【2020年最新】国内の主要DSP広告一覧16選

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【2019年最新】国内の主要DSP広告一覧16選

リーマンショックにより金融業界で職を失ったエンジニアたちが行きついたのは「アドテクノロジー」業界でした。株式や出入金などの膨大な取引の扱いに慣れたエンジニアが生み出した広告技術。それが「DSP広告」です。
今回はDSP広告の基本的な仕組みを紹介するとともに、国内の主要なDSP広告(DSP会社)を16選をご紹介します。

DSP広告の仕組み

DSP広告を検討する広告主は増えていますが、そもそもどういった広告手法なのか理解されている方は少ないのではないでしょうか。
DSPとはDemand Side Platform (デマンド・サイド・プラットフォーム)の頭文字をとったもので、ユーザーの興味や関心から適切なインターネットでの広告配信を可能にするツールです。


上図はDSPの仕組みをざっくりと表したものになります。
DMPとよばれる膨大なユーザーデータを蓄積する箱と、広告メディアが利用するSSP、広告主が利用するDSPの3つを、RTB (Real-Time Bidding)という方式によりリアルタイムで瞬間的に取引を行う。
この一連の流れを活用したWeb広告手法をDSP広告といいます。

流れとしては、

  1. ユーザーがWebサイトを訪問する
  2. DMPに蓄積されたデータと照会しSSPに送る
  3. SSPはDMPから送られたデータをDSPに送る
  4. DSPは送られたデータから最適な入札を行う
  5. SSPは入札をオークションにかけ最適なDSPを選ぶ
  6. 選ばれたDSPはサイトに広告を配信する

となります。

皆さんがどこかで見られたバナー広告も、このような複雑な流れを経て表示されています。

これまでは特定媒体に特定プラットフォームから配信していました。Google広告の広告枠を掲載するメディアにGoogle広告から出稿されるなどがそうです。しかし、DSP広告の仕組みによりプラットフォームに依存せず、その都度、そのユーザーに対して最適な広告を配信することができます。
広告主はより良い場所により良いターゲットに広告出稿ができ、メディアはより収益につながる広告を掲載できます。

DSP広告の違い

DSP広告を提供するサービスは世の中に何百とあります。どれも同じような仕組みを持っていますが、いったい何が違うのでしょうか。
もちろん細かな点を上げればきりがないのですが、DSPを選ぶときに重要になるのは次の3つです。

配信面

配信面とは、広告が掲載されるメディアのことです。DSPサービスは広告主側が利用するもので、その先には提携しているSSPがあります。
このSSPによって配信される場所が大きく変わります。例えば、Yahoo!のディスプレイネットワークに出るか、Googleのディスプレイネットワークに出るか、その両方に出せるのかというのは非常に重要です。
例えば、有名なDSPに「Criteo」がありますが、最大の特徴はYahoo!のディスプレイネットワークに出稿できることです。Googleのディスプレイネットワークに出せるDSPは少なくありませんが、Yahoo!に出せるのはまだまだ限られてます。

DMPのデータ量・精度

DSP広告はどういったユーザーに配信するかを、DMPに蓄積したデータを元に判断します。そのため、DMPにどんなデータがあるかはターゲティングの内容や精度に直接影響します。
例えば、LogicadというDSPに接続されているDMPには日本最大の法人企業データベースであるランドスケイプ社の「LBC(Linkage Business Code)」データが入っています。そのため企業・法人の情報(資本関係、本社、事務所所在地、業種、職種など)によるターゲティングができ、「東京都に所在する製薬会社の人事職に広告を配信する」といったことが可能になります。

DSPの機能・サービス

そして最後の一つはDSPそのものが持つ機能やサービス内容です。例えば前述のLogicadは、DSP広告の運用を専任担当者から行います。そのため継続的な運用改善が見込め、目標とする費用対効果に近づけることができます。
また「Criteo」も機能が豊富なDSPで、データフィードを使ったレコメンド配信や閲覧情報に応じたリマーケティング配信に強みがあります。
そのほかにもAIにより自動最適化機能やリアルタイムレポート、全世界配信、マルチメディア配信など、様々な強みを持ったDSPサービスがあります。自社の広告施策に必要な機能を見極め、選ぶ必要があるでしょう。

国内の主要DSP広告16選

では、国内の主要DSP広告を紹介します。DSP広告は運用力よりもサービスの選定力が重要になります。良くも悪くもDSPが提携しているSSPにしか配信できず、連携しているDMPのデータしか使えないからです。
様々なDSP広告があるので、自社の施策に最適なものを選びましょう。

1. FreakOut

画像:FreakOut

FreakOutは国内初のDSPベンダーで2011年に提供開始しました。接続先SSPが豊富で多量な広告枠在庫にアクセスでき、多くのユーザーにリーチできるのがメリットの国内最大級のDSPです。PCで約1,700億、そしてVideoでは約15億の月間インプレッション配信枠を保有しています。
GoogleAnalyticsとの連携や、アトリビューション分析、ディスプレイ広告の効果の可視化など、広告運営で助かる機能も豊富にあります。柔軟なコミュニケーション設計ができるDSPです。

2. MicroAd BLADE

画像:MicroAd BLADE

MicroAD BLADEは国内シェアNo.1のDSPです。月間1,600億のインプレッション広告枠を確保。国内の主要なアドエクスチェンジやSSPと連携をしています。
マルチデバイス対応で、データベースも国内最大級。高精度なターゲティングができる上に、その使いやすさから1万社以上もの企業が導入しているDSPです。

3. ディスプレイ&ビデオ360(旧DoubleClick Bid Manager)

画像:ディスプレイ&ビデオ360

ディスプレイ&ビデオ360は、Googleが提供するクリエイティブ、データ、メディアを連携してキャンペーンを打つことのできるDSP広告です。Googleのオーディエンスデータを使用できるので、グローバル且つ強力なターゲティングが可能です。
最大の特徴はGoogle自身の強みでもあるビッグデータを元にした機械学習による自動最適化です。Google広告にも導入されている機能なのでなじみがある人も多いでしょう。

4. MarketOne

画像:MarketOne

MarketOneは、国内の大手SSPと連携しているので、入札対象bit数(広告在庫数)は国内最大級。世界最高水準の予測エンジン「u-Predict」を利用して、予測・最適化配信も実現しているDSP広告です。
多彩なターゲティングができ、自由なキャンペーン設定も可能。よって、最適化した広告配信ができるというわけです。レポーティングも細かくわかりやすいため、広告の透明性を重視する企業にも好評です。

5. Bypass

画像:Bypass

Bypassは、ユナイテッド株式会社のDSPツール。マルチデバイスでの発信に強みがあります。海外パートナーとの連携もしているため、世界への発信ができるグローバルな広告配信が可能です。
アカウント発行やシステム利用費が一切かからず、料金体系も非常にシンプルです。レポーティング機能はリアルタイムで確認でき、多様な指標でより詳細な広告分析ができます。

6. Logicad

画像:Logicad

Logicadは、大規模な配信ログとオーディエンスデータを高速で処理できるソニーの優れたテクノロジーを持つ国産DSPです。最低出稿金額・初期設定費用、ランニングコストなしで利用することができます。
独自の人工知能「VALIS-Engine」を使用した類似配信や潜在顧客を抽出し配信する等メニューも豊富です。リアルタイムのレポーティングもできる等、サポート体制も充実しています。
また、企業ターゲティングに強みのあるDSP広告3選でも紹介したようにランドスケイプが保有する企業データベース「LBC(Linkage Business Code)」と連携していることも大きな強みです。

7. Appier Cross-X


画像:Appier

台湾発、人工知能(AI)の技術を活用したマーケティングソリューションを行うAppier(エイピア)が提供する、クロスデバイス分析を得意とするDSP広告です。
WEB上の行動やデータベンダーの情報を集約し、AIが複数デバイスを所有する共通のユーザーを特定。月間2,860億imp以上の豊富な配信在庫から、ブランディング・獲得など目的に応じた最適な広告配信が可能と話題を呼んでいるDSP広告です。

8. ScaleOut

画像:ScaleOut

ScaleOutはスマートフォンに特化した広告配信で国内最大級のシェアを誇るDSPです。月間約2,200億インプレッションといった膨大な広告在庫データを所有し、ユーザーの属性・興味関心などの高精度なセグメントを利用することで、的確にユーザーへのアプローチができます。
面白いターゲティング方法として、郵便番号ターゲティングがあります。これにより新聞の折り込みチラシの代わる広告手法として注目されています。

9. AdInte

画像:AdInte

スマートフォン広告に特化しているAdInte(アドインテ)。コンテンツマッチ(配信面のコンテンツに連動して配信する手法)の精度は国内最高峰といわれています。京都大学と技術連携し高い自然言語処理の技術により開発されたDSPです。
位置情報やクーポン利用の情報を利用した広告配信もできるサービスで、ターゲットユーザーにリーチしやすく工夫されています。管理画面設計もシンプルで、レポート機能もわかりやすく作り込まれているDSP広告です。

10. ADMATRIXDSP

画像:ADMATRIXDSP

ADMATRIXDSPは、国内最多のIPデータ量を持っており、特許出願技術によって国内の企業をターゲティングできる独自データを保持しています。ビジネスユーザーへのターゲティングも可能で、BtoB企業に好評のDSP広告です。
国内で初めて動的IPアドレスを特定したDOI(Dynamic Office IP Identification)という技術により、大企業だけでなく中堅・中小企業に対してもターゲティングが可能になりました。
ビデオ広告、ネイティブアド、スマートキャンバスなど様々なクリエイティブフォーマットでの広告配信ができます。

11. GMO SmaAD DSP

画像:GMO SmaAD DSP

GMO SmaAD DSP はGMOの開発したアプリ向けのDSPです。国内最大級のアプリ配信面在庫を保持しています。国内大手メディアと連携し、性別、年齢、位置情報、購入データ、アプリリスト、キーワード、興味関心、類似ユーザーターゲティングを裏付けに高精度なターゲティングが可能です。類似拡張配信機能も用意されており、優良な新規ユーザーの獲得にも強みがあります。

12. Amazon DSP

画像:Amazon DSP

世界最大級のネットショッピング、Amazonが提供するDSP広告です。最大の特長はAmazonが保有する膨大な顧客・購買履歴を元にターゲティングが可能な点です。
さらに、閲覧履歴や購買履歴からライフスタイルを推測して、一歩踏み込んだセグメントを利用することもできます。自社の類似商品をAmazonで購入しているユーザーをターゲティングする等、様々な目的で活用できるDSP広告です。

13. Criteo

画像:Criteo

Criteoは業界最高クラスの広告テクノロジーソリューションを使用したDSPで、世界中で人気があります。そのテクノロジーの基となっているCriteoエンジンは、キネティックデザイン、商品のレコメンド、予測入札により構成されていています。
キネスティックデザインとは、マーケティングパフォーマンスを最大化しながら、ブランド戦略に沿った広告をユーザー個別に生成する新しいバナークリエイティブ生成技術です。17 兆通りを超える種類のクリエイティブデザインを生成する機能があり、ユーザーそれぞれに最適な広告クリエイティブを配信できます。
また、保持しているデータには、ユーザーの関心、識別情報、測定が含まれていて、ターゲットを分析するのを助けてくれます。レポーティングはリアルタイムでの分析が可能で広告最適化に役立たせることができます。

14. クロスリスティングDSP

画像:クロスリスティングDSP

クロスリスティングDSPは、大量の検索データを保持するクロスリスティングDMPと連携している検索広告に特化した「サーチリターゲティング広告」が配信できるDSPです。
国内のインターネットユーザーの約3割の検索データを保持しており、サーチリターゲティング広告の配信や、サイトリターゲティング配信ができます。キーワードを軸としているため、購買意欲が高いユーザー、ニーズが顕在化しているユーザーを対象とした具体的なターゲティングが可能です。

15. KANADE DSP

画像:KANADE DSP

KANADE DSPは、優良顧客獲得を獲得するためのパーソナライズされた広告配信が可能な純国産DSPです。広告戦略に合わせたユーザーの購買行動プロセスによって3つの配信メニューを用意しています。プロファイルターゲティングではブランド認知を、オーディエンス拡張では新規顧客をサイトへ誘導、パーソナライズリターゲティングではサイト訪問者のコンバージョン促進をうながします。

16. 楽天マーケティングプラットフォーム(- RMP – Display Ads)

画像:– RMP – Display Ads

日本最大のネットショッピングを運営し、今や金融・保険・旅行など様々なサービスを扱うコングロマリットである楽天。その強みを活かして、オンラインだけでなくオフライン(実店舗での来店・購買など)のデータも分析できるのが強みです。配信面も豊富で、主要SSPやYouTube、主要なSNSへも広告配信が可能なDSPです。

まとめ

今回は国内主要なDSP広告ということで、DSPの基本的な仕組みと、16種類のDSP広告を紹介しました。
DSP広告はインターネットを利用したマーケティングで欠かせない存在になってきました。それぞれ特徴や特化している分野、リーチできる層、配信先のデバイスなどが違うので、自社のサービスやリーチしたいユーザー層に合うものを選ぶ必要があります。
顧客獲得を最大化できる広告配信サービスは一体どのDSPなのか、多数のサービスがある中で答えを出すことは簡単ではありません。しかし、DSP広告は出稿するDSPの選定が最も成果を左右します。
ぜひ今回紹介した16種類だけでなく、様々なDSP広告を検討して最適な広告手法を選んでいきましょう。