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バナー広告は、テレビCMは看板広告などと違い、クリックしてもらうことで初めて効果を発揮します。
クリック率の低いバナー広告は、広告としての価値が低く、掲載していても意味がありません。
もし、あなたの作ったバナー広告のクリック率が低い場合、バナーデザインや訴求内容を考え直す必要があります。広告効果を高めるバナーデザインが制作できれば、ユーザーの潜在的なニーズをくみ取り、大きな広告効果を生み出すでしょう。
今回は、広告効果を高めるバナーデザインのポイントと題して、バナーデザインに欠かせないポイントを紹介していきます。
- 用語について
- ディスプレイ広告とは、静止画、動画、テキストなどからなるディスプレイ広告枠に表示される広告を指します。
- バナー広告とは、ディスプレイ広告のうち、静止画の広告クリエイティブで掲載される種類の広告を指します。
画像:電通
その中でもディスプレイ広告は、Webにおいて一般的に使われており、コンバージョンの獲得から認知拡大まで、幅広い目的で利用されています。
電通調査によると、2018年のインターネット広告費のうち、検索連動型広告とディスプレイ広告で80%近くを占めています。
検索連動型広告は、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、検索結果に表示される広告です。ユーザーのニーズを汲み取ったサイトを表示させることでクリックしてもらいます。
一方、ディスプレイ広告は、バナー広告をはじめ画像、動画、テキストなどで訴求する広告です。興味関心や掲載するWebサイトのコンテンツでセグメントを行い、ユーザーの潜在的なニーズを満たした広告を表示しクリックしてもらいます。
この中でも、バナー広告はWebサイト上で効果が高く、今ではあらゆるサイトに使用されている広告です。
ただ、現代のユーザーはバナー広告を見慣れているため、優れたバナーデザインでないとスルーされてしまいます。
そこで、広告効果を高めるバナーデザインのポイントを知っておけば、思わずクリックしたくなるバナー広告が作成できます。一般的には参考バナーを探すと思いますが、ここではより本質的に「効果的なバナーデザインとは何か?」をテーマにしたいと思います。
現在、バナー広告の効果がないと悩んでいる方の多くが、優れたバナー広告を作るポイントを知りません。本記事を参考にしてバナーデザインのポイントを理解してください。
バナー広告と動画広告との違いは?
バナーデザインのポイントを知る前に気になるのが、ここ数年で利用が広がっている動画広告です。
静的なバナー広告に対して、動的な動画広告はユーザーの目に止まります。ここで、バナー広告と動画広告の違いを知っておきましょう。
バナー広告のメリット・デメリット
- メリット:制作費が安い。CTRなどを元にPDCAが回せる
- デメリット:デザインが悪いと訴求効果がない、総合的なデザイン力が必要
バナー広告のメリットは制作費の安さです。画像や文章を用意し、デザインソフトで加工するだけすぐに作れます。また、作ったバナー広告は、CTR(クリック率)などのデータを元にしてPDCAが回せます。素早く効果の検証できるため広告効果の改善も容易です。
バナー広告のデメリットは、デザインに関する部分。優れたバナー広告を作るためには、デザイン力が必要です。画像やフォントなど総合的なデザイン力が問われます。ただ、このデメリットは、本記事で紹介するデザインのポイントを押さえておけば改善できる部分です。
動画広告のメリット・デメリット
- メリット:バナー広告よりも動的で目に止まりやすい
- デメリット:制作費が高い、ユーザー環境に左右される
動画広告のメリットは目に止まりやすことと、伝えられる情報量が多いことです。不特定多数に広告を流すCMとは違って、動画広告はさまざまな条件にあったユーザーに流せます。そのため、ユーザーのニーズを捉えやすく効果が期待しやすいです。
動画広告のデメリットは制作費が高い点。当たり前ですが、動画を撮影するため機材が必要になります。また、動画広告は冒頭が勝負になるので、広告動画の制作に知識のあるスタッフがいなければいけません。専門スタッフがいなければ、制作会社などスキルを持った第三者に依頼する必要があり、ある程度の費用が発生します。
さらに、動画を見てくれるユーザーの環境によって写り方が変わることも覚えておきましょう。画面の小さいスマホの場合は、動画の見え方が変わります。
画像:ジャストシステム
また、動画広告で注意すべきポイントとして、上記のジャストシステムによる「バナー広告と動画広告の不快感」の調査結果があります。
調査結果によると、「動画広告より、バナー広告に不快感を持った」人は10.9%、「どちらも同じくらい不快だった」人は31.9%、「バナー広告より、動画広告に不快感を持った」人は18.7%という結果になっています。つまり、バナー広告よりも動画広告に不快感を覚えるユーザーが多いということです。
これは、動画広告の目を惹きやすい、情報量が多いといった特徴のネガティブな側面です。インパクトが強いからこそ、伝え方を間違えるとブランドイメージに悪影響を及ぼします。
以上の点から、市場や戦略にもよりますが、動画広告よりもバナー広告の方がコスト面、効果面で優れているといえます。
特に、Web広告の経験が少なく、「動画広告もバナー広告もはじめて検討している」という場合、まずはバナー広告から始めることをお勧めします。
広告効果を高めるバナーデザインのポイントは?
それでは、広告効果を高めるバナーデザインのポイントを見ていきましょう。どれもすぐに実践できるものばかりです。これから作る方も、すでに作ったことがある方も参考にしてください。
ポイント①ユーザーの視線を考える
私たちは、左から右へ文字を読み進める文化圏に生きています。多くの方が無意識のうちに、この流れで視線を動かします。そして、この視線の流れを利用したクリエイティブ制作手法が「Zの法則」です。
”Z”という文字のように左から右へ、上から下へ視線が移動します。バナーデザインでも、Zの法則を利用し、視線の流れの順に重要度の高いコンテンツを配置してください。
例えば、何かのサービスの登録してもらいたい場合は、コピーを左上に、イメージさせる画像は左下、価格は右下に置くことで、Zの流れを生み出します。
ポイント②文字の可読性を高める
バナー広告では、一瞬で相手に情報を伝えなければいけません。特に、広告効果を左右するのが文字です。バナー広告において文章は読ませるものではなく、見てもらうものです。
ユーザーが読みづらいと感じた時点で広告効果は低くなります。「読む」よりも直感的に、「見た」瞬間に伝わるテキストと文字のデザインを意識しましょう。
- メリットを端的に伝えられる文量か?
- フォントの位置は見やすいか?
- フォントのジャンプ率は適切か?
- ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字の配分は適切か?
- デザインにあったフォントを利用しているか?(ゴシック体、明朝体など)
※ジャンプ率:文字のフォントサイズの比率。ジャンプ率が高いと訴求内容が明確でインパクトを出しやすいが、安っぽさなどのイメージにもつながる。ジャンプ率が低いと繊細で高級なイメージを与えることができるが、インパクトが弱くなりやすい。
バナー広告において、上記のようなポイントを守ると可読性が高くなります。一瞬で情報が把握できるのか?何度も検証したうえでバナー広告を作りましょう。
ポイント③画像は見やすくわかりやすいものを使う
広告効果のないバナーデザインにありがちなのが、利用する画像を軽視していることです。画像の画質が悪いと、内容をすぐに把握できません。現代では、パソコンだけでなくスマホで閲覧する方が多いので、画質によってはより見えづらくなります。
バナーデザインに使う画像はできるだけ高画質なものにしましょう。また、画像に文字が被らないように意識するとより効果的です。被せる場合は、余白など影響のない部分に限定してください。
ユーザーは広告ではなく、別のコンテンツが目的でWebサイトを訪れています。スマートフォンをスクロールしていて、パッと目に入ったとき、ユーザーの指が止まるかどうかはほとんど画像で決まります。
>ポイント④訴求テーマを1つに絞る
広告効果のないバナー広告は、訴求内容が多すぎることがよくあります。訴求テーマをひとつに絞れていないと、ユーザーが何を受け取っていいのか迷ってしまいます。優れたバナー広告はひとつの訴求テーマのみです。
まずは、バナー広告で何を伝えたいのか、訴求テーマをひとつにまとめてください。そのためには、バナー広告の企画段階から練り直す必要があります。
その商品の強みは何でしょか。値段であれば値段を、何か特定の機能であれば、その機能を、利用者数が多い信頼性の高さであれば、信頼性を伝えましょう。
価格と機能を1つのバナーで伝えると、相当考えつくされたデザインでないと、どちらもユーザーには伝わらないでしょう。
>ポイント⑤ランディングページとの親和性を持つ
バナー広告をクリックすると、ランディングページに移動します。この際に、バナー広告とランディングページのデザインイメージが乖離していると、流用してきたユーザーが離脱する可能性があります。そのため、バナー広告とランディングページは親和性を持つデザインとなるよう心がけましょう。
- バナー広告とランディングページは同じ画像や色を使う
- バナー広告の内容と近い内容のランディングページを用意する
上記の2点を意識してバナー広告を作ってください。ランディングページとイメージが乖離しないように注意しましょう。
>ポイント⑥ジャンルによって特徴を加える
基本的なデザインは、すべてのバナー広告に共通しています。ただ、ジャンルによっては、応用的なデザインを取り入れることで、広告効果をアップさせることが可能です。
例えば、食品や旅行といったジャンルなら、文字よりも画像を際立たせると効果的です。ほかにも、キャンペーンの訴求や価格優位性のあるサービスなら数字を強調しましょう。ジャンルによって求められている需要をよく考えたうえで特徴を加えてください。
バナーデザインでこうした応用ができるようになると、より高い広告効果を生み出すことができます。
>ポイント⑦優れたデザインを参考にする
デザイン上達の近道は、優れたデザインを参考にすること。普段、Webサイト上で見かける優れたバナーデザインは参考になる部分が多いです。そこで、バナーデザインをまとめたサイトを見てみましょう。
例えば、”retrobanner”というサイトでは、バナーのサイズやジャンルから検索できます。自社には、どのようなバナーデザインが適しているのか理解できるので、サイトを参考にバナーデザインを作ってください。
広告効果を高めるバナーデザインのポイントまとめ
今回は、広告効果を高めるバナーデザインのポイントを紹介しました。
Web広告では、効果測定が可能、細かなターゲティングが可能といった特徴に目が行ってしまい、広告クリエイティブ(バナーやランディングページ)を軽視しがちです。
しかし、広告の役目はあくまでも、確度が高いであろうユーザー層に広告を届けることです。実際にクリックされるか、コンバージョンするかは、広告クリエイティブに大きく左右されます。
広告効果を高めるためには、バナーデザインのポイントを覚えておきましょう。本記事で紹介したポイントを押さえておくだけで、優れたバナーデザインが制作できます。
バナー広告は、低コストで効果の高い広告です。ポイントを押さえて制作した後は、PDCAを回して効果の検証を行ってください。何度も改善を行うことで優れたバナー広告が完成します。ぜひ、本記事を参考に優れたバナー広告を作りましょう。