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「質の高いコンテンツ」とは?4つの検索意図から考えるコンテンツ企画

Grabでは、これまでにSEO対策やインバウンドマーケティングの記事をいくつかお届けしてきました。
その中で度々伝えていることに「質の高いコンテンツ」が重要と何度もお伝えしています。

SEO対策のため、メタ情報にこだわったりサイト構造を整えたり、SNSを活用したりといったことは重要です。しかし、「質の高いコンテンツ」がなければそうした施策も効果を生みません。
インバウンドマーケティングでも同じです。高機能なMAツールを導入し活用したとしても、結局はユーザーに何を届けるか、ユーザーに何を伝えるかが重要です。

それではそもそも「質の高いコンテンツ」とはいったい何でしょうか。

「質の高いコンテンツを作れって言われても…」とピンとこない方も多いと思います。

コンテンツの質については様々な意見、考えがあり、一概に「これに当てはまっていたら質が高い」といえるものはありません。
そこで今回は、SEO対策やリスティング広告で役立つ「検索意図(インテント)」という考え方から、質の高いコンテンツについて考えてみたいと思います。

Googleが発表した4つの検索意図(インテント)

2015年6月、Googleは「4 New Moments Every Marketer Should Know(すべてのマーケターが知っておくべき新しい4つの瞬間)」というレポートを発表しました。
これは、スマートフォンの普及とともに、人々がどのような検索行動をとるのかをまとめたレポートです。
まずはこのレポートの内容を見ていきましょう。


画像:4 new moments every marketer should know

I-want-to-know moments
65% of online consumers look up more information online now versus a few years ago.
66% of smartphone users turn to their phones to look up something they saw in a TV commercial.

訳:知りたい瞬間
消費者の65%が、数年前と比較してより多くの情報をオンラインで調べています。
スマートフォンユーザーの66%がテレビコマーシャルで見たものを自分のスマートフォンで探しています。

I-want-to-go moments
2X increase in “near me” search interest in the past year.
82% of smartphone users use a search engine when looking for a local business.

訳:行きたい瞬間
過去1年間で「near me(この近く)」検索が2倍に増加しました。
スマートフォンユーザーの82%が、地元のビジネスを探すときに検索エンジンを使用しています。

I-want-to-do moments
91% of smartphone users turn to their phones for ideas while doing a task.
100M+ hours of “how-to” content have been watched on YouTube so far this year.

訳:やりたい瞬間
スマートフォンユーザーの91%がタスクを実行しながらアイデアを求めて自分のスマートフォンに目を向けます。
これまでにYouTubeで1億時間以上の「ハウツー」コンテンツが視聴されています。

I-want-to-buy moments
82% of smartphone users consult their phones while in a store deciding what to buy.
29% increase in mobile conversion rates in the past year.

訳:購入したい瞬間
スマートフォンユーザーの82%が、店舗で買い物をしているときにもスマートフォンで調べます。
過去1年間で、モバイルコンバージョン率が29%向上しました。

このレポートによると、検索ユーザーは次の4つの意図をもって検索を行っています。

  1. 何かを知りたいとき
  2. 目的の場所がどこにあるのか知りたいとき
  3. 自分で何かをやりたいとき
  4. 何かを買いたいとき

このように、ユーザーが検索するする際に検索ワードの裏にある意図や状況などを、検索意図(インテント)といいます。

検索における「質の高いコンテンツ」とは、この4つの検索意図を適切なタイミングで満たしてくれるものといってもいいでしょう。

では、実際の検索結果とともに、それぞれの検索意図に対する「質の高いコンテンツ」を見ていきましょう。

今回はこれら4つをすべて満たす一連の流れとして、「恋人へのクリスマスプレゼント」を例に見ていきます。

検索意図①:何かを知りたいとき

恋人へのクリスマスプレゼントを考えるとき、最初から相手の好みや欲しいものが明確であればいいですが、そうではない場合もあります。
そんな時、友達に聞いてみる人もいるでしょうが、多くのユーザーは「Google先生に聞いてみよう」となるのではないでしょうか。

検索クエリ:クリスマスプレゼント 恋人
検索日時:2019/01/28
デバイス:デスクトップPC
ブラウザ:Googlechrome

こちらが何かを知りたいときの検索意図「クリスマスプレゼント 恋人」の検索結果です。
意外なことに、リスティング広告は出稿されていません。

まずは上位に掲載されているページのタイトルを見てみましょう。

  • 最初のクリスマスプレゼント!初めてなら何がいい?【彼氏彼女カップル】
  • クリスマスプレゼントを彼氏彼女にあげない人いる?理由は?あげた方がいい?
  • 男が教える!彼氏が絶対喜ぶクリスマスプレゼントランキングTOP5【2018年】
  • 彼女が絶対喜ぶクリスマスプレゼント【女性の本音ランキング2018】
  • 彼氏が喜ぶクリスマスプレゼント特集2018。予算別、男性に愛が伝わるギフト

「何がいい?」「教える」「喜ぶ」といったキーワードが含まれています。「恋人」というキーワードがタイトルに含まれていませんが、これは男性女性でニーズが大きく異なるため、「彼氏」「彼女」や「旦那」「妻」といったキーワードと検索されることが一般的だからでしょう。
検索結果上位2つは彼氏彼女両方に向けたコンテンツであり、「恋人にクリスマスプレゼントをあげたいが何をあげたらいいかわからない」という検索意図を満たしています。

記事の内容も、「一般的な価格帯」や「おすすめランキング」のように、ざっくりとしたものになっています。

検索意図②:何かを買いたいとき

さて、「彼女が絶対に喜ぶクリスマスプレゼント」という記事で第2位に「ネックレス」とありました。
なのでネックレスをプレゼントしようと思います。

とはいえ、どんなネックレスが人気なのか、相場はどれくらいなのか、まったくわかりません。
そんな状態で直接お店に行くでしょうか?

多くの場合、ブランドや価格帯のイメージをつけるためにもう少し調べるでしょう。
そこで「プレゼントするネックレスのデザインや価格帯を知りたい」という検索意図をもって検索してみました。

検索クエリ:ネックレス レディース
検索日時:2019/01/28
デバイス:デスクトップPC
ブラウザ:Googlechrome

先ほどの「何かを知りたいとき」の検索結果とは見た目が大きく異なり、ショッピング広告とリスティング広告が出ています。

Googleは検索意図を非常に重要視しており、「何かを知りたいとき」にショッピング広告は表示されません
このことは非常に重要です。ショッピング広告を出稿するとき、予算が十分にあるのなら「クリスマスプレゼント」のようなビッグキーワードに入札したくなりますが、検索意図とマッチしないため広告が表示されないかもしれません。

「ネックレス レディース」というクエリは、「プレゼントを探している」という段階とは違い、「レディースのネックレスを探している」とかなり具体的になっています。
そのため、より購買段階に近いクエリといえるでしょう。

さらに購買意欲が高くなったらどうなるでしょうか?

検索クエリ:ネックレス 通販
検索日時:2019/01/28
デバイス:デスクトップPC
ブラウザ:Googlechrome

「ネックレス 通販」という間違いなく購買段階と予測できるクエリに対しては、さらに見た目が変わりました。ショッピング広告の枠がさらに多くなり、その気になればすぐに購入できる検索結果となっています。

買いたいときの検索意図の流入を増やすには、SEO対策だけではなくショッピング広告やリスティング広告を検討したほうがいいかもしれません。

検索意図③:目的の場所がどこにあるのか知りたいとき

さて、何をプレゼントするかが決まり、通販サイトなどでだいたいの価格帯もわかりました。それでは通販サイトで購入!…とはいきません。
大切なプレゼント、しかもそこそこ値が張るものであれば、実際に自分で見て選びたいと思うでしょう。

そこで登場する検索意図が「目的の場所がどこにあるのか知りたいとき」です。
プレゼントするネックレスを選ぶため、アクセサリーショップを探してみたいと思います。

検索クエリ:レディースアクセサリー 梅田
検索日時:2019/01/28
デバイス:デスクトップPC
ブラウザ:Googlechrome

検索結果の見た目がまた大きく変わりました。この段階で出てくるのが「ローカル検索」です。

スマートフォンの位置情報と連動している場合や、「○○+エリア名」といった検索クエリに対して表示されます。
ローカル検索では、Googleマイビジネスの導入が不可欠です。SEOでどれだけ上位に来ても、ローカル検索の検索結果の上部はほとんどGoogleマイビジネスによるマップが占めます。
ローカル検索については、以前「店舗型ビジネスの集客はローカル検索で変わる?Googleマイビジネスの活用方法」という記事で詳しく紹介しているのでご覧ください。

この検索結果を見て、「とりあえず梅田の大丸百貨店に行けばいいや」となったとします。
「目的の場所がどこにあるのか知りたいとき」の検索例としてもう一つ「梅田 大丸」を紹介しましょう。

検索クエリ:梅田 大丸
検索日時:2019/01/28
デバイス:デスクトップPC
ブラウザ:Googlechrome

検索クエリ:梅田 大丸
検索日時:2019/01/28
デバイス:スマートフォン
ブラウザ:Googlechrome

また大きく見た目が変わりました。PCとスマートフォンで見た目が違うことにも注目してください。
Googleマイビジネスの情報が表示されており、「目的の場所がどこにあるのか知りたいとき」という検索意図に見事にこたえています。もしも自社の店名やブランドで検索されたとき、Googleマイビジネスを用意していないとユーザーの意図に応えられない可能性があります。

冒頭で紹介したレポートにあるように、スマートフォンの位置情報と紐づいた「near me(この近く)」の検索は急増しています。
実店舗でGoogleマイビジネスを持っていないということは、非常にニーズが強いユーザーの意図に応えられていないということになります。

検索意図④:自分で何かをやりたいとき

さて、プレゼントしたいものも見つかり、大体の費用感やブランドを決めてお店で買うことにしました。
とはいえ、せっかくの機会がただ買ったものでは物足りません。そこで「手作りのメッセージカードも一緒に渡そう」となるかもしれません。
この時の検索意図が、「自分で何かをやりたいとき」です。

検索クエリ:メッセージカード 作り方
検索日時:2019/01/28
デバイス:デスクトップPC
ブラウザ:Googlechrome

これが「自分で何かをやりたいとき」の検索結果です。これまでとはまた違った見た目になっています。
注目すべき点は「画像」と「動画」です。
「画像」でどんな見た目のメッセージカードにしようか見て、「動画」で実際の作り方を学ぶことができます。

「自分で何かをやりたい」という検索意図に応えるには、いわゆるhow-toコンテンツが必要とされます。
一昔前であれば、手芸教室やセミナー関係のリスティング広告が出ていたのかもしれませんが、無料コンテンツが充実した今ではほとんどありません。

検索意図に学ぶ“質の高いコンテンツ”

普段何気なく利用しているGoogle検索ですが、検索意図によって大きく見た目が違うことに驚かれたと思います。
しかもこれは、「恋人にクリスマスプレゼントをあげたい」という一つのニーズから発生しています。

最初に、「これがあれば質が高い」といえるものはないといいましたが、見ての通り同じニーズから発生していても検索意図によって求められるコンテンツ、行うべき施策は大きく変わります。

それでは、4つの検索意図に対してどういったコンテンツ、施策が必要かざっくり見てみましょう。

何かを知りたいとき

コンテンツ:知りたいのニーズに応える記事(特定商品よりもランキングやまとめ、ノウハウ系)
施策:SEO対策

目的の場所がどこにあるのか知りたいとき

コンテンツ:Googleマイビジネス
施策:Googleマイビジネスの活用

自分で何かをやりたいとき

コンテンツ:how-to動画、記事
施策:動画コンテンツの投稿、「方法」「やり方」などでのSEO対策

何かを買いたいとき

コンテンツ:ECサイト、購入ページ
施策:リスティング広告、ショッピング広告

今回のテーマである“検索意図に基づいた質の高いコンテンツ”であれば、まずはこれらを理解して活用することが近道になります。
また、この中で何が最も重要かといえば、やはり「何かを知りたいとき」です。
なぜなら、ほとんどの場合「何かを知りたいとき」を出発点となり、その後の道筋が決まってしまうからです。

例えば、レディースアクセサリー専門店を営んでいるのであれば、「クリスマスプレゼント 恋人」と検索された後に、「アクセサリーをプレゼントしよう」と思ってもらう必要があります。
この段階で上位に表示されているサイトや紹介されている内容が「特別ディナー」ばかりであれば、多くのユーザーはディナーを探し始めるかもしれません。

アクセサリーショップは、クリスマスシーズンの来店や購入を促すため、様々な広告手法を試すと思います。
しかし、そもそもの出発点で「アクセサリーをプレゼントしよう」というユーザーが少なければ、大きな効果にはつながらないでしょう。

通販や実店舗のビジネスを行っている場合、「何かを買いたいとき」の検索クエリにばかり注目してしまいます。しかし、おおよそどんな業種・業界でもこの4つの検索意図が発生することを知っていれば、また違った考えが浮かぶはずです。

まとめ

今回はGoogleが発表した4つの検索意図を元に、それぞれに対する“質の高いコンテンツ”について考えてきました。

コンテンツマーケティング”、“インバウンドマーケティング”というと、ブログサイトを立ち上げて記事を書いていくイメージを持つと思いますが、決してそれだけではないことに気づいていただけたと思います。

今回紹介したものはあくまでも「検索意図」に対するコンテンツです。実際のユーザーはさらに多様な意図を持っています。
今回は「プレゼントしたい」と考えてからを見てみましたが、場合によっては「そもそも恋人にクリスマスプレゼントをあげたいと思ってもらう」というところからスタートする必要があるでしょう。
もしかしたら、プレゼントをもらって喜んでいる友達のTwitterやInstagramを見て初めて「プレゼントしたい」と考えるかもしれません。

ユーザーがいつ何を考えるかを完全に知ることはできません。しかし、「何かを買いたい」という意図を持ったユーザーに「何かを知りたい」に応えるコンテンツを届けても意味がないように、その瞬間のユーザーの意図によって質の高いコンテンツの内容や形式は変わります。

まずはこの4つの検索意図の中から、何を満たすかを考え、それに必要なコンテンツを企画してみてはいかがでしょうか。