SNSマーケティングは効果的? Twitter,Instagram運用に欠かせないアクセス解析・分析方法

7a8733e2aaa3cc5e966e21755bc59ea1a710a057
SNSマーケティングは効果的? Twitter,Instagram運用に欠かせないアクセス解析・分析方法

公開日:2019年10月2日 / 更新日:2020年10月2日

Webサイトへの集客の手段として、代表的なものにWeb広告、SEO対策による検索エンジン経由での集客があります。しかし近年では、企業がSNSの公式アカウントを作り、公式アカウントから情報を発信することで、フォロワーを集め、Webサイトへの集客につなげるという手法も盛んに行われています。

特に、消費者向け(BtoC)企業のSNSマーケティングでよく利用されるのが、TwitterとInstagramです。

今回は、SNSマーケティングで重要なTwitterとInstagramについて、Webサイトへの流入ではなく、SNS自体でのアクセス解析を行う方法について解説していきます。
SNSからWebサイトへの流入を分析することも大切ですが、SNS内部でのアクセスを分析することももちろん大切です。今までSNS自体のアクセス解析ができていなかったという方は、この機会に覚えていってください。

SNSアカウントを分析する理由

WebサイトとSNSでは、全く異なる非常に重要なポイントが一つあります。
それは、Webサイトは運営者からユーザーへの一方的な情報発信であるのに対して、SNSは、運営者とユーザーが常に対等で双方向的であるということです。

SNSは、運営者とユーザーが常に対等で双方向的
TwitterとInstagramでは、運営者の投稿に対してユーザーが「いいね」をつけたり、リツイートなどで他のユーザーとシェアしたり、リプライやコメントによって、投稿そのものに対して反応を返すということができます。
これらのユーザーからの反応はSNSに特有のものであり、ユーザーが自社に対して持っている感情そのものです。
SNS上のユーザー感情を分析することで、自社がユーザーにとってどういうイメージを持たれているのか、ユーザーの興味を惹くためにはどのような投稿をするのが効果的なのか、どうすればSNSだけでなくWebサイトにも訪れてくれるのか、などなど、貴重な情報をたくさん得ることができるのです。

消費者の感情から施策を考えられる。これがSNSアカウントを分析する理由です。

SNSマーケティングでは、ただ自社のWebサイトに誘導する投稿だけしていても、絶対にうまくいきません。
ユーザーが持っている「感情」を知り、それを良くしていくことが、成功には必須なのです。

SNSの分析方法①:Twitterアナリティクス

まずTwitterの場合、Twitterが公式に無料提供しているTwitterアナリティクスという分析ツールがあります。
Twitterアナリティクス
画像:Twitterアナリティクス

Twitterアナリティクスでは、各ツイート単位で分析が可能なので、どのツイートの反応が良かったのか、あるいは悪かったのかをひとつひとつ見ていくことが可能です。
もちろん、全体としての傾向や、時系列での推移などを大枠で見ることも可能で、非常に多くの情報が得られます。

Twitterアナリティクスの使い方

Twitterアナリティクスを使うには、まずはTwitterのトップページを開き、左側に縦に並んでいるメニューの一番下の「…」ボタンをクリックします。

すると、「アナリティクス」という項目が出てきますので、これをクリックします。
これでTwitterアナリティクスを起動することができます。

Twitterアナリティクスの使い方①
Twitterアナリティクスのホームページは、1ヶ月単位での自分のツイート数やインプレッション数、フォロワー数などの推移と、その月に最もインプレッションを獲得したツイートなど表示されています。
基本的な次の5つが確認できるので定期的に確認しましょう。

  • ツイート…過去28日間で自分のアカウントから発信したツイート数です。アカウント運用の最も基本的な指標になります。
  • ツイートインプレッション…過去28日間で自分のアカウントのツイートが何回表示されたかを示しています。
  • プロフィールへのアクセス…過去28日間で自分のアカウントのプロフィールを見られた回数です。どれだけユーザーから興味を持たれているかの指標になります。
  • @ツイート…過去28日間で自分のアカウントにメンションされたツイートの数です。ユーザーとの交流、ユーザー参加の指標になります。
  • フォロワー…合計フォロワー数と前期間からの変化を示しています。

Twitterアカウント運用の全体像をつかむためには、このホームページが便利でしょう。

ツイート単位でデータを見たいという場合は、ページ一番上の「ツイート」というタブをクリックすれば、ツイートごとのインプレッション数、エンゲージメント数、エンゲージメント率を確認できます。

Twitterアナリティクスの使い方②
ここでいうエンゲージメントとは、そのツイートに対して他のユーザーが何らかのアクションを起こした回数を指ます。いいねやリツイート、リプライ(返信)だけでなく、そのツイートのクリックや、そのツイートからプロフィールを閲覧した回数も含まれます。
エンゲージメント数だけで見てしまうと実態がよくわからなくなってしまいますので、より具体的なデータが欲しい場合は、そのツイートをクリックすれば、エンゲージメントの内訳がわかります。
いいねが多いツイート、リツイートが多いツイート、リプライが多いツイート……などなどいろいろな特徴が見えてくると思いますが、Webサイトの集客を増やすという目的のためには、「プロフィールを閲覧した回数」が重要かもしれません。
プロフィールを閲覧したということは、そのツイートを見て、ツイートの投稿者に興味を持ったということが推測できます。そういったツイートの特徴を見極められれば、効率的に目的が達成できるはずです。

また、「オーディエンス」というタブをクリックすると、自分のアカウントのフォロワーのユーザー属性や、フォロワーが持っている興味・関心を知ることができます。
どういった興味・関心を持つユーザーにフォローしてもらっているのかがわかれば、フォロワーにとって魅力的なツイートもしやすくなりますよね。

あるいは、フォロワーの興味・関心が自社のWebサイトのターゲット層とズレている場合は、ターゲット層を修正するか、運用方針を変えていく必要があるかもしれません。
オーディエンスのデータは、運用の効率化にも、新規ユーザーの開拓にも利用できますので、積極的に活用していきましょう。

Twitterアナリティクスの活用方法

では、実際にどんな活用方法が考えられるでしょうか。Twitterアナリティクスの分析も、他の分析方法と同じく「現状を把握し」「課題から仮説を立て」「一つ一つの改善案を素早く実行する」ことが重要です。

目的なくTwitterアナリティクスを見ても意味がありません。まだアカウントの現状がつかめていないなら「どれくらいの人が見ているのか」「どんな人が見ているのか」「どういった行動をとっているのか」を知る必要があります。
その上で、「インプレッション数は多いのにエンゲージメントが少ない」「プロフィールへのアクセスは多いのにフォロワー増加につながっていない」など課題を見つけます。

そして課題に対して「こうすればエンゲージメントを増やせるのではないか」「こうすればフォロワーを増やせるのではないか」といった仮説を立て、一つ一つ実行していきます。

では、具体的に「フォロワー数を増やしたい」という目標について考えてみましょう。
まず、フォロワー数の増加は「新規フォロワー数=インプレッション数×プロフィールの閲覧率×フォロー率」で表すことができます。

月間10万件のインプレッションがあり、プロフィールの閲覧数が1%で、フォロー率が1%だった場合、10人の新規フォロワーが獲得できるということです。こうした数字はTwitterアナリティクスを見ればすぐに手に入ります。

では、月に30人フォロワーを獲得したい場合、何ができるでしょうか。色々考えられますが、数式に乗っ取るなら「インプレッション数を増やす」「プロフィールのクリック率を上げる」「フォロー率を上げる」の3つが考えられます。

「インプレッション数を増やす」ためには、「投稿数を増やす」「ハッシュタグを活用する」「トレンドテーマを扱う」などの方法が考えられます。「プロフィールのクリック率を上げる」ためには「アカウン画像と名前を変える」「ツイート本文にフォローを促す文言を入れる」「シリーズ投稿をやってみる(他の投稿を見るためにプロフィールをクリックしてくれる方がいるかもしれない)などが考えられます。「フォロー率を上げる」については「プロフィール説明文を変える」「固定ツイートを活用する」などが考えられます。

分析の基本は「分ける」ことです。このように、現状を把握し、課題を見つけたら、その原因を分け、さらにそのための施策を分けていきます。
大切なことは1つの原因に対して複数の施策をやらないことです。「フォロー率をあげる」ために「プロフィール説明文を変える」「固定ツイートを活用する」の両方をやってしまったらどちらが要因になっているかがわかりません。基本は1つずつにしましょう。

そして1つの施策を行い、数字の変化を追いかけ、次の施策につなげていきます。

SNSの分析方法①:Instagramインサイト

Instagramインサイト
画像:Facebookニュースルーム

Instagramの分析をする際にも、Instagramから公式に提供されている無料ツールで分析が可能ですが、Instagramインサイトを使う場合は、ほんの少しだけ前準備が必要です。
それは、Instagramのアカウントを「ビジネスプロフィール」に切り替えることです。

Instagramのビジネスプロフィールについて、設定方法やできることについてこちらの記事で詳しく解説しています。
【Instagram集客活用法 5/5】ビジネスプロフィールで活用できる機能

ビジネスプロフィールとは、その名の通り、そのアカウントがビジネス目的で運用されていることを示すもので、難しい手続きや料金は必要なく、電話番号や住所など、必要項目を入力するだけで簡単に切り替えが可能です。
Instagramインサイトも、Twitterアナリティクスと同様に、投稿単位でユーザーからの反応を確認することができますので、最もユーザーの反応が良い投稿の傾向を探ることができます。

Instagramインサイトの使い方

Instagramインサイトを使うには、まずInstagramの自社アカウントの個別ページを開きます。
すると、右上にグラフのようなアイコンが表示されますので、それをクリックするだけでInstagramインサイトが起動できます。
確認できる情報は、基本的にTwitterアナリティクスと同様で、インプレッション数やエンゲージメント数を投稿ごとに確認することが可能です。
Instagramに特有の指標としては、インプレッション数をユニークユーザー数でカウントした「リーチ」や、投稿を保存された回数を表す「保存」などがあります。
また、投稿を閲覧したユーザーの属性も確認することが可能です。

【2020/10/2更新】最新版Instagramインサイトの説明

2020年8月にInstagramインサイトの画面がアップデートされました。以前は「コンテンツ」「アクティビティ」「オーディエンス」の3つに分かれていましたが、現在は「最近のハイライト」という項目で「リーチしたアカウント数」「コンテンツでのインタラクション」「合計フォロワー」となっています。
分析できる情報に大きな違いができたわけではありませんが、以前のインサイトに慣れている人にとっては少し使いづらいかもしれません。

Instagramインサイトで最も見るべきところは「各投稿に対するインタラクション」です。Instagramでは「フォロワー関係の繋がり」だけでなく、「ハッシュタグ検索や発見タブにおける繋がり」が重要になり、これらはアカウント全体ではなく投稿単体で評価されるためです。たとえフォロワー数が少なくても、ハッシュタグをうまく使い、ユーザーから評価されたら人気投稿に入り一気にリーチが増えることもあります。
もちろん全体をざっくり見ることも重要ですが、基本的には各投稿の効果に着目しましょう。

新しいインサイトで、各投稿の指標は「インサイト」>>「あなたがシェアしたコンテンツ」から確認することができます。

Instagramインサイトの「あなたがシェアしたコンテンツ」に移動し、プルダウンから指標を選択することで分析できる。

Instagramインサイトの「あなたがシェアしたコンテンツ」に移動し、プルダウンから指標を選択することで分析できる。

ここでもTwitterアナリティクスと同じく、目的に対して仮説を立てましょう。「Instagramから自社のWebサイトの集客につなげる」ことが目標であれば、確認すべき指標は「ウェブサイトのタップ数」です。Instagramは投稿に直接リンクを貼れないため、その前の段階の指標としては「プロフィールの表示数」があるでしょう。
数式で表すなら「ウェブサイトのタップ数=インプレッション数×プロフィールのクリック率×ウェブサイトのタップ率」と考えられます。
では、考えるべきことは「投稿のインプレッション数を上げる」「プロフィールのクリック率を上げる」「ウェブサイトのタップ率を上げる」の3つになります。これらに対して考えられる施策を上げ、ひとつひとつ実行していきましょう。

注目すべきは「インプレッションが多い投稿と少ない投稿にはどんな違いがあるか」のように、各指標を投稿単位で見ていくことです。プロフィールのクリックが多い投稿は少ない投稿と比べてどんな違いがあるか、フォロワー獲得につながった投稿はそうではない投稿と比べてどんな違いがあるか。というものです。
Instagramはハッシュタグ1つで大きく成果が変わることも珍しくないため、このように投稿単位で分析することが効果的です。

TwitterとInstagramが持つデータの特徴の違い

TwitterとInstagramの分析は、ほぼ同じ指標で確認することができますが、SNSとしての特性がその精度に影響を与えているものもあります。
Twitterは、自分の好きなユーザーをフォローし、自分の好きなことをツイートするという性質から、「興味・関心」の推測の精度が他のSNSに比べて高い反面、「年齢・性別」の精度はやや低いと言われます。
Instagramの場合は、Facebook傘下にあることから、「年齢・性別」の推測の精度が非常に高いとされています。「興味・関心」の推測の精度は、低くはないものの、Twitterと比べるとやや劣るといったところです。
どちらも世界的に利用されている非常に人気のSNSですので、精度の差と言ってもそこまで大きいものではありませんが、このような違いがあるということは知っておいて損はないでしょう。

Twitter、Instagramのアクセス解析・分析方法まとめ

SNSマーケティングによく使われるTwitterとInstagramを例にとって、それぞれのアクセス解析の方法について解説してきました。
シャープやタニタなど、もはやTwitterアカウント単体で一つのWebマーケティングが成立しているような、SNSマーケティングの成功事例は多くあります。
SNSからWebサイトへの流入を増やすためには、まずはそのSNSで人気を集めることが必須です。
今回ご紹介したアクセス解析ツールを活用して、SNSマーケティングの成功を目指してみてください。

今回紹介したSNSそのものに搭載されているアクセス解析ツールの他にも、より詳細なデータが取れるツールや競合分析ができルールなど、いろいろな製品が用意されています。
SNS運用の目的や現状の成果などから、こうしたツールの導入も検討してみましょう。