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Google広告は、インターネットユーザーに対して、効果的な宣伝方法の1つです。費用対効果が高く、利便性に優れています。
Google広告を出稿していると、Googleから本人確認を求められる場合があります。本人確認通知を無視すると、対象アカウントが一時停止になるなどの措置を受けるため、なるべく早い対応が必要です。
本人確認の通知が届いたときに慌てないためにも、まずはGoogle広告の本人確認の必要性を知っておきましょう。
今回は、Google広告の本人確認の概要と手続きの流れについて解説します。本人確認実施によるメリットにも触れるため、ぜひ参考にしてください。
Google広告の本人確認とは?通知が届くタイミングは?
Google広告の本人確認は、広告主に義務化されている手続きの1つです。法人・個人にかかわらず、Google広告を利用している人が対象となります。
Google広告の本人確認の主な目的は、下記の2つです。
- ユーザーへの信頼性の高い情報提供
- 広告エコシステムの円滑化
広告主が本人確認を行うことで、発信する情報の責任が明確になります。広告エコシステムとは、“ユーザーが広告をクリックする”“広告主が広告費をGoogleに支払う”“Googleはシステム維持・拡大を行う”という一連の流れです。
Google広告の本人確認は義務化されているものの、通知が届くタイミングは公表されていません。ある日突然通知が届くと、慌てしまうでしょう。心の準備をするためにも、下記を確認しておきましょう。
身元確認を行う必要があるのは誰ですか?
身元確認が必要となる広告主様にはメールで通知が届き、管理画面にも表示されます。身元確認が優先されるのは、商品やサービス、情報コンテンツ、助言提供コンテンツ、教育コンテンツ、規制産業に関わるコンテンツを宣伝している広告主様です。
Google広告の本人確認の対応期日は、通知が届いた日から30日以内です。広告主は、通知メールに記載されている期日までに手続きを行わなければなりません。対応期日までに手続きしなかった場合は、対象アカウントが一時停止となります。
Googleから本人確認を求める通知が届いたら、事前準備を済ませて所定のフォームから手続きを行いましょう。手続きに必要な本人確認書類は、法人・個人によって異なるため注意が必要です。
Google広告の本人確認手続きに必要となるもの
Google広告の本人確認手続きには、2つの管理者権限と本人確認書類が必要です。2つの管理者権限がある場合は、手続きをスムーズに進められます。しかし、権限がなければ、権限取得の手続きをしなければなりません。
ここでは、Google広告の本人確認手続きに必要となる管理者権限と本人確認書類について、具体的に解説します。
2つの管理者権限
Google広告の本人確認手続きを進めるには、まず正式な代表者を設定しなければなりません。正式な代表者は、下記の管理者権限を持つ人です。
アカウント管理者権限
アカウントへのアクセス権限は、メール専用・お支払い情報専用・読み取り専用・標準・管理者の5つです。5つのアクセス権限の中で、管理者権限を持つ人のみ正式な代表者として認められます。アカウント管理者は、Google広告の設定画面にある“アクセスとセキュリティ”“アクセス権限”から確認できます。
お支払いプロファイルの管理者権限
お支払いプロファイルとは、Google広告にかかる広告費のお支払いに関わる情報です。
例えば、プロファイルの管理責任者の名前・Google広告で使用したお支払い方法・取引に関する情報などが含まれます。お支払いプロファイルの管理者は、お支払いプロファイルの操作を行う“お支払いサービスのユーザー”の中で、管理者権限を持つ人を示します。
2019年7月31日に実施された仕様変更よりも前に作成された旧式アカウントは、お支払いプロファイルの権限移行ができません。本人確認手続きを行う人とお支払いプロファイルの管理者権限を持つ人が異なる場合は、手続きに進めないため、Googleに依頼してお支払いプロファイルのアップデートが必要です。アップデートは、Googleのお問い合わせフォームから依頼できます。
本人確認書類
Google広告の本人確認手続きには、身分確認ができる登録書類などの提出が必須です。ただし、法人・個人によって提出が必要な書類は異なります。
Google広告の本人確認手続きで提出が認められる書類は、下記の通りです。
法人 |
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個人 |
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本人確認書類は、PDF形式で用意しておきましょう。
法人の場合は、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のPDFを税務署からの書類の抜粋として提出できます。登記簿謄本はオンライン請求ができるため、スピーディーな手続きが可能です。
【インハウス・代理店】Google広告の本人確認手続きの流れ
Google広告の本人確認手続きの流れは、広告主と広告費を支払う人の関係性によって手順が異なります。広告主と広告費を支払う人の関係性は、下記の通りです。
インハウス |
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代理店へ依頼 |
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インハウスの場合、広告主が運用と広告費の支払いを行っているため、広告主が本人確認を行います。会社の代表者または運用担当者が手続きを行うことが一般的です。
代理店へ依頼していて代理店がお支払いプロファイルを所有している場合、代理店の代表者が本人確認手続きを行います。広告主がお支払いプロファイルを所有している場合は、広告主側で手続きを行わなければなりません。ただし、代理店がアカウントの管理者権限とお支払いプロファイルの管理者権限を持つことで、代理店の運用担当者による手続きも可能です。
ここからは、インハウス・代理店それぞれのGoogle広告の本人確認手続きの流れについて解説します。
インハウスでGoogle広告を配信している場合
インハウスでGoogle広告を配信している場合は、下記の流れで本人確認手続きを進めましょう。
【STEP1:管理画面の開始をクリックする】
Google広告にログインし、管理画面の料金を開いて“本人確認”を選択します。次に、本人確認画面にある開始をクリックします。
【STEP2:広告に関する同意画面の同意して続行をクリックする】
広告の透明性に関する同意について記載内容を確認し、同意して続行をクリックしましょう。同意すると、ビジネスやキャンペーンに関する広告の掲載日・連絡先などを含む情報の公開を許可したとみなされます。
【STEP3:本人確認画面の内容を入力する】
本人確認画面では、広告主の住所や法人番号などを入力します。住所はお支払いプロファイルのデータがすでに入力されているため、変更がなければそのままで問題ありません。
【STEP4:本人確認書類をアップロードする】
アップロードをクリックして本人確認書類のPDFをアップロードします。
次に、正式な代理人をクリックして情報を入力し、正式な代理人であることを証明する本人確認書類をアップロードします。
【STEP5:内容を確認してOKをクリックする】
本人確認の内容に誤りがないか内容を確認し、最後にOKをクリックして手続きを完了させましょう。
代理店にGoogle広告の配信を依頼している場合
Google広告の配信を代理店に依頼していて、お支払いプロファイルを広告主が所有している場合は、代理店と広告主がそれぞれ手続きを行います。
広告主・代理店が行う本人確認手続きの流れは、以下の通りです。
広告主の手続き
広告主が行う手続きの流れは、インハウスでGoogle広告を配信している場合と同様です。ただし、インハウスの手続きとは異なり、身元確認の内容はGoogle広告アカウントについてのみとなっています。
代理店の手続き
代理店は、本人確認の手続きとして、代理店と運用担当者の情報を入力します。Google広告アカウントのアクセス権を広告主が持っていない場合は、代理店が代わりに身元確認を行わなければなりません。
代理店にGoogle広告の配信を依頼している場合、2段階の手続きが必要となります。
そのため、インハウスに比べて手続き完了まで時間がかかることを理解しておきましょう。
Google広告の本人確認実施によるメリット
Google広告の本人確認実施による主なメリットは、下記の通りです。
- Googleからの信頼が高まる
- ユーザーから信頼されやすくなる
Google広告の本人確認に応じている広告主は、Googleからの信頼を得られます。
また、ユーザーが広告主に関する情報にアクセスできるため、ユーザーからの信頼度アップにも効果的です。
【Q&A】Google広告の本人確認に関するよくある質問
Google広告の本人確認について、疑問を抱いたり不安に感じたりする人も少なくありません。通知が届いてから期日までに対応できるように、気になることは事前に解決しておきましょう。
ここでは、Google広告の本人確認に関するよくある質問を、Q&A方式で5つ解説します。
本人確認手続きにはどれくらいの日数がかかる?
本人確認手続きにかかる日数は、インハウスか代理店へ依頼しているかによって異なります。広告主が本人確認手続きを行う場合の日数は、3〜5営業日が目安です。一方、代理店が本人確認を行う場合は、審査と承認であわせて6〜10営業日程度がかかります。
できるだけスムーズに手続きを完了させるには、広告主と広告費を支払う人の関係性を明確にしておくことが大切です。期日まで余裕を持って、必要な準備を進めておきましょう。
通知が届く前に本人確認を済ませることは可能?
Google広告の本人確認は、通知が届く前に済ませることはできません。一部の広告主に限り自発的に本人確認を行えるものの、それ以外の広告主は通知メールが届き次第手続きを行うこととなります。現時点では、通知メールが届いた広告主のみ手続きが可能です。(2022.2月現在)
本人確認が優先されるコンテンツへの通知が済み次第、その他のコンテンツにおいても順次通知が予定されています。ある日突然通知が届くため、いつでも対応できるように準備をしておきましょう。
本人確認の期日を過ぎてしまった場合はどうすれば良い?
Google広告の本人確認通知が届いているにもかかわらず、対応せずに期日を過ぎてしまった場合は、一時的にアカウントが停止され広告配信もできなくなります。しかし、期日を過ぎたからといって、二度と広告配信できなくなるわけではありません。
期日を過ぎても、しっかり本人確認を行えばアカウント利用と広告配信は再開されます。ただし、停止されている期間は宣伝ができなくなるため、期日までに手続きを完了させましょう。
広告開示情報はどこでどのように表示される?
Google広告の本人確認が完了すると、対象アカウントの広告すべてが開示対象となります。広告開示で表示される内容は、広告主の名前と登録地域です。
広告開示情報は、広告フォーマットによって表示方法が異なります。検索広告は、「広告の表示について」「この広告主について」をクリックすると表示され、ディスプレイ広告では、「AdChoices」アイコンから確認が可能です。
広告開示情報の表示で広告の配信方法やデザインに影響は出る?
広告開示情報の表示を行っても、広告の配信方法が変わることはありません。Google広告の本人確認前と同様の方法で広告配信ができます。また、Google広告のデザインに影響する心配もありません。
Googleのヘルプページや、すでに本人確認を済ませている広告をチェックして、手続き完了後の広告開示情報の表示をイメージしておきましょう。
アカウントが即座に停止される場合も!
2022年3月に本人確認プログラムとビジネスオペレーションの適格性確認プログラムが統合されます。今回の統合はGoogleユーザーを保護することを目的とし、広告に対して基準が厳しく設けられています。
今回の統合により、条件によっては即座に広告が停止されるようになるため、事前に注意が必要です。
アカウントが即座に一時停止される条件: 状況によっては、広告主様の適格性確認プログラムの開始と同時に広告主様のアカウントを一時停止させていただくことがあります。アカウントが即座に一時停止されるのは次のような場合です。
広告が Google 広告のポリシーに違反している疑いがある場合(誤解を招く表現、信頼できない文言、不明なビジネス、ビジネス名の要件、寄付金の募集、デリケートな事象、組織的な欺瞞行為など)。
広告またはビジネスの内容が原因でユーザーに物理的または金銭的な損害が生じるおそれがある場合。たとえば、不実表示を含む広告コンテンツ、金融商品やサービスの虚偽表示、許可されていないカスタマー サポート サービスを第三者の代理として提供することなどが挙げられます。
広告主様が確認手続きを回避しようとしている疑いがある場合。
広告主様の身元や広告掲載における行動が不明瞭と判定された場合。
引用:Google の広告主様の適格性確認プログラムに関する最新情報(2022 年 3 月)
上記のような場合、本人確認の通知と同時にアカウントが停止されてしまいます。宣伝活動を止めないためにも、出稿している広告の内容を見直し、本人確認通知が届いたあとは早めに対応することをおすすめします。
Google広告の本人確認は早めの対応が必須
Google広告の本人確認には、2つの管理者権限と本人確認書類が必要です。本人確認手続きの流れは、広告主と広告費を支払う人の関係性によって異なります。
Google広告の本人確認を行う最大のメリットは、Googleからの信頼を得られることです。さらに、ユーザーが広告主に関する情報にアクセスできるため、ユーザーからの信頼も高まります。Google広告の本人確認手続きをスムーズに完了できるように、手続きの流れをイメージしておきましょう。
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