目次
これまで、様々な業種のInstagram広告の成功事例を紹介してきました。
ターゲティングやクリエイティブの優れた国内事例を紹介してきましたが、今回はInstagram広告の事例として「アプリのインストール数を拡大した事例」に絞って紹介します。
アプリの市場規模が拡大していることは言うまでもありません。アプリのインストール数を伸ばしたいと検討している方はぜひ参考にしてみて下さい。
【Instagram広告事例】
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HAITER(出版社|フランス)-ストーリーズ広告活用でスペルチェック・ライティング向上のアプリインストール数拡大事例
HAITERはフランスにある出版社で、教育関連の書籍やフランス語の文法参考書を出版していることでよく知られています。2018年1月にHAITERはスペルチェック・ライティング向上のためのアプリ「Mon Coach Bescherelle」をリリースしました。
リリースの時、今までに行ってきた広告手法やコミュニケーション方法から一度離れ、若い世代に向けてInstagramを活用したいと考えていました。今回のキャンペーンの大きな目的は、若年層のアプリダウンロード数の拡大です。
HAITERはターゲットに特に親和性の高いストーリーズ広告を活用し、アプリの機能やベネフィットについて訴求を行いました。クリエイティブは「アプリが生活の中でどのように生きるか」を自然に描いたものが制作されました。まずスキーをしている人の動画からスタートします。
同じ画面上に表示される「Quant ton père ne veut pas être filmé(お父さんが撮影されたくない時)」という文章には実は単語のミスが含まれています。冒頭の「Quant(数量)」は間違いで、「Quand(場合)」が正しい単語であるという事を、この「Mon Coach Bescherelle」アプリが指摘してくれるコンセプトです。
次の画面では、「Dites au revoir aux fautes!(間違いにさよならしよう!)」「Téléchargez I’application Mon coach Bescherelle sur I’app store et faites la difference!(アプリストアでMon Coach Bescherelleをダウンロードして、より良くしよう!)」というメッセージで、アプリの機能やベネフィットを上手く伝達しています。
その結果「アプリダウンロード3,407回」「獲得コストは€0.59(70~80円ほど)」という成果を得ることが出来ました。
HOPPER(旅行予約アプリ|カナダ)-ストーリーズ広告活用でアプリインストール数拡大
HOPPERはカナダ・モントリオールに拠点を置く、旅行・フライト予約アプリを運営する会社です。2015年からそのサービスを開始し、若い世代を中心に認知度を高め、急速な成長を実現してきました。サービスの核となるのは、ビッグデータを活用した将来のフライト価格予測です。アプリをインストールすれば、価格がドロップダウンした時にリアルタイムでプッシュ通知を受け取ることも可能です。
HOPPERは今回のキャンペーンを通じてモバイルデバイスを使った旅行予約に慣れていて、かつ旅行を検討しているポテンシャル層にアプローチすることで、アプリのインストールとHOPPERを使ったフライトの購入を促進したいと考えていました。
クリエイティブは、メインターゲットエリアであるカナダ・アメリカの各都市から、タージマハルやギザのピラミッドなど各国の魅力的な行き先への旅、そのフライト価格をイラストで表現するというシンプルな形で制作されました。ターゲットはモバイルやアプリを使って旅行予約をすることに抵抗がない人に幅広く設定され、Facebookの類似オーディエンスを活用して配信されました。
2017年7月1日にテストとして開始されたこのキャンペーンは、新しいユーザーを獲得することに成功し、アメリカ・カナダ合わせて750万人にリーチしました。
結果的に、他のキャンペーンと比較して「アプリインストール率67%UP」「新規ユーザーの予約率80%UP」「新規ユーザーのフライト検索、モニタリング率50%UP」というその先のコンバージョンにもつながる大きな成果を残すことが出来ました。HOPPERは、広告ではイラストを活用しましたが、通常の投稿は旅先の美しい写真を多く掲載しています。「親しみやすさ」と「旅行アプリのエキスパート」である事を場所によって使い分けて伝達しているという点も学ぶことができるでしょう。
HUTCH(インテリアデザインメディア、アメリカ)-カスタムオーディエンスによるターゲティング事例
HUTCHはアメリカに拠点を置くインテリアデザインのアプリを開発している会社で、自社でEコーマス事業も行っています。インテリア・家具と部屋をどのようにマッチングさせていくかというコンセプトでアプリを開発しました。Instagramの通常投稿では、インテリア提案のエキスパートとして、デザイン性の高いコーディネトをポストしています。
HUTCHは今回、Instagram広告を活用して自社アプリのインストールを増やすこと、またインストールだけではなく体験まで提供していきたいと考えていました。
ストーリーズ広告のフォーマットを活用し、クリエイティブはアプリの最大の特徴である「インテリアコーディネート提案」をフルスクリーンでみせる仕様です。部屋の写真に、様々なコンセプトのフィルタを適用し、どのようなインテリアコーディネートが合うのかを見て楽しむことができます。
ターゲティングはアメリカに住む45歳以下の女性をベースに、同様のインテリアデザイン会社に興味がある人に配信しました。さらに自社が持っているユーザーのメールアドレスを活用し、アプリをインストールしたものの活用していない人、さらにそのカスタムオーディエンスに基づき、似たような人にもアプローチしました。
アプリ自体のユニーク性と、考えられたターゲティングにより、他メディアによる広告結果と比較して「1インストールあたりのコストを49%削減」「広告からのCTR10%UP」という結果を得ることができました。
(フィットネスブランド、オーストラリア)-ターゲット640万人にリーチしアプリインストール数を拡大
Kayla Itsinesはオーストラリアに拠点を置く、フィットネスブランドの会社で、主に女性をターゲットとしたフィットネスアプリ「Sweat」を開発しました。Sweatは、創業者でありパーソナルトレーナーのKayla Itsines自身が開発した独自の28分間のプログラムをメインコンテンツにしています。
アプリではプログラムの配信の他、トレーニングに必要なアイテムを購入できるEコマース機能、専門家によるブログやTIPS、そしてこのプログラムに励む女性達のコミュニティの役割も果たしています。
月額$19.99か年間利用$119.94から選択できる仕組みで、例えるならオンライン上でジムに通うというイメージです。
今回のInstagram広告キャンペーンでは、ブランド認知度UPとアプリインストールの拡大が狙いでした。動画広告とカルーセル広告のフォーマットを活用し、メッセージは「Sweat with Kayla, anytime, anywhere.(カイラと一緒に、いつでも、どこでも)」というシンプルなコピーでまとめています。
クリエイティブとしては、Kalyaが様々な場所でワークアウトに励む姿をスピーディに見せています。最後のCall to Actionの画面では、アプリで使える機能をスワイプしながら実際のスマートフォンの画面で見せています。
ターゲティングはアメリカに住む18-42歳の女性をベースに、既存のアプリユーザーに基づいた類似オーディエンスを活用しました。
このキャンペーンは640万人という多くの女性に届き、「ブランド認知度21ポイントUP」という成果につながりました。アプリの特徴とそれを使用することによる感覚的なベネフィットが上手く動画広告の中で表現されている事例と言えます。
ゼクシィ(結婚情報サービス)-ストーリーズ広告活用によるアプリインストール数拡大事例
ゼクシィは「プロポーズされた、ゼクシィ」というキャッチコピーで有名なリクルートマーケティングパートナーが運営する結婚情報メディアです。ゼクシィはターゲットである20代女性との親和性が高いストーリーズ広告を活用して、アプリのインストール数を増やしたいと考えていました。
クリエイティブは結婚を控えた女性にとって最大の関心事である「ドレス」をメインの題材にしました。Instagramの世界観に馴染ませることを意識し、シンプルな構図、手書き風フォントを採用しました。「動きが少ないストーリーズ広告はスキップされやすい」というユーザー目線の気づきを盛り込み、静止画ながら動きを加える工夫を施しました。
ターゲティングは23-29歳のアプリをインストールしていないプレ花嫁に加え、類似オーディエンスで既存ユーザーに似たターゲットにもアプローチしました。
結果、広告配信後の「獲得アクション数2.1倍」「アプリインストール3.1倍」、既存広告と比較して「インストール単価37%削減」という大きな成果を得ることができました。
Instagram広告でアプリインストール数拡大に成功した事例まとめ
今回の記事では、アプリのインストール拡大事例をまとめて紹介しました。アプリインストールはユーザーのコンバージョンハードルが低く、高い費用対効果につながる事例が多くあります。
いずれの事例を見ても、アプリの特徴とベネフィットをシンプルに伝え、ある程度の動きやスピード感をもってユーザーに伝えている点がクリエイティブの共通点だと思います。
さらにインストールの促進だけでなく「休眠ユーザー」へのアプローチも、アプリマーケティングの大きなテーマです。コンバージョンを拡大するという点においては効果的でしょう。
ぜひ今回の事例を参考に、自社の広告を検討してみてください。