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月間利用者数3,300万人を超えるInstagram。Instagram広告やInstagramショッピングなど、ビジネス向けの機能も多く、特にBtoCにおいては欠かせない顧客創出プラットフォームです。
インフルエンサーマーケティングの場としても注目を集めていますね。
今回は、Instagramをビジネスに活用するなら必ず抑えておきたい解析機能「Instagramインサイト」の使い方や活用方法を紹介します。
自身でInstagramアカウントを運用している場合はもちろん、インフルエンサーマーケティングの効果測定などでも重要になるので、ぜひマスターしてください。
Instagramインサイトとは
Instagramインサイトとは、Instagramに搭載されたアクセス解析機能です。WebサイトならGoogleアナリティクス、TwitterならTwitterアナリティクスがあり、それぞれ効果的に運用する上で欠かせないツールです。
Instagramインサイトも同じく、フォロワーの性別や年齢層、投稿のリーチ数など、運用に必要な様々な数値を確認することができます。Instagramを活用していきたいとお考えの方はインサイトを使って分析してみましょう。
Instagramインサイトを見るには
Instagramインサイトを使うには、アカウントを「プロアカウント(旧:ビジネスプロフィール)」に切り替える必要があります。プロアカウントに切り替えると、通常アカウントにはない機能が使えるようになります。アクセス解析ツールのInstagramインサイトもその一つですが、Instagram広告やInstagramショッピングなども、プロアカウントに切り替えることで使えるようになります。
まだ切り替えていない方は次の手順でプロアカウントにしておきましょう。
プロアカウントに切り替えるにはInstagramのプロフィール画面の「プロフィールを編集」をタップしてからプロフィール編集項目の下に「プロアカウントに切り替える」をタップします。
するとカテゴリを選択する項目が出てくるので、自身のビジネスに合ったものを選択しましょう。「科学者」「教師」「庭師」といった職業系、「ネイルサロン」「クレープ店」「焼き鳥屋」などお店系、「コンサルティング会社」「テレビ局」など企業系、「動物園」「幼稚園」「キャンプ場」など施設系など、意外と細かな項目が用意されています。
カテゴリを選んだら次に「ビジネス」か「クリエイター」を選択します。厳密には機能が変わりますが、ほとんど違いはありません。ビジネスとしてInstagramを使うならビジネスを選択しましょう。
続いて連絡先情報を設定します。この情報はあとからでも変更できますし、プロフィール上では非公開にすることもできます。
そのあとに、Facebookページとの連携を行います。Facebookページと連動すると本格的に広告を運用する際や、Facebookページと併用して運用する場合は効率的です。既にページがある場合は連携させておきましょう。ない場合はスキップしてそのまま進めることもできます。
これでプロアカウントへの切り替えが完了しました。プロフィール画面を見ると、通常アカウントの時にはなかった「広告」「インサイト」というボタンが表示されているはずです。
それでは、本題であるInstagramインサイトでできることを見ていきましょう。
今回紹介するInstagramインサイト以外にも、プロアカウントにはいろいろな機能が備わっているので、ぜひ色々設定してみてください。
尚、プロアカウントに切り替えても、PCからインサイトなどの機能を使うことはできません。スマートフォンアプリから操作する必要があります。
Instagram運用で重要な3つの力
Instagramインサイトを見る前に、Instagramの解析の基本的な考え方を知っておきましょう。Instagramの解析と運用はWebサイトの解析、運用とは全く違います。
ここでは、Instagramの成果を測る3つの力を紹介します。
1.閲覧力
閲覧力とは、単純にどれだけ多くの人に投稿を見てもらえたのかを指します。リーチ数やインプレッション数といった指標で測ります。
Instagramでは、何はともあれ投稿を見てもらえなければ意味がありません。投稿した後はその投稿がどれくらい閲覧されたのかを細かく確認し、アカウントの閲覧力を上げていきましょう。
特に運用初期では、閲覧力にフォーカスし、「どんな写真、ハッシュタグ、時間帯の閲覧力が強いのか」を考えることが大切です。
2.反応力
反応力とは、いいねやコメントなど投稿に対するリアクションの数です。保存やシェア・メンション・タグ付けなどをカウントする場合もあります。
Instagramを始め、SNSマーケティングで重要なことは、見込み顧客から小さな反応を得ることです。
いいねが売上につながるのか、最初はピンと来ないと思いますが、こうした小さな反応を繰り返し得ることで見込み顧客との関係が深まり、売上に繋がっていきます。
反応力は、単純な反応である「いいね」、投稿の価値や共感の証拠である「保存」「シェア」、より能動的なコミュニケーションである「コメント」「DM」「メンション」などに分けて考えることも重要です。
例えいいねが少なくても、保存が多い投稿は一部の層に受け入れられた、価値を感じてもらえたと考えられます。どの指標を重視するかはアカウントの運用フェーズや投稿の目的によって変わります。単に「いいねが少なかったからあまりいい投稿ではなかった」と考えないようにしましょう。
3.誘導力
誘導力とは、Webサイトやショッピングサイトなど、コミュニケーションの場であるSNSから、ビジネスの場にどれだけ誘致できたかを示します。
フォロワー1万人を超えたらストーリーズにリンクを貼ることができますが、それまではプロフィールURLから誘導するしかありません。そのため、その前段階の指標として「プロフィールへのアクセス数」を重視しましょう。投稿を見てプロフィールにアクセスしたということは、より多くの情報を知りたいと思ったということです。プロフィール情報を工夫し、そうしたユーザーをWebサイトに誘致しましょう。
ECサイトを展開しているなら、Instagramショッピングを取り入れ、ショッピングタグを活用することもできます。
Instagramインサイトを確認するときは、漫然と数字を眺めるのではなく、3つの力について考えましょう。運用初期であれば閲覧力がまだ足りていないでしょう。その段階で誘導力を重視すると苦しくなります。
閲覧力がついたら、反応力を高める必要があります。このとき、単純な数ではなく、質に注目してください。いいねが100件でコメントが1件の投稿と、いいねが20件でコメントが5件、保存が3件の投稿であれば、後者のほうが有益である可能性があります。
また、閲覧力と反応力をセットで考える、つまり反応率で考えることも大切です。Instagramインサイトにはインプレッションに対する「いいね率」「コメント率」「保存率」といった項目はありません。
反応が悪かった投稿に対し、その投稿は「反応力が低かったのか、そもそも閲覧力が低かったのか」を知るためにも、反応率を考えることは重要です。
それでは、Instagramインサイトで解析できる内容を見ていきましょう。
Instagramインサイトで解析できること
それでは、Instagramインサイトを実際に見ていきましょう。プロフィールページの「インサイト」から閲覧することができます。
なお、今回紹介するキャプチャは2020年11月8日時点のものです。Instagramインサイトは頻繁にアップデートされるため、実際の画面とは若干違う可能性があります。
Instagramインサイトに移動すると、最近のハイライトとして概要が表示されます。ここではざっくりとした数しか確認できませんが、それぞれ詳細を見ていきましょう。
まずは、下の方にある「あなたがシェアしたコンテンツ」に移動します。右側の矢印をタップすると、過去の投稿に関する様々な指標を見ることができます。Instagramでは各投稿の成否が最も重要になるため、インサイトの中でも一番頻繁に確認する場所です。
移動すると、過去の投稿が「リーチ」が多い順に並んでいます。「リーチ」とは、その投稿を見たユーザー数です。インプレッション数と違い、1人が数回見てもリーチ数は1となります。
画面上部にある項目を変更すると、写真投稿だけ、動画投稿だけなどに絞ったデータも確認できます。
また、画像にあるようにリーチ以外の指標を選択して確認することもできます。すでに紹介した「閲覧力」「反応力」「誘導力」に分けて、各指標を見てみましょう。
続いて、インサイトの概要から「リーチしたアカウントの数」に移動してみましょう。ここでは、アカウント全体でどの程度閲覧力があるか、ざっくりとした指標を知ることができます。
前の期間と比較してインプレッションやプロフィールへのアクセス、Webサイトのタップ数などがどのように変化しているかも知ることができます。
「コンテンツでのインタラクション」でも似たような指標を確認することができますが、こちらではいいねやシェアなど、反応力を知ることができます。
続いて、概要の「合計フォロワー」のところをタップしてみましょう。ここでは、フォロワーの属性情報を確認することができます。
フォロワー全体の増減はもちろん、フォロワーの地域、年齢性別、アクティブな時間帯などを知ることができます。
アカウント全体の方向性を考える重要な指標なので、ここも定期的に確認しておきましょう。
ここで重要なことは単純な数字ではなく変化です。例えば、21時台の30代男性が多かったのに、ここ1週間のデータでは18時台の40代男性が多くなっていたとします。こうした変化を見つけたら、投稿を見返してなぜなのか仮設を立てましょう。たとえ反応が増えていても、ターゲット層以外からの反応であれば、方向性を考え直す必要があります。
Instagramインサイトのオーディエンスデータは現状、期間比較などができません。そのため、キャプチャを撮っておく、スプレッドシートなどにまとめておくなどが重要です。
まとめ
今回はInstagramをビジネスに活用する上で欠かせない、Instagramインサイトを紹介しました。
Googleアナリティクスなどを使っている方にとっては、見れる指標が少なく、期間や比較ができないなど、不便に感じる部分も多いでしょう。実際、Instagramに限らず、SNSのアクセス解析機能はまだまだ未熟で、効果的に活用するには工夫が必要です。
今回はその工夫の一つとして、Instagramアカウントを成長させ、ビジネス成果につなげる「閲覧力」「反応力」「誘導力」という考え方を紹介しました。
ぜひ、自身のアカウント解析を行い、自身のビジネスに最適なデータの見つけ方をマスターしていってください。
難しく思えますが、日々投稿してインサイトを確認する、ということを継続的に行っていれば、見えてくるはずです。