いまさら聞けない「ブランディング」|なにからはじめればいいの?

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いまさら聞けない「ブランディング」|なにからはじめればいいの? (1)

最近、いろんなところで「ブランディング」というワードを耳にするようになりました。ブランディングとは企業、並びに商品やサービスとしてのブランドを世の中に知ってもらえるように、イメージを高めていくことです。

知名度・認知度も大切ですが、顧客満足度や信頼・共感にまで焦点を当てて、取り組んでいく施策をブランディングと言います。

そこで、今回は「ブランディング」について、しっかりと掘り下げていきましょう。ブランディングの役割・メリット・始め方などを、丁寧にお伝えしていきます。

よく聞く「ブランディング」という言葉について

マーケティングに少しでも関わりがある人なら、1度は必ず耳にしたことがある「ブランディング」というワード。最も簡単な言葉でご説明するのなら、「ブランド」を形作るために行う、さまざまなアクションと言えます。

もう少し詳しくお伝えするのなら、1つのブランドが「世の中の人に同じイメージを持ってもらうこと」「目には見えない価値を生み出すこと」を目的として、アクションを起こすことです。

皆さんが良く目にするキャッチコピー・ロゴ・テーマカラー・テーマソングなども、ブランディングの手法の1つです。

コカ・コーラのイメージカラーは赤

コカ・コーラのイメージカラーは赤

もう、あなたはブランディングされているかも!

日本人の皆さんは「ブランド」と言うと、世界共通で愛されているような高級ブランド品をイメージするのですが、ちょっと違います。

「ブランド」は、類似した商品から自らの商品を区別するために確立されるものであり、マクドナルドセブンイレブンモスバーガー松屋吉野家なども、全てブランド!

ブランディングとは、さまざまな類似品・類似店舗がある中でも、そのブランド独自の魅力や特徴がきちんとユーザーの中に「共通のイメージ」として根付くために行うアクションです。そう考えると、あなたはすでにブランディングをされているかしれません。

例えば、

・フライドポテトと言えば、マクドナルド。

・牛丼と言えば、吉野家。

・チルド弁当と言えば、セブンイレブン。

商品を購入するとき、サービスを利用するときなど、このようにイメージすることはきっと多いはずです。

消費者やユーザーに「○○と言えば、このブランド」というように、企業側が発信するイメージがしっかりと定着している場合は、ブランディングが定着していると言えます。つまり、会社や商品・サービスに対してブランディングを行う場合は、「○○と言えば、このブランド」と思ってもらうようなイメージを定着させる必要があります。

ブランディングのメリット

大企業はごく当たり前にブランディングを行っていますが、中小企業にはまだブランディングが浸透していないのが正直なところです。

しかしながら、ブランディングは概要が分かれば誰でも取り組めることですし、中小企業こそ効果の大きさを実感できると思います。ブラディングは、メリットだらけの取り組みと言い切れるくらいです。

ここではブランディング初心者の方でも分かるように、ブランディングのメリットをまとめていきます。

認知度とイメージで、選ばれる強さ

世の中には同じくらいの値段・クオリティの競合商品やサービスがたくさんあります。その中で自社のものを選んでもらうのは、とても大変なことです。そんな大変な中、きちんとブランディングが確立していると、競合がたくさんいるなかで自社を選んでもらうことはそれほど難しいことではなくなります。

なぜなら顧客やユーザーの中に「○○なら、ここを選ぶ」というイメージが頭の中に入っているからです。

ブランディングが成功していると、競合他社の商品やサービスがあろうとも、認知度とイメージで自然と選ばれる強さが生まれてくるのが1つ目のメリットです。

価格競争をする必要が無くなる

値下げで選んでもらおうという考えは、長期的に考えてあまりよくありません。

ブランディングに成功すると、競合商品やサービスがあった時に「価格」で争う必要がなくなります。

例えば同等のクオリティの製品があるとしましょう。A社は1000円で、B社は1300円で商品を販売しています。価格だけで判断すればA社に軍配が上がるかもしれませんが、B社がキャッチコピーやロゴ、自社のこだわりやコンセプトなどをブランディングによって、人々により定着させようとする努力を行っていたらどうでしょう?

価格競争の例

価格競争の例

金額では負けていますが、顧客の心をがっちりと掴んでいるB社に軍配が上がることも少なくありません。それが例え数千円、数万円の差になろうとも、企業側のブランディング力の高さが軽くその壁を越えてしまうことはごく普通に起こりうる話なのです。

口コミ宣伝が期待できる

キャッチコピー・ロゴ・テーマソング・SNSを活用したマーケティング戦略など、ブランディングに力を入れている企業や商品、サービスほど、口コミ宣伝が期待できます。なぜなら顧客やユーザーが共感できそうなポイントを、業側がしっかりアピールできているからです。

SNS上にはこのような口コミがたくさん見られます。「キャッチコピー通り、本当にお肉がぎっしりのお弁当だった!」「マクドナルドのスマイル0円は、本当だった。」「子連れ大歓迎のマークがあったので行ってみると、本当に優しく対応してくれるお店だった。」

このように企業側がアピールしているポイントを顧客やユーザーがすでに知っているので、それを受けての感想が口コミとしてSNS上に拡散されるという現象が起こるのです。その口コミを見て、自分も体験してみたいと思うユーザーがまた商品を購入してくれる場合も多くあります。

顧客のリピートするキモチを高める

「また買ってください」というアピールはナンセンス。近年ではガツガツ宣伝すればするほど、反対に顧客は離れていってしまいます。

顧客やユーザーに良いイメージを発信し、商品やサービスを実際に使用するという体験を通して素晴らしい記憶を定着することができれば、企業にとって強みとなります。良い記憶はまた舞い戻り、誰かに薦めたくなったり、また同じような体験をしたくなります。

顧客が「そのブランドを利用している満足する自分」になれば、自然とリピート率も高まっていくというわけです。

この4つがブランディングを行うメリットです。

ブランディングにより、企業や商品・サービスの知名度やイメージがアップすれば、芋ずる式にさまざまなポジティブ現象が引き起こされます。

売り上げやリピート率が高まるだけではなく、営業スタッフが新規飛び込み営業をしやすくなったり、リクルートサイトに広告を出さなくても、自然と入社希望者が増えるなど相乗効果が起こります。

ブランディングってなにからはじめればいいの?

ここまで「ブランディング」についてお伝えして、その必要性を感じていらっしゃる方も多いでしょう。しかしブランディングを始めようと思っても、何から手を付けてよいのかわからないのも正直なところではないでしょうか。ですが今更ブランディングについて質問することもできず、「なんとなく」でブランディング施策を行っていませんか?

そこでここからは、多くの人が実際に知りたいブランディングの手順を簡単にまとめてみました。企業・商品・ブランドによって細かな違いがあると思いますので、まずは大まかな流れから紹介します。

手順1.自己分析とターゲットを決める

見切り発車で色んな事に手を付けていくのではなく、時間をかけてでも、自己分析をしていくことが大切です。自社のこだわり・強み・顧客ニーズ、また競合他社と比較した価格帯や性能の良しあしをリサーチしてください。

そのリサーチが終わったら、次に決めるのは「ターゲット」です。つまり「どこで戦っていくのか」を決めていくことは、ブランディングをどこに仕掛けるのかを決めることにつながります。現在の顧客を分析して、細かくターゲットを設定しましょう。

手順2.顧客・ユーザーに抱いて欲しいイメージを決める

ターゲットである顧客やユーザーに対して、自社がどのようなイメージを持たれたいのかを決めましょう。これが、ブランディングにおいて最も重要なポイントです。

例えばハンバーガーだったら、「安い」「お肉がジューシー」「贅沢なグルメバーガー」「気軽に買える定番バーガー」「野菜をたっぷり使ったヘルシーバーガー」というように、多種多様なハンバーガーがあります。

ブランドとしてどう見られたいのか?どう進んでいきたいのか?は、ブランディングの要となります。ターゲットが興味を持ちそうなイメージをしっかり固めておきましょう

手順3.イメージを形にしていく

手順の3つ目は、そのイメージを形にしていくことです。イメージが固まったら、それをどのようにして形にしていくかを決めていきます。

キャッチコピー・ロゴマーク・商品デザイン・テレビCMなど、自社の規模や予算などによって方法は異なると思いますが、できる範囲で顧客やユーザーに少しでも自社のことを伝えていく努力が必要です。

これが、ブランディングを進める時の大まかな流れとなります。

いまさら聞けない「ブランディング」|なにからはじめればいいの? まとめ

今回は「ブランディング」の基本についてお伝えしました。

自社の商品やサービスのことを多くの人に知ってもらい、認知度も共感度もアップさせたいのなら、まずは「己を知る」ことが大切です。

ブランディングが成功するまでは時間を要するかもしれませんが、一度定着してしまえば、これほど強いものはありません。

焦ることなく、ブランディングを楽しむくらいの気持ちで取り組んではいかがでしょうか。