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SEO対策の重要性は今更言うまでもないかもしれません。ユーザーは日々無数のワードで検索しています。最近のデータがないのですが、2016年の1年間、Googleで行われた検索は最低でも2兆回といわれており、20兆近いというデータがあります。
全世界のインターネット人口が約40億人なので、日本人の人口が約1億人とすると、「20兆×1億分の40億人÷365日」で1日の検索回数は1憶回以上になります。
それだけ検索されている中で、もしも検索回数の大きなキーワードで上位に掲載されたら計り知れないプロモーション効果が期待できますね。
そのためにWebサイトの運営者が1位でも順位を上げよう、1つでも多くのキーワードで表示されようと日々四苦八苦しているわけですが、逆に「検索結果に表示されたくない」という思いで、1位でも順位を下げようと四苦八苦している人もいます。
それが「逆SEO対策」と呼ばれるものです。
そんなことするなんてわけがわかりませんよね。でも実際、ここ数年で逆SEO対策の要望は増加しているのです。
そもそも逆SEO対策は何のために行うのでしょうか?
どのように対策するのでしょうか?
もしも自社サイトが逆SEO対策の被害にあってしまったらどうすればいいのでしょうか?
今回は検索順位を下げる「逆SEO対策」について、その目的や方法を紹介したいと思います。
逆SEO対策とは?何のためにするのか?
逆SEOとは、検索順位を上げる通常のSEOに対して、そのまま「Webサイトの検索順位を下げること」です。
普通に考えると検索順位を下げるメリットは見当たりませんが、実は2つの理由があります。
逆SEO対策は目的によって意味も目的も全く異なってきますので、しっかり理解しておきましょう。
ユーザーに見せたくないコンテンツがあるから
やはり一番多いのは企業に対する誹謗中傷コンテンツです。例えば自社が過去に起こした不祥事や刑事事件の情報。
企業について調べるとき、その企業の名前に「評判」とつけて調ベることがあります。その時、過去の不祥事が検索結果の1ページ目にあれば困りますよね。これは取引先だけでなく、求人など様々なシーンで悪影響を与えます。こうしたネガティブな情報が目に入りづらくして、良い情報が伝わりやすくすることも重要な施策です。
ただし、不祥事を起こしたことが事実であれば、あえて対策する必要はありません。その後のいい活躍で挽回するのが正義と思います。誠心誠意企業活動を行えば、いずれ不祥事の情報は目に入りにくくなるか、目に入ってもそれ以上の魅力が伝わるはずです。
しかし、あえて逆SEO対策をした方がいい場合も少なからずあります。
例えば、1人の顧客に不適切な対応をしてしまい、その人がさんざん悪評を書いてしまった場合。不適切な対応自体は責められるべきですが、必要以上の悪評は企業にダメージを与えます。
また、退職者や元取引先、まったく関係ない第三者による内部情報リークなども問題です。怨恨やいたずらによって企業イメージが下がるのは避けるべき事態です。
そして最近多いのがフェイクニュースです。倒産していないのに「○○企業が倒産!」「●億円もの借入金が!」のような記事が出回ってしまった場合。
こうしたケースでは、企業を守るため逆SEO対策を行う必要があります。
競合サイトの順位を低下させて自社の順位を上げたいから
決してやっていけないことですが、競合の足を引っ張ることで自社を優位に立たせるために逆SEO対策を行う場合もあります。
自社の検索順位が3位で、本当はより良いコンテンツを提供して1位と2位を狙うべきなのになかなかそうもいかない。じゃあ逆に1位と2位のSEO評価を下げてしまおうという考え方です。
Googleなど検索エンジンが掲げる規約違反ですし、企業倫理的にも絶対やってはいけませんが、手っ取り早く上位化するために使われる手段です。
逆SEO対策の方法
逆SEO対策には2つの目的があり、それによってやり方が異なります。ただし、2つ目に紹介した競合サイトの順位を下げるというのは決してやってはいけませんし、1つ目の目的でも実際に起きた不祥事などを隠すのは問題です。
なのでここで紹介するのはあくまでも「退職者や取引先などが内部情報をリークしてしまったり、怨恨により風評被害を受けてしまった」「フェイクニュースで企業イメージを傷つけられた」場合の対策方法です。
逆SEO対策の方法1:Googleにページ削除を依頼
まず試みるのはGoogleなどの検索エンジンに不適切なコンテンツを削除するよう依頼することです。Googleは検索結果に表示される情報が正しいかどうかまでは確認していません。しかし、明らかに偽、違法な情報であれば削除してくれます。
明らかなフェイクニュースなどはこの方法で対処しましょう。掲示板やブログ等の場合はその運営元に依頼しましょう。
関連リンク:Googleから情報を削除する
逆SEO対策の方法2:正しい情報がのっているサイトの順位を上げる
Googleに依頼したからといって、必ずコンテンツを削除してくれるわけではありません。特に企業に対する誹謗中傷などは「言論の自由」にあたるとされ取り合ってくれないこともあります。
そんな時には、自社に関する正しい情報を発信して、不適切なコンテンツよりも上位に表示されるよう施策を行います。
つまり、通常のSEO対策によって逆SEO対策を行うという考え方です。
例えば「会社名 評判」と検索したときに不適切な誹謗中傷が表示されるようなら自社の評判に関するより良いコンテンツを作成しましょう。例えば社長ブログや従業員のメッセージ、クライアントの声、オフィシャルSNSアカウントなどです。
この時、うそをついたり誇張したりして自社をよく見せることは厳禁です。あくまでも正式な情報であることを前提にそうしたコンテンツを用意しましょう。
Googleサーチコンソールで不適切なリンクを確認
不適切なコンテンツにより自社のイメージが傷つけられる恐れもありますが、自社に対して逆SEO対策を仕掛けられてしまうこともあります。競合企業が自社の順位を上げるため、あなたのサイトを標的にした場合です。
不適切な方法で逆SEO対策を請け負う悪徳業者の中には、コピーサイトを大量に生産したり、ひどい場合はウィルスに感染させたりします。
そうなってしまうと専門家でないと対策しようがないので、然るべき業者に相談しましょう。
しかし、そこまでの被害に遭わなくても不適切な外部リンクによって自社がスパム扱いされてしまうリスクがあります。
そうならないためにもGoogleサーチコンソールで不適切なリンクを定期的に確認し、必要に応じて否認するようにしましょう。
Googleサーチコンソールの被リンク確認方法
Googleサーチコンソールの「リンク」という項目の「上位のリンク元サイト」から、自社サイトがどのサイトからリンクされているかを確認できます。
急に増加したリンクなどは要チェックなので、定期的に見ておきましょう。また、明らかに関連性のないドメインを見つけた場合もチェックしておきましょう。
リンクをダウンロードして不適切なリンクのリストを作成
リンク元サイトが、あなたのサイトにリンクを貼っているサイトです。ここに不審なドメインがあればリンクスパムの可能性があります。
リンクスパムはGoogleに否認申請できるため、この情報をもとに否認するリンクを確認しましょう。
下向きの矢印をクリックすると「CSVをダウンロード」と「Googleスプレッドシート」の2種類の方法でリンク元サイトをダウンロードできます。数が多い場合はダウンロードしたファイルを編集して否認用のテキストファイルを作成します。
否認用テキストファイルの作り方についてはGoogleヘルプを参照してください。
Googleのリンク否認ツールに申請
否認したいリンクのリストができたらGoogleのリンク否認ツールより否認申請を行います。
リンク否認ツールにアクセスすると、対象のサーチコンソールを選択する画面が表示されます。対象のサイトを選択して「リンクの否認」を押しましょう。
すると下記のような警告文が表示されます。要するに有益なリンクを誤って否認してしまうとSEOのパフォーマンスが悪化するから注意しましょうということです。
否認用テキストファイル作成は有益なリンクが含まれないよう注意しましょう。
これは高度な機能なので、慎重に使用する必要があります。使い方を間違えると、Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスに悪影響が及ぶ可能性があります。ご自分のサイトに対して、スパム行為のあるリンク、人為的リンク、品質が低いリンクが数多くあり、それが問題を引き起こしていると確信した場合にのみ、サイトへのリンクを否認することをおすすめします。
「リンクの否認」をクリックするとファイルをアップロードする画面が表示されます。作成した否認用テキストファイルをアップロードしましょう。
アップロードして「送信」をクリックすると、アップロード内容が表示されます。今回は1件のURLを否認したので、「このファイルには0件のドメインと1件のURLが含まれています」と表示されています。
内容に問題なければ「完了」をクリックしましょう。
これで不適切なリンクの否認申請が完了しました。
あまり意識しないかもしれませんが、SEO業者に依頼したり、リンク購入などを行っていなくても不適切なリンクというのは想像以上に発生します。
Webサイトの品質を高めるためにも定期的な確認を習慣化しましょう。
逆SEO対策の目的と対策まとめ
今回は逆SEO対策について、目的や対策方法を紹介しました。
逆SEO対策は、本来必要のないものですが、会社を守るために必要になるケースも存在します。また、悪徳SEO業者によって自社が逆SEO対策の標的になり検索順位を下げられることも起こり得ます。
逆SEO対策について、細かな知識は必要ありません。自社のオフィシャルサイトのコンテンツを充足させ、社長ブログのようなオウンドメディアで正しい情報を積極的に配信し、Googleサーチコンソールで定期的にスパムリンクを確認する。
逆SEO対策という名前がついていますが、やるべきことはユーザーに正しくて有益な情報を提供することだけです。
これが逆SEO対策の基本であり、通常のSEO対策の基本でもあります。