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アクセス解析は、Webマーケティングにおいては絶対に避けては通れない重要な仕事です。しかし、専門用語が多く慣れていない人にとってはかなり戸惑ってしまうのも事実。
今回は、アクセス解析をするのに絶対に押さえておきたい必須の用語の意味を一挙に解説していきます。
アクセス解析に限らず、Webマーケティングに関わるなら知っていて損はない用語ばかりですので、この機会にぜひ覚えていってください。
ユーザーに関する用語
ユーザー
ユーザーとは、Webサイトに訪問してくるインターネットの利用のことです。自社サイトの利用者を指す場合が多いですが、自社サイトの利用者に限らず、今後自社サイトを利用する可能性がある潜在層も含めてユーザーと呼ぶことがあります。
ユニークユーザー
ユニークユーザーは、ユーザー数をカウントするときの呼び方の一つで、UUと略されます。延べ人数ではなく、一人が何回訪問したとしても一人としてカウントするのがユニークユーザーです。
「ユーザー」と「ユニークユーザー」はほとんど同じ言葉ですが、微妙に違う概念です。Googleアナリティクスの「ユーザー」という指標は、この「ユニークユーザー」を表しています。
また、Googleアナリティクスをはじめ多くのアクセス解析ツールは、ユニークユーザーをアクセスしたブラウザのCookieで識別しています。そのため、同じ人物であっても、違うブラウザ、デバイスでアクセスされた際は別のユーザーとして計測されます。そのため、「ユニークブラウザ」と呼ばれることもあります。Googleアナリティクスにおいては同様の意味ですが、ブラウザ以外でユーザーを識別する機能を持ったアクセス解析ツールにおいては違う意味となります。
新規ユーザーとリピーター
新規ユーザーは、初めてWebサイトに訪問したユーザーのことです。リピーターは、2回目以降にWebサイトに訪問したユーザーのことです。
Googleアナリティクスでは、新規ユーザーとリピーターをブラウザのCookieを使って区別するため、同じユーザーでも複数のブラウザを使っていたり、Cookieを削除していたりすると、新規ユーザーとしてカウントされてしまいます。
また、Cookieの保存期間は最長で2年なので、前回の訪問から2年以上間隔を空けて再訪問したユーザーも新規ユーザーになります。多くの場合、影響は小さいですが、念のため知っておくとよいでしょう。
Webサイトでの行動に関する用語
セッション
セッションとは、Webサイトに訪問された回数のことです。
1人のユーザーでも、朝に1回Webサイトに訪問して離脱し、その日の夜にもう1回Webサイトに訪問して離脱した場合、その日のセッション数は2になります。
ユニークユーザー数あたりのセッション数を計算することで、一人のユーザーがどれくらいの頻度で訪問しているのかを知ることができます。
Googleアナリティクスでセッションが切れる定義は以下の3つです。
- 30分間作業が行われなかった場合
- 参照元が変わった場合
- 日付をまたいだ場合
ページビュー
ページビューとは、Webサイト内のページが閲覧された回数のことで、PVと略されます。
1人のユーザーが、1回のセッションで、ページ1とページ2とページ3を閲覧して離脱した場合、そのセッションのページビュー数は3になります。
また、ページ1から移動せずに再読み込みを行った場合、ページ1のページビュー数は2になります。
当然ですが、ページビューが多いページはよく見られている重要なページということになるので、優先的に改善すべきページと言えます。
上図の例でいうとセッション数は5ですが、ページビュー数は12となります。
ページ/セッション
ページ/セッションは、1回のセッションあたりの平均ページビュー数のことです。
1回のセッションでは必ず1回のページビューが発生するので、ページ/セッションは1以上になりますが、この数字が大きければ大きいほど、1回のセッションでたくさんのページを見るユーザーが多いということになります。
一般に、この数字はなるべく大きい方が望ましいですが、ECサイトなどは、ページ/セッションの数字が大きすぎると、ユーザーにとっては必要な操作回数が多い、または欲しい商品がなかなか見つからないということになります。そのため、ページ/セッションが小さくなるようにコンパクトなサイト設計にすることで、成果が改善されるということもあります。
Webサイトの種類に合わせて、適正な数字になるように調整していきましょう。
直帰率
直帰率は、全セッションのうち、最初に訪問したページで何も操作を行わずに離脱したセッションの割合です。
一般にこの割合は低い方が望ましいですが、その目安はWebサイトの種類によって大きく異なります。
ECサイトであれば20%程度、コーポレートサイトであれば60%程度、メディアサイトであれば70%程度に抑えられれば十分低いと言えるでしょう。
また、直帰率が異常に低い(10%未満)場合は、正常に計測できていない可能性が高いので、アクセス解析ツールが正常に機能しているかどうかの判断材料としても使えます。
(多くの場合、原因はタグが複数設置されていることによる重複カウントです)
離脱率
離脱率は、特定のページで発生したセッションのうち、そのページで離脱したページビューの割合です。
直帰率とは違い、それまでのサイト内での行動とは関係なく、Webサイトから離脱したセッションがすべて離脱としてカウントされます。
特定のページの離脱率が他のページと比べて明らかに高い場合、そのページに問題がないか疑ってみるべきです。
商品の購入や申し込みに対して表示されるページであれば、そのページに到達した時点でユーザーの目的は達成されているので離脱率が高くても問題ありませんが、それ以外のページで離脱率が高くなっている場合は改善が必要です。
ユーザーの次の行動を促すように内部リンクを入れる、ユーザーにとってどこに何があるのかわかりやすくなるようにデザインを工夫してみる、などで改善できる可能性があります。
直帰率と離脱率については、下記の記事で詳細に紹介しています。
直帰率・離脱率とは? 業界・業種別の目安数値も紹介
直帰率・離脱率が高い原因と改善方法
コンバージョンに関する用語
コンバージョン
コンバージョンとは、そのWebサイトの目的となるユーザーの行動のことで、CVと略されます。
商品の購入、資料請求、特定のページの閲覧などがコンバージョンとして設定されることが多いです。
コンバージョンは、他の指標と異なり、アクセス解析ツールが自動で計測してくれるものではなく、ツールを利用するときに予め何をコンバージョンとして扱うかを設定してやる必要があります。
コンバージョンを回数で見ることもあれば、売上金額を同時に計測して金額で見ることもあり、自社サイトの目的に応じたコンバージョンの設定が重要です。
メディアサイトやブランドサイトなど、特定のコンバージョンが設定できないという理由でコンバージョンを設定せずに運営されているWebサイトもありますが、改善の指標とするために、何かしらのコンバージョンを設定したほうがいいでしょう。
1回のセッションで3ページ見てもらう、10分以上滞在してもらう、など、直接売上に貢献する行動でなくともコンバージョンとして設定することはできますので、少なくとも1つはコンバージョンを設定しておくようにしましょう。
コンバージョンについては、次の記事で詳細に紹介しています。
Googleアナリティクスで「コンバージョン(目標)設定」を使ってみよう第1回
Googleアナリティクスで「コンバージョン(目標)設定」を使ってみよう第2回
サンクスページ
サンクスページは、ユーザーの最終到達点となるページのことです。
購入完了ページ、資料請求の申し込み完了ページなどをまとめてサンクスページと呼びます。
サンクスページは、必ずコンバージョンに伴って表示されるページなので、サンクスページの閲覧をコンバージョンの条件として設定することもあります。
サンクスページに到達したユーザーは、その時点で目的を達成しているので、サンクスページの離脱率は他のページと比べて非常に高くなりやすいですが、それを下げようとして無理にユーザーを他のページに移動させようとすると、ユーザーが不快に感じてリピートしなくなる恐れもあります。サンクスページはコンバージョンを完了した特別なページなので、解析する際も他のページとは切り離して考えた方がよいでしょう。
集客に関する用語
チャネル
チャネルとは、ユーザーがWebサイトに訪問してきた経路のことです。
自然検索(オーガニック検索)、リファラル(外部リンク)、ダイレクト、SNS、メール、ウェブ広告などの種類があります。
チャネルによってユーザーの行動に差が出ることが多いので、チャネルごとに対策を打っていく必要があります。
例えば、自然検索とSNSを比較すると、SNSから訪問してきたユーザーは、SNSを見ているときにたまたま目について訪問してきただけ、という場合が多いので、直帰率が高くなりやすい傾向にあります。
コンバージョンに繋がりやすいチャネルを強化するか、繋がりにくいチャネルを補強するかはWebサイトごとの戦略次第ですが、いずれにせよ、チャネルごとに分析していくことはとても重要です。
参照元/メディア
参照元は、チャネルをドメイン単位でさらに細かく分解したものです。メディアは、基本的にはチャネルと同一視して問題ありません。
例えば、Yahoo!検索で訪問してきた場合の参照元/メディアは、「yahoo / organic」という表記になります。
organicは自然検索のことを指すので、左がドメイン、右がチャネルというように見ることができます。
Googleの検索広告から訪問してきた場合の参照元/メディアは、「google / cpc」です。
cpcはCost per Clickの略で、検索広告のことなので、やはり見方は同じです。
チャネルと同様、参照元/メディアの違いでもユーザーの行動に差が出るので、チャネルをさらに深掘りしたいときに役に立つ指標と言えます。
ランディングページ
ランディングページは、ユーザーがWebサイトに訪問してきたときに最初に閲覧するページで、LPと略されます。
自然検索などでたまたま最初に閲覧したページをランディングページと呼ぶこともあれば、広告を出稿する際に用意した入り口となる専用のページをランディングページと呼ぶ場合もあります。
専用のランディングページがなく、かつ特定のページにアクセスが集中して実質的なランディングページとなっている場合、そのページを改善することでWebサイト全体の成果が良くなる可能性が高くなります。
特に、ほとんどのセッションが特定のランディングページから発生しているのにそのページの直帰率が高いという場合は早急に改善を図るべきです。
アクセス解析で絶対に抑えておきたい用語まとめ
今回はアクセス解析やWebマーケティングで必須の専門用語の中でも、基本的なものをまとめて解説しました。
アクセス解析は専門用語が多いので混乱することもあるでしょうが、最低限ここで紹介した用語を抑えておけば、十分に効果的なアクセス解析が行えるはずです。
ぜひ活用して、Webサイトの改善に活かしてみてください。
Grabでは以前、アクセス解析用語集としてより専門的な用語も解説しました。より詳しく知りたい方は、こちらも読んでみてください。