Googleアナリティクスの「direct(ノーリファラー/参照元無し)」流入を解剖する方法

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Googleアナリティクスの「参照元無し(ノーリファラー/direct)」流入を解剖する!

Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使う上で、避けては通れない仕様上の問題に参照元/メディアが「direct/none」になってしまうというものがあります。direct、つまり参照元無し(ノーリファラー)となっていると、ユーザーがどの流入元から来たのかわかりません。これではdirectで訪問しているユーザーの質が高いことが分かっても、対策しようがありません。

「direct/none」とは、本来はダイレクト、つまり「直接」Webサイトに訪問したセッションを表します。URLの直接入力や、ブックマークによる訪問がこれにあたります。
しかし、なんらかの理由で流入元のデータが得られなかった場合などにも、この「direct/none」に算入されてしまう場合があります。
こうなってしまうと、もはや流入元を完全に特定することは不可能なのですが、流入元を「推測」する方法のとして、URLのパラメータやランディングページをヒントに探っていく方法を紹介します。

「direct/none」の割合があまりにも高いせいで流入元がわからず困っている、という方は一度この記事を参考に流入元の推測にチャレンジしてみてください。

Googleアナリティクスの「direct/none」とは

「direct/none」とは、Googleアナリティクスの「参照元/メディア」レポートに表れる項目の一つです。
意味としては、冒頭に解説したように、URLの直接入力やブックマークといった、他のWebサイトを介さずに直接訪問したセッションが挙げられる他、なんらかの理由で流入元が特定できなかった場合にも、この「direct/none」に算入されます。
ブックマークはまだしも、URLの直接入力で訪問してくるユーザーは多くはないはずなので、正確に計測ができていれば「direct/none」は全セッションのうち数%程度に収まるはずです。あまりにも割合が高いという場合は、他の理由で計測に漏れが出た結果として「direct/none」に算入されているセッションがあると見るべきです。

「direct/none」が発生する原因

「direct/none」が発生する原因は、簡単に言うと、「インターネットブラウザ以外からのアクセス」か、「セキュリティ上の理由」のどちらかです。
それぞれ解説していきます。

「direct/none」が発生する原因①:ブラウザ以外からのアクセス

「direct/none」が発生する原因①:ブラウザ以外からのアクセス
ブラウザ以外からのアクセスとは、LINEなどのアプリからの流入や、QRコードを読み込んでのアクセス、Outlook等のメーラーソフトからのアクセスなど、ブラウザを介さずにWebサイトに訪問してきたセッションを指します。
Googleアナリティクスは、Webブラウザに保存されているCookieを頼りにアクセス解析の計測を行うため、これらのようにブラウザを介さずにWebサイトに訪問してきたセッションはCookieを辿ることができず、流入元が特定できなくなってしまいます。
これは、Googleアナリティクスの仕様上の問題なので、根本的な解決はできません。

ただし、LINEからのアクセスに関しては今後解析できるようになるかもしれません。同じくSNSアプリであるTwitterやFacebookからのアクセスはGoogle側が特別に対応しているため問題なく計測できます。今後Googleが対応すれば、LINEからのアクセスもGoogleアナリティクスで計測できるようになることがあるかもしれません。

「direct/none」が発生する原因②:セキュリティ上の理由

セキュリティ上の理由とは、インターネットを利用するユーザーのセキュリティやプライバシーを守るために、アクセス解析の計測が遮断されてしまうことでデータが得られず、「direct/none」に算入されてしまうことを指します。
例えば、「http://~」で始まるURLのページから「https://~」で始まるURLのページに移るとき、セキュリティ対策が施されていないページから施されているページへと移動することになるため、情報の流出を防ぐ意味で、このときはGoogleアナリティクスに情報が渡されません。
他には、ユーザーが使っているブラウザの設定で、Googleアナリティクスがユーザーの識別に使用するCookieを公開しない設定になっている場合も、やはりGoogleアナリティクスが情報を受け取ることができません。
最近ではスマートフォンでWebサイトを閲覧する際にプライベートモードに切り替える人も増えています。この場合も、プライバシー上の理由から計測できません。

こういった理由があると、ユーザーがどこからやってきたのかが計測できず、結果として「direct/none」に算入されてしまいます。

directになる理由については過去にこちらの記事で詳しく紹介しました。ぜひご覧ください。
Googleアナリティクスで「direct/none」を減らすには?参照元不明になる7つの理由と対策

direct流入の中身を解析する方法はある?

Googleアナリティクスをはじめアクセス解析ツールでは様々な理由でdirectが発生します。なかなか厄介な存在である「direct/none」ですが、一度この形でGoogleアナリティクスに計測されてしまうと、実際の流入元を明らかにすることは基本的には不可能です。
そのため、対策としては、あらかじめ「direct/none」が発生する原因をなくしていって、流入元が特定しやすい環境を整えるか、「direct/none」として計測されたものを、他の指標を駆使して本来どこから流入したものであるかを推測するかの2択になります。

direct流入を解析する方法①:URLにパラメータを振る

そのままだと「direct/none」に算入されてしまう流入を、Googleアナリティクスが認識できる形に変えることができる方法が一つだけあります。
それは、自社サイトへのリンクURLに「パラメータ」と呼ばれる識別子をつけることです。
パラメータは、URLの末尾に「~?utm_source=google」のような形で、「?」の後につけられるものです。

これがあると、GoogleアナリティクスがCookieを計測できなかったとしても、URLにつけられたパラメータから参照元/メディアを推定できるようになるため、directに算入されることがなくなります。
LINEを使った集客を行う場合は、パラメータなしだと全てdirectになってしまいますが、パラメータを使えば、LINEを参照元として識別できるので、必ずパラメータを振るようにしましょう。

Googleアナリティクスで使うためのパラメータは、キャンペーンURLビルダと呼ばれるツールで簡単に生成できます。

例えば下記のように設定するとGoogleアナリティクスには、チャネル「(Other)」のメディア「line」、参照元「line190930A」と記録されます。これで、LINEで行った2019年9月30日のAという施策からの流入がどれだけあったかを計測できます。

    「~?utm_source=line190930A&utm_medium=line」

紙媒体にQRコードを掲載する場合や、アプリ内からの流入を得る場合、必ずUTMパラメータを設定しておきましょう。

direct流入を解析する方法②:ランディングページから推測する

URLにパラメータを振るのは、direct防止のための事前的な対策ですが、パラメータを振っていなかった場合の事後的な対策が、ランディングページからの推測です。
一度directに算入されてしまった時点で、流入元を正確に知ることは不可能なので、あくまでも推測という形にはなるのですが、ランディングページの情報があればある程度directの中身を解析することが可能です。

例えば、LINEやメルマガで集客を図るとき、リンク先として特定のページを設定していれば、そのページをランディングページとして流入してきたセッションの中で、参照元がdirectになっているセッションは、LINEかメルマガからの流入であると推測できます。
この情報を得るには、ランディングページと参照元/メディアの2つの情報を掛け合わせて見る必要がありますので、セカンダリディメンションを利用します。

「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」のレポートで、セカンダリディメンションを「参照元/メディア」に設定するか、「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」のレポートで、セカンダリディメンションを「ランディングページ」に設定すれば、ランディングページと参照元/メディアの掛け合わせのデータを見ることができます。

ただ、この方法は正確さに欠く上に手間がかかるので、可能であれば、LINEやメルマガに限らず、何か集客のための施策を打つ際は、必ずURLにパラメータを振っておくというのが、最も確実な方法と言えます。
慣れるまでは面倒かもしれませんが、より良いアクセス解析が可能になるはずです。

Googleアナリティクスのdirect流入を解剖する!まとめ

Googleアナリティクスで「direct/none」が発生してしまったときに、その中身を解析する方法について解説してきました。
「direct/none」は、Googleアナリティクスの仕様上、一定数は必ず発生してしまうもので、しかも発生してしまうと中身を正確に知ることは不可能という厄介なものです。
そのため、ある程度はやむを得ないとして受け入れつつも、可能な対策として、URLにパラメータを振って「direct/none」の発生自体を減らすことをおすすめします。
流入元が正確にわかれば、それだけ施策も打ちやすくなりますので、ぜひ今回ご紹介した方法で「direct/none」対策を進めてみてください。