ご紹介してきた成功事例の共通点をしっかり押さえていけば、成功することは難しくないはずです。