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今、ユーザーが拡大している「TikTok」というサービスをご存知でしょうか?
2017年ごろからいろいろなメディアで取り上げたので、多くの方は「若い子が使っているダンス、口パク動画アプリ」という程度の認識はあると思います。
しかし、どうしても「若い子が使っている…」という印象から、他人事のような印象があります。しかし、今や主要なSNS動向調査などではLINEやInstagram、Twitterと並んで調査対象に取り上げられています。TikTokでのマーケティングを考えていなかったら、ビジネスチャンスを逃しているかもしれません。
今回の記事では「TikTokがビジネスに活用できるのか」というテーマで解説します。そもそも、TikTokとは現在10代の若者を中心に人気沸騰中の新しいソーシャルメディアサービスです。若者を中心に利用者が急増しており、それに伴い企業の広告としての利用も増えてきています。
今回の記事では、まずTikTokとはどのようなサービスなのかという基本的な知識から、他のSNSとの違い、またビジネスに使えるのか?という観点で解説していきます。TikTokを使った事がない方、また広告としての利用を検討している方は是非参考にしてみて下さい。
TikTokとは?
ここでは「そもそもTikTokとはどのようなサービスなのか?」という疑問にお答えします。
TikTokの基本情報
TikTokとは2012年に中国のBytedance社によって開発された新しいソーシャルメディアです。TikTokの特徴は「15秒のフルスクリーン動画」がメインの媒体であるという事です。
動画と聞くとYouTubeを思い浮かべる方も多いと思いますが、YouTubeのサービスとは大きく異なります。TikTokは15秒程度の短尺で、動画編集の技術が無くてもクオリティの高い面白い動画が作れるという点が特徴と言えます。有名な歌手の楽曲や、一度は耳にした事があるCMソング・ジングルなどに、自分で撮った動画を合わせてシェアするという仕組みです。一般のユーザーでも簡単に「バズる」という経験ができ、フォロワーの数に関係なく多くの人に見てもらえる点が、その楽しみ方の一つになっています。
ユーザー数の成長
ローンチ当初は一部の人に限られていたTikTokですが、2017年頃から利用者が急増しています。モバイルアプリマーケティング調査会社「SensorTower」の調査によると、アプリダウンロード数は全世界で10億回以上を突破し、2018年全体を通して最もダウンロードされたアプリであると報告されています。
日本においても2019年2月時点で950万人ものユーザーを有しており、他のSNSと比較して使用率は低いものの、成長率としては大きく拡大しています。さらに今後もユーザー拡大が予測されています。
画像:SensorTower
10代の利用者が多い
TikTokユーザーの特性は、10代の利用が非常に多い事が挙げられます。AppApeLabが行った調査(2018年3月時点)によると、全体の約40%を10代の男女が占めているという結果が出ています。女性のユーザーが多いInstagramやビジネス利用が多いFacebookなどの他のSNSと比較すると、今までリーチ出来なかった若い層にアプローチが可能な媒体と言えるでしょう。
ただし、直近では年齢の高い層にも使われ始めています。例えば中国では当初10代の利用者が多かったものの、20代、30代のユーザーも増えてきたという報告があり、日本でも同じような現象が起こると予測されています。
画像:App Ape Lab
誰でも面白い動画が作れる
コンテンツ面の最大の特徴は「誰でも面白い動画が作れる」という事です。15秒の縦型全画面動画がメインで、自分で撮った動画にTikTok内で用意されている音楽を合わせます。操作方法も非常にシンプルで、動画編集などの知識やスキルがない人でも、簡単にバズる動画が作れます。
内容についても他のSNSとは一味違います。生活のシーンを切り取って投稿するInstagramやげFacebookと違い、より娯楽的な意味合いが強いように感じます。例えば「#○○チャレンジ」「#○○やってみた」などTikTok内で一時的に流行るテーマも多く、またそれに伴い多くのユーザーが便乗して同様の動画を作ってシェアするという流れも多く見られます。
「#○○やってみた」は元々YouTuberが使い始めた投稿スタイルですが、YouTubeでクオリティの高い動画投稿を行うには、ある程度の動画編集技術が必要になります。一方TikTokは「面白い」と思った動画について、瞬時に真似する事ができます。このハードルの低さ、簡単に面白い動画が作れる点はTikTokの最大の特徴と言えるでしょう。
フォロー&フォロワーの考え方が薄い
他のSNSでは、基本的にフォローした人の投稿を見て、自分の投稿はフォロワーに見られるというのが一般的です。
一方、TikTokはフォロー&フォロワーの考え方が薄いというのが特徴的です。TikTokを開くとまず出てくる「タイムライン」ですが、他のSNSではフォローしているユーザーの投稿が表示されます。しかしTikTokは「フォローしていないユーザーの動画」も流れてきます。過去の閲覧時間や「いいね」「コメント」などのアクションから学習し、そのユーザーにあった内容が表示される仕組みです。
逆に考えてみると、自分の動画についてもフォロワー関係なく不特定多数の人に見られているという事です。究極的にはフォロワーが0人でも、面白い動画が作れれば一瞬にしてバズる可能性があるという事です。
この「バズるハードルの低さ」が動画投稿へのモチベーションになっていることは間違い無いでしょう。
TikTokのビジネス利用とは?
TikTokにはビジネス向けのサービスが存在していることをご存知でしょうか?
TikTokは、InstagramやFacebookなどと同じようにユーザーに対して広告を配信するサービスを提供しています。ここでは広告の種類とそれぞれの特徴について紹介します。
画像:Markezine
TikTok起動画面広告
TikTok起動画面広告とは、アプリを起動した際に全画面で表示される広告の事です。3秒間の画像または3-5秒のGIF形式の動画か画像から選択する事ができます。さらに広告上にリンクを貼ル事が出来るので、自社サイトやキャンペーンページへの誘導が可能です。アプリを開いた時に強制的に目に飛び込んでくるので、非常にインパクトがある広告形式と言えます。
TikTokインフィード広告
インフィード広告は、InstagramやFacebook等でも用いられているフォーマットで、タイムラインの一般ユーザーの投稿に紛れて広告を出稿できる仕組みです。通常の投稿と同じように「いいね」「コメント」「シェア」が可能なため広告自体のコンテンツが面白ければ一気に拡散する可能性もあります。
TikTokハッシュタグチャレンジ広告
TikTokの特徴を活用した形式としては、TikTokハッシュタグチャレンジ広告が挙げられます。先ほど紹介したように、TikTok内では特定のお題について多くのユーザーが動画を制作しシェアするという行動が頻繁に行われています。その行動特性を活かして作られたのがTikTokハッシュタグチャレンジ広告です。企業から「#○○やってみた」などのお題をもらい、ユーザーに投稿を促す参加型の広告フォーマットです。過去の事例としては、森永製菓が行った「#ハイチュウダンスなう」は拡散スピード、量ともに成功した事例と言えるでしょう。
TikTokビジネス利用のメリットとは?
TikTokはビジネス利用に向いているのでしょうか?ここではTikTokをビジネスとして活用することのメリットについて紹介します。
ユーザーの拡大、新しい層の獲得が可能
上記で紹介した通り、TikTokのユーザーは直近で急拡大しています。使用率はまだ低く、日本においてはポテンシャルが非常に高いSNSと言えるでしょう。ユーザーが今後も拡大していくという点はビジネス活用におけるメリットの一つです。また他のSNSではカバーしきれなかった10代のユーザーにリーチできる点も、TikTokの特徴と言えるでしょう。
インパクトのある動画広告&音による訴求が可能
TikTokは基本的にフルスクリーンで動画が表示されます。他のSNSと比べてインパクトのある広告を配信できる点は特徴の一つと言えるでしょう。また大きく異なるのが「音」を使った訴求です。
先に紹介した通り、TikTokは動画+音(効果音やBGM)を組み合わせて楽しむ場です。他のSNSではミュートで見られているものが多いため、ミュート前提でも伝わるクリエイティブ(字幕対応など)を制作する必要があります。
一方TikTokはその心配の必要がないことに加え、音を積極的に活用して自社の商品やブランドを訴求する事が可能です。例えば「サランサップだよ♪」というフレーズでおなじみのサランラップは、テレビCM用に制作された素材をTikTok用にアレンジして広告配信を行いました。音を活用できる点は他のSNSにはないメリットと言えるでしょう。
まとめ
今回は「TikTokはビジネス活用できるのか」というテーマで、TikTokの基本情報、TikTok広告の種類、またTikTok広告に活用するメリットについて紹介しました。TikTokは今後も若年層を中心にユーザーが拡大していくと予測されています。ビジネス活用の面では、他のSNSと比較すると事例数も少ない状態です。ただ今後も確実に成長する媒体なので、早期に取り組み知見を溜めていきたいものです。今後マーケティングに活用する企業も増えてくるでしょう。ぜひ自社のマーケティング施策の一つとしてTikTokのビジネス利用を検討してみてください。