【新型コロナウイルス危機におけるマーケティング戦略】動画マーケティングの活用が肝に

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【新型コロナウイルス期のマーケティング戦略第一弾】動画マーケティング

新型コロナウイルスの感染拡大により、様々な経済活動の自粛が求められています。そんな中、企業のマーケティング活動にも大きな影響が出ています。
実店舗で集客できる状況じゃない、そもそも営業できないという場合もあれば、新型コロナウイルスによる臨時業務の発生でマーケティング施策にまで手が回らないということもあると思います。

しかし、こんな状況でも、企業活動を完全に止めることはできません。既存顧客を維持し、新規顧客を獲得し、新型コロナウイルスによる経営被害を少しでも小さくする、新型コロナウイルスが落ち着いた後、速やかに業績を回復させることが求められています。

そこでGrabでは、「新型コロナウイルス危機におけるマーケティング戦略」と題して、こうした状況でも、こうした状況だからこそ取り組むべきマーケティング戦略を紹介します。

第一弾は「動画マーケティング」です。

なぜ「動画マーケティング」なのか

【後述】Audiは新型コロナウイルスの影響を受け、ユニークなブランディングメッセージ動画を公開

世界的に広がり、もはや業種・業態を問わず無関係では入れない新型コロナウイルス。飲食店などの営業自粛のように直接的な影響がなくとも、テレワークの導入、打ち合わせの中止など、間接的な影響は少なからず感じていると思います。
事実、多くの業界で展示会やイベントが中止・延期されています。展示会やイベントは中小企業にとって重要な引き合い獲得の機会なので、かなりの痛手になっていると思います。
また、数か月前まで当たり前だった外勤営業、対面の打ち合わせもほとんどなくなりました。営業担当者は大幅な戦略の切り替えを迫られていると思います。

この自粛モードがいつまで続くかは分かりません。緊急事態宣言の期限である5月6日という見方もありますが、おそらくそれ以降も自粛モードは続くでしょう。
いずれにせよ、これを機に対面、現場で行われていた企業活動の多くはあり方が変わるはずです。

そんな中、活用が進んでいるのが動画を使ったマーケティング活動です。

動画では対面と変わらない情報量を伝えることができる

動画では対面と変わらない情報量を伝えることができる
動画の最大の魅力は、情報量です。メールや電話、チャット、資料送付など顧客とのコミュニケーションには様々な方法がありますが、実際に表情や声のトーンを伝え、相手のニーズや状況によってフレキシブルに対応できる対面が最も濃いコミュニケーションの場です。
しかし、動画によるコミュニケーションも、対面とほとんど変わらない情報量を互いに伝え、フレキシブルに対応することができます。

ZoomやSkypeなど、動画を使ったコミュニケーションツールはいろいろありますが、いずれにせよ画質、音質が良く、遅延もほとんどありません。対面の打ち合わせのように、一緒に資料を見て、相手の理解度に合わせて説明を変えたり、声や表情によるコミュニケーションも可能です。慣れれば対面と同じように濃いコミュニケーションが取れます。

また、最新の技術をつかって3D動画やインタラクティブな動画コンテンツを使い、対面の打ち合わせや実際に商品を触れるイベントや展示会よりもさらに深く、ユニークな情報を届けることも難しくなくなってきています。

外出自粛により動画に触れる時間が増えている

今、動画マーケティングに取り組むべき理由として、新型コロナウイルスの影響で動画に触れる時間が増えているということが挙げられます。
これによりオフィスでは音を出して再生しにくい動画コンテンツですが、テレワークが増え自宅PCで仕事をする人が増えたことで、動画による商品説明やウェビナーへの参加も活発になっています。また、週末や夜、外に遊びに行くことができないため、自宅で動画を見て過ごすという人も増えています。
動画配信サービスのいくつかは、新型コロナウイルスが広がるとともにサーバー負荷が増え、対応に追われたところも多かったようです。ネットフリックスやYouTubeも、デフォルトの再生画質を制限するなどにより、急激な動画視聴時間の上昇に対応しています。

対面での飲み会が開けないため、オンライン飲み会を行う人も増えており、社会全体で動画がより身近なものになったといえるでしょう。
これまで、動画マーケティングは比較的予算を多く持っていてマーケティングに力を入れている企業が行うものでしたが、これからは動画がコンテンツの基本になり、マーケティングも動画を軸にしたものが当たり前になってきます。

電話やメール、PowerPointで商材を説明する機会も減り、今後は商材説明動画を使う機会が増えるでしょう。人が動画コンテンツに触れる時間が増えたことで、動画マーケティングの価値が高まっています。

企業の動画マーケティング手法

それでは、動画を使ったマーケティング手法にはどんなものがあるかそれぞれ事例とともに見ていきましょう。

オンライン商談やWeb会議

動画マーケティングで、おそらく多くの企業が取り入れているものが、オンライン商談やWeb会議です。弊社では以前から一部の商談をZoom等で行っていましたが、テレワークに切り替わったことでほとんどすべての商談をオンラインで行っています。

オンライン商談はうまく使いこなせば、訪問・対面の商談よりも有効です。オンライン商談には、画面共有、打ち合わせの録画、資料の送付など、様々な機能があります。これをうまく使えば、これまでの商談よりはるかに密度の高い商談ができます。
対面であればあらかじめ用意した資料を使って商談するしかありませんが、オンライン商談であれば必要な資料を都度共有することができます。ヒアリングの結果、用意してきた資料とは違う資料が必要になったという経験は誰にでもあると思いますが、オンライン商談であれば問題なく対応できます。議事録に関しても、商談内容を録画しておけば抜け漏れなく記録することができます。
また、商談中に自分では対応できない話になり「持ち帰ります」となることも少なくありませんが、必要に応じて別の担当者をオンライン商談に招くこともできます。

さらに交通費や交通時間がかからないなど、オンライン商談には様々な利点があるため、新型コロナウイルスの危機が去った後も、主要な商談手法となることは間違いないでしょう。

自粛モードによって営業先がなくなったという営業担当者も少なくないと思いますが、多くの企業は事業を停止しているわけではありません。適切な提案であればオンライン商談を通じて新規顧客を獲得することも、既存顧客との関係を深めることもできます。

オンライン商談、Web会議に向いているツールは数多くありますが、一番のお勧めはZoomです。セキュリティに懸念があるとの意見もありますが、仕様を把握しパスワード設定などをきちんと行えば多くの場合問題ありません。

弊社では現在、ウェブ相談会を行っています。Zoomの使い方に関する相談でも構いません。お気軽にご参加ください。

イベント・セミナーの開催

イベントや展示会、セミナーは自社の魅力を発信し、新規顧客を獲得する重要な機会ですが、現在ほとんどが自粛しています。また、入社説明会や入社式、面接なども自粛されています。
しかし、これらもすべて動画マーケティングで解決することができます。

美容メーカーのセブンビューティーは、新型コロナウイルスの影響により中止となった「ビューティーワールドジャパン」「東京ネイルフォーラム」の代わりに、オンライン展示会「7BEAUTYオンライン展示会」の開催を発表しました。

アプリ開発などを行うISAOは、入社式をZoomで行いました。

弊社でも、いつも弊社オフィスで開催しているセミナーをウェビナーに変えて実施予定です。いつものセミナーと異なり、参加人数の制限もないため多くの申し込みをいただきました。

対面、現場でないと伝えられないものがあることは事実です。しかし、Zoomなどを使い動画コンテンツを活用することで十分にメッセージを伝えることができます。また、オンライン商談と同様に、動画コンテンツだからこそのメリットも数多くあります。
今、ほとんどのイベントやセミナーが自粛されているため、中止するか、オンラインで開催するかの選択が必要です。多くの場合、完全ではないにせよオンラインで開催できるはずです。

現在、オンラインイベントやウェビナーを開催する方法を教えるウェビナーも多く開催されています。また、それらをサポートするサービスも多く登場しているので、ぜひ調べて、ただ中止にするのではなく、前向きな動きに変えていきましょう。

来店・参加の代わりとなる体験を提供

実店舗や現場で提供するエンターテインメントの多くが休業要請の対象になっています。そうでなくても、客数の減少は避けられないでしょう。
しかし、動画をうまく活用すれば、来店・来場と同じレベルの体験を届けることができます。

札幌市円山動物園は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため臨時休園を発表しました。休園するということは売上はゼロ、しかし動物の世話などのコストはかかり続けます。そんな中求められるのは、再び営業した際、より多くのお客様に足を運んでもらうこと。休業中にもファンに忘れられないことです。
そこで、円山動物園は休園中の動物たちの様子を「今日の円山動物園」というコンテンツで届けることにしました。
休園中にも動物の様子を届けることで、既存顧客のへアピールはもちろん、新規顧客にも動物園の楽しさを伝えることに成功しています。

フィットネスプログラムを提供するコードブックは、テレワークの導入や外出自粛による運動不足解消、免疫力向上のためのコンテンツ「免疫力向上フィットネスプログラム」を無償提供開始しました。

動物園もフィットネス業界も、新型コロナウイルスの影響をダイレクトに受けている業界です。売上がゼロになった企業も少なくないでしょう。そんな中でも、顧客に届けられることを考え、前向きに動画マーケティングに取り組んでいる例です。

また、音楽業界ではレディ・ガガが、WHOとグローバル・シチズンとタッグを組み、新型コロナウイルスと闘う人々を支援するためのオンラインチャリティコンサート「One World:Together at Home(世界はひとつ:お家で一緒に)」の開催を発表しました。

現在、人が集まるタイプのビジネスモデルは崩壊してしまったかのように見えます。しかし、動画コンテンツをうまく活用することで、より多くの顧客・ファン獲得に成功している例も数多くあります。

商材説明

商談時の商材説明や顧客サポートでも、動画は効果的です。印刷した資料や実際のものを届けられない分、動画で商材説明を行う動きが急速に増えています。
Kaizen Platformは、新型コロナウイルスの影響拡大を受け、営業活動のリモート化を支援するため、1本8万円〜で営業資料を動画化する「営業資料の動画化キャンペーン」を2020年4月1日〜5月31日まで実施することを発表しました。すでにある営業資料(提案資料や導入事例など)を動画化できるためハードルが低くなりました。
Kaizen Platform以外にも、簡潔な動画を安く、早く作成するサービスは数多く登場しています。これまでPowerPointやPDFが基本だった営業資料も、徐々に動画に置き換えられていくでしょう。

営業資料などを動画にするメリットは、大きく2つあります。1つはテキストだけでなく画像やアニメーション、音などを組み合わせることで、短時間でもわかりやすい商材説明ができることです。従来の営業資料のほとんどは、資料を見えたうえで営業が口頭でフォローアップすることが前提に作られていると思います。しかし、動画にすることで、フォローアップしなくても深い商材理解が得られます。
もう1つは、営業によるフォローアップが不要になることで、提案の品質が揃うということです。少なくとも顧客に商材を説明するという点において、営業スキルに左右されなくなります。

こうしたメリットから、商談における商材説明を短時間で、高い品質で行い、営業はWeb会議の中でヒアリングなどより重要なタスクに専念できます。

対面営業が基本だった営業担当者にとって、オンライン商談は難しく感じるかもしれません。しかし、動画による商材説明や事例紹介などをうまく活用すれば、対面よりも効率的に商談を進められるようになるでしょう。

動画広告・動画コンテンツによるブランディング

続いては、動画コンテンツを使った動画広告、ブランディングを紹介します。動画広告のメイン媒体はYouTubeですが、外出自粛によりYouTubeの閲覧者が増え、広告接触機会が大幅に増えています。弊社の事例でもYouTubeの平均広告視聴単価が下がり、表示回数、視聴回数が増えたものがあります。
YouTubeをはじめとする動画コンテンツを使ったブランディング広告を行うなら、今が最適なタイミングかもしれません。自粛モードのため、実際の行動には繋がりにくいでしょう。しかし、普段YouTubeをそこまで見ない人もYouTubeを見る時間が増えているため、認知を広げるという意味では効果的なタイミングです。

動画コンテンツを使った取り組みとして、ディズニーは「アナと雪の女王」に登場するキャラクター「オラフ」が主役の動画シリーズ「At Home With Olaf」を公開しています。また、Web会議用背景画像として、トイ・ストーリーなど人気映画の素材を無料で提供しています。
ディズニーランドが休園となり、映画館も自粛する中、より積極的なブランディング戦略をとっています。

ユニークな例では、フォルクスワーゲンとその傘下アウディのPR動画があります。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、日本では「3密=密閉・密集・密接」を避けるように言われていますが、海外では「Social Distance」社会的距離を保つことが呼びかけられています。
これを受けてフォルクスワーゲンとアウディはユニークな方法でソーシャルディスタンスをアピールしました。
フォルクスワーゲンは「肩を組んで困難に立ち向かってきた。」等のメッセージが流れ、最後にはロゴマークのデザインが離れていきます。
アウディの4つの丸が重なり合ったロゴも、互いに離れ「離れて、いっしょにいよう。」とアピールしています。

もう一つ、新型コロナウイルスで甚大な影響を受けているホテル業界の事例を紹介します。ホテル予約サイトのHotels.comは、旅行に行っている場合ではないので家にいようというメッセージのCMを打ち出しました。
この時期、ホテルが集客目的に広告を出すのは様々な観点からお勧めできません。しかし、こうした時期こそ、集客目的ではないメッセージ広告が響きます。新型コロナウイルスの脅威が去った後に選ばれるのは、今も何とか集客しようと必死になっているホテルか、社会的に適切なメッセージを打ち出しているホテルか、答えは明らかだと思います。

他にも、新型コロナウイルスの影響を受け、様々な企業が積極的なブランディングに取り組んでいます。世界的危機において、業績が悪化するのは企業の大小や業界を問わず同じことだと思います。
そんな中で、アフターコロナを見据え積極的なブランディングに取り組むことの重要性が高まっています。新型コロナウイルスの危機もいつまで続くかわかりませんが、永遠には続かないでしょう。アフターコロナを見据えた、動画ブランディングへの取り組みを検討してみてください。

新型コロナウイルス危機におけるマーケティング戦略【動画マーケティング】

今回は、「新型コロナウイルス危機におけるマーケティング戦略」の第一弾として、動画を使ったマーケティング戦略を紹介しました。
数年前から動画マーケティングが注目されてきましたが、新型コロナウイルスの影響によりさらに注目度が高まっています。
動画活用の有無は企業活動の継続や企業の成長に直結する重要な要素になるでしょう。

次回は、MA・CRM戦略の重要性をテーマに取り上げます。
新型コロナウイルスの影響で対面での打ち合わせや外勤営業ができなくなりました。顧客との距離が開いてしまうことは間違いないでしょう。そんな中でも既存顧客との関係を深め、新規顧客を獲得するにはMAやCRMといったマーケティングプラットフォームの活用が欠かせません。