目次
近年では顧客ニーズの多様化に伴い、マーケティング手法が大きく変化しています。
広告宣伝の手法としてテレビへの広告出稿を考えている方、自社に最適な手法を模索している方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、今広告市場で急成長している「コネクテッドTV広告」です。
当記事では最近人気を集めている「コネクテッドTV」について、概要や利用者増加の背景、コネクテッドTV広告が注目されている理由について解説します。
コネクテッドTV広告のメリットや広告配信におすすめの媒体も併せて確認し、広告出稿を検討してみてはいかがでしょうか。
コネクテッドTVとは?混同されがちな各用語との違いも
「コネクテッドTV(Connected TV)」とは、インターネット回線につながっているテレビを指し、CTVと略されることもあります。
そしてコネクテッドTV広告とは、テレビにつながっているインターネットを通して取得した情報をもとに配信する広告のことです。インターネットを介して情報を取得する手法は今までにも存在しましたが、コネクテッドTVの登場により、テレビから取得した情報を基にした広告出稿が可能となりました。
コネクテッドTVやその関連サービスは、近年急速に発展したものであるため、よく似たデバイスやサービスに関する用語と混同されがちです。
まずは、コネクテッドTVと混同されやすい3つの用語について確認しましょう。
混同されがちな用語(1)OTT
「OTT(オーバー・ザ・トップ)」は、動画や音声などのコンテンツをインターネットを介して配信するサービスを指します。OTTでは、ストリーミング再生やビデオ・オン・デマンド(VOD)によってコンテンツが提供されています。
- OTTと呼ばれるサービスの例
一方コネクテッドTVは、動画などのコンテンツをインターネットを介して視聴する際に使用するデバイスを指しています。したがって「コネクテッドTVを利用して、OTTのコンテンツをストリーミング再生で視聴する」といった使い方が正解です。
なお、OTTで提供される動画などのコンテンツは、コネクテッドTVのほか、インターネットに接続したスマートフォンやパソコンなどからも視聴可能です。
混同されがちな用語(2)スマートTV
「スマートTV」とは、コネクテッドTVの一種であり、インターネットへの接続と視聴デバイスとしての役割を併せもつテレビを指します。スマートフォンのようにOTTのアプリを自由に追加したり、SNSやインターネットブラウザを使用したりすることも可能です。
スマートTVは、インターネットを接続するためのストリーミング端末やブルーレイプレーヤー、ゲーム機など追加の機器は必要ありません。テレビのみでインターネットを介した動画などのコンテンツを視聴できることが最大の特徴といえるでしょう。
混同されがちな用語(3)リニアTV
「リニアTV」とは、従来のテレビ放送システムのことで、スケジュール通りに放送・配信される番組・コンテンツを視聴できるシステムを指します。
コネクテッドTVの利用者増加が進む理由
近年では、動画ストリーミングや見逃し配信といったOTTサービスや、その視聴者の増加に伴い、コネクテッドTVの利用者も増加傾向にあります。テレビでインターネットを使えるのは確かに便利ですが、なぜここまでコネクテッドTVの普及が急速に進んだのでしょうか。
ここからは、コネクテッドTVの利用者が増えている理由について、考えられることを3つ紹介します。
コネクテッドTVの利用が進む背景を理解し、コネクテッドTV広告出稿の参考にしましょう。
「おうち時間」の増加
2020年以降、感染拡大を続ける新型コロナウイルスにより、自宅で過ごす時間が増えたのではないでしょうか。こうした「おうち時間」を楽しく過ごすために、見たかった映画やドラマ、子どもが好きなアニメなどをコネクテッドTVで視聴するようになった方が多いのが理由のひとつと考えられます。
現在は、以前のような自粛要請は少なくなりましたが、おうち時間を楽しむツールとして、コネクテッドTVの人気は健在です。
コロナ禍を経て、アフターコロナ・ウィズコロナの世の中においても、日常的に使用されるデバイスとして成長したといえるでしょう。
「ながら視聴」のしやすさ
従来のテレビ放送を「ご飯を食べながら」「掃除や洗濯をしながら」視聴していた方も多いのではないでしょうか。最近ではスマホやタブレットを利用して、好きな動画コンテンツ・OTTサービスを「ながら視聴」しているという方も多いでしょう。
コネクテッドTVは、テレビを利用して動画などのコンテンツを視聴できます。今まで通りテレビを見る感覚で、好きな動画コンテンツ・OTTサービスを「ながら視聴」できることも、コネクテッドTVが人気を集める理由の1つです。
家族や友人とのコミュニケーション誘発
コネクテッドTVは、スマートフォンやタブレットといった他のデバイスと比べて画面が大きく、複数人での視聴に向いているという特徴があります。
スマートフォンやタブレットでOTTサービスを利用する際には1人で視聴するケースがほとんどです。一方、コネクテッドTVでは、家族や友人などとコンテンツ視聴の時間を共有することが可能です。
家族間や友人間のコミュニケーションを活性化し、交流を深められることもコネクテッドTVの魅力でしょう。
コネクテッドTV広告は業界でも注目されている
コネクテッドTV広告とは、コネクテッドTV向けに配信されるデジタル広告を指します。国内におけるコネクテッドTV広告の市場規模は、コネクテッドTVの利用者増加に伴い拡大傾向にあり、今後も中長期的な成長が見込まれると推測されています。
金額 | 前年比 | |
2020年 | 102億円 | 157% |
2021年 | 344億円 | 337% |
2022年 | 650億円 | 189% |
2023年 | 1,016億円 | 156% |
2024年 | 1,331億円 | 131% |
2025年 | 1,695億円 | 127% |
このようにコネクテッドTV広告は、今後もさらなる発展が望めるマーケティング手法としてマーケティング業界からの注目を集めています。
コネクテッドTV広告のメリットや自社に適した媒体をふまえた上で、広告出稿を検討しましょう。
コネクテッドTV広告を配信する4つのメリット
ここまで、コネクテッドTV利用者が増加していること・コネクテッドTV広告市場が急成長していることを説明してきました。
ここからは企業がコネクテッドTV広告を配信するメリットについて紹介していきます。
一般的なテレビCMより安価である
広告の内容やターゲティングのしかたにもよりますが、コネクテッドTV広告は一般的なテレビCMよりも安価に配信できるといわれています。
- コネクテッドTV広告と一般的なテレビCMの比較
コネクテッドTV広告 | テレビCM | |
金額(目安) | 数万円~ | 首都圏:数百万円~ 地方:数十万円~ |
配信規模 | 全国 | 単一局 ※テレビ局ごとに契約が必要 |
広告の視聴態度 | 広告形式による ※スキップ不可の広告もある | ・CM時にチャンネルを変えられる恐れがある ・録画を視聴する場合はスキップされやすい |
コネクテッドTV広告は、一般的なテレビCMよりも低コストである場合が多い上に、広告を確実に視聴してもらいやすいというメリットもあります。実際の商品購入・サービス利用へとつながりやすいでしょう。
データを取得してターゲティングできる
従来の一般的なテレビCMでは、放送される地域や番組の内容、放送時間帯などを軸として視聴するユーザー層を推測し、ターゲティングします。テレビの視聴者に広く情報を発信したい場合には有効ですが、細かなターゲティングは難しいでしょう。
一方、コネクテッドTV広告ではユーザーの登録情報などから年齢・性別、住んでいる地域(位置情報)、興味・関心といったデータをターゲティングに利用できます。テレビCMより細かなターゲティングができるため、効率よく広告を配信することが可能です。
家族をターゲットとした広告を出稿できる
コネクテッドTVの特徴として、家族と一緒に視聴する機会がパソコンやスマートフォンなどのデバイスを利用するときよりも多いことが挙げられます。家族とコネクテッドTVを長時間視聴することにより、コネクテッドTV広告に接触する機会も自然に増えます。
家族がそろって同じ広告に何度も触れることで、その広告の商品やサービスに関する家族間での話題も増えると推測できます。家族をターゲットとした広告を配信することで、商品やサービスの売上アップにもつなげられるでしょう。
大人数で同時視聴されやすい
コネクテッドTVはテレビ端末であるため、リビングなどの共同空間に設置されているケースがほとんどです。パソコンやスマートフォンよりも画面が大きいこともあり、家族や友人など複数人で視聴するシーンも少なくありません。
同じコンテンツを複数人で視聴しているときに広告を流せば、同じ場所にいる家族や友人など複数の対象に広告の内容を伝えられます。商品やサービスの認知度向上・企業への好感度アップにもつながることが期待できるでしょう。
コネクテッドTV広告の配信におすすめの媒体3選
コネクテッドTVに広告を配信して、効果的にマーケティング活動を実施したい方は、媒体をしっかりと選定することが大切です。
コネクテッドTVは、媒体によって利用者層も異なるため、期待できる広告効果も異なってくることに注意しましょう。
ここでは、幅広い業界から特に人気のあるおすすめの媒体を3つ紹介します。自社の商品・サービス、ターゲット層に適した媒体を選び、有効な広告配信を実現しましょう。
TVer
「TVer」とは、日本テレビやフジテレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京といった在京民放キー局が中心となり共同で取り組んでいるテレビ番組配信サービスを指します。TVerでは、現在放送されているテレビ番組を同時配信で視聴できるほか、放送終了後にも1週間程度は「見逃し配信」を視聴することが可能です。
TVerはコンテンツの専念視聴率が高く、広告動画の完全視聴率も95%前後と非常に高い水準を示しています。とくに、ほかの媒体と比べると音声ありの広告動画の完全視聴率が高いため、広告メッセージを確実にターゲットに届けられるというメリットがあります。
※専念視聴率…「ながら」ではなくコンテンツだけを視聴する人の割合
※完全視聴率…広告動画を最後まで視聴する人の割合
さらに、コネクテッドTVで利用できるTVerアプリ内でユーザーアンケートを実施しており、これらのデータをもとに高精度なターゲティングが可能です。特定のターゲット層に確実かつ最後まで広告を視聴してもらいたい場合に有効活用できる媒体でしょう。
OTTサービスによっては、コンテンツの展開に関係なく、いきなり広告が挿入される場合も少なくありませんが、TVerでは違和感のないように広告が挿入されるため、視聴者が広告に対して嫌悪感を抱くことを抑えられるでしょう。
企業や商品・サービスの認知度や信頼度、好感度アップを狙う広告を配信したい方にはTVerがおすすめです。
ABEMA
「ABEMA」は、サイバーエージェントとテレビ朝日による共同出資会社「ABEMA」が運営する動画配信サービスです。ニュース専門チャンネルやオリジナルのドラマ、バラエティ、人気のアニメやスポーツ、将棋などといったさまざまなジャンルのチャンネルを数多く配信しています。
ABEMAでコネクテッドTV広告を配信するメリットの1つとして、ABEMAと連携しているモバイルマーケティング分析プラットフォームで広告効果を計測できることが挙げられます。特定の分野に興味がある視聴者に向けた広告を配信し、その効果を適切に分析してマーケティングに活用したい企業におすすめです。
YouTube
「YouTube」は、世界最大級の動画投稿・共有サービスの1つです。パソコンやスマートフォンなどでも利用できますが、近年では高画質な映像を大画面で楽しめるコネクテッドTVでの視聴が大幅に増えています。
YouTubeを日常的に視聴するユーザーは非常に多く、日本では月間2,000万人以上がコネクテッドTV上でYouTubeを視聴しています(2021年3月時点)。家族や友人と一緒に視聴する機会も増えているため、「既存サービスの新機能」「商品やサービスのキャンペーン」など、会話がはずみやすい内容の広告配信がおすすめです。
また、YouTubeには語学や資格の講座動画やフィットネス動画など、ほかの媒体にはあまり見られないジャンルの動画も多く見られます。細かくターゲティングして広告配信を行いたい場合にもおすすめです。
急成長中のコネクテッドTV広告 まとめ
コネクテッドTVはインターネットに接続されたテレビのことであり、近年急速に普及が進む注目のデバイスです。
コネクテッドTV広告を配信できる媒体はいくつか存在しますが、民放5系列の地上波リアルタイム配信を2022年4月に開始したTVerが特に話題を集めています。スマートフォンなどコネクテッドTV以外での視聴機会やユーザー情報の蓄積も増えると考えられることから、より効果の高い広告配信に活用できるでしょう。
TVer以外にもコネクテッド広告を配信できる媒体は無数にあり、今回紹介していない媒体ももちろん存在しています。無数の媒体の中から、自社の目的に合わせて最適な媒体を選ぶのは、非常に難易度が高いでしょう。
コネクテッドTV広告を成功させるためには、プロに相談することも大切です。コネクテッドTV広告に興味がある方、自社に最適な広告媒体でお悩みの方は、ぜひ株式会社アイビスにお問い合わせください。
お気軽にお問い合わせください。