数年前から話題になっている「note」をご存知でしょうか?

実際に利用されている方はどういうものか理解されていると思いますが、自分で使っていないと「ブログと何が違うの?」「何ができるの?」などの疑問があると思います。

noteは個人クリエイターやブロガーが中心となって利用していましたが、ここ最近はビジネス活用事例も増えてきました。

そこで今回は、今からできる企業の「note」活用をテーマに、noteについてまとめていきたいと思います。

noteとは?

noteを一言で表すのは簡単ではありません。ブログやオウンドメディア的な側面と、SNSプラットフォームとしての側面を持つからです。その点を含めて一言で表すとすれば「ブログコンテンツ型SNS」だといえます。

そんなnoteですが、数年前から話題になっていたものの、ここ1年ほどで急激に利用者が増加しました。

2019年9月に月間アクティブユーザー数2000万人を超えてから1年も経たないうちに3倍以上の6300万人にまで増えました。

なぜこれほど急激に成長したのでしょうか?

様々な理由がありますが、コロナ禍で医療従事者やスポーツ選手などがTwitterなどの短文SNSでは発信しきれない情報を積極的に発信していたことが挙げられます。

また企業のビジネス活用も進んでおり、note proというビジネス向けのプランの契約数も半年で急増したと発表しています。

noteで何ができるのか?

noteでできることは基本的にWordPressで構築したブログと同じと考えて大丈夫です。noteもブログのように長文の記事を書き、本文の中に画像や動画、音声などを入れることができます。WordPressでブログやオウンドメディアを作るとなると、ドメインやサーバーを用意したり、HTMLでデザインしたりとある程度の知識が要求されますが、noteはアカウントを作ればすぐにブログを投稿することができます。

また、通常のブログ系プラットフォームと違うことは、コンテンツを有料化するなど、個人クリエイターやブロガーでも簡単に収益化できることです。

そしてSNS的な側面もあるため、noteのアカウントをフォローしたり、Twitterの「いいね」のような「スキ」という機能があったり、コメントを残したりとユーザーとコミュニケーションが取れます

ただしWordPressなど自分で構築するものと違い、デザインを自由にカスタマイズすることはできません。あくまでもnoteというプラットフォームが用意している機能の中で運営することになります。

note pro とnoteプレミアム会員

noteは無料で利用できますが、note proとnoteプレミアム会員という有料プランが用意されています。

noteプレミアム会員は月額500円の有料プランで、月額マガジンの定期購読販売や予約投稿、コメントのオン/オフ機能、数量限定販売など、主に個人クリエイターやブロガー向けの機能が多く用意されています。

note proは月額5万円から利用できるビジネス活用向けのプランで、独自ドメインに変更したり、ロゴをnoteのロゴから自社のロゴに変えたり、メニューやテーマカラーをカスタマイズしたり、アクセス解析や外部メディアとの連携などが用意されています

企業としてしっかりブランディングしていくならnote proも検討してみましょう。

noteとブログ・オウンドメディアの違い

ここまでを見ると、「手軽だけど、月額5万円も出さないとnoteのロゴが表示されるし、ドメインもnoteのものになるなら、ちょっと手間をかけて自社のオウンドメディアを構築した方がいいんじゃないか」と思うかもしれません。

確かにしっかりと運用していくなら、WordPressなどを使って自社に最適な形で運営した方がいいかもしれません。しかしnoteには企業が独自に作るオウンドメディアなどとは違う強みがあります。

それは「note自体にファンや利用者がいるプラットフォームである」ということです。

オウンドメディアを運営する最初の壁は集客です。オウンドメディアを公開しても、すぐに検索流入があるわけではありませんし、SEO集客を維持するのはかなりの手間とコストがかかります。

しかしnoteを公開すれば、既にnoteを使っている多数のユーザーに届けられるのです。noteではSEO対策よりも、ユーザーがフォローしたり「スキ」を押したりすることが重要です。そうすることでnoteというプラットフォームの中での評価が上がり、より多くのユーザーに届けられるからです。

オウンドメディアを運営していて、記事を書いているなら「SEO対策しなくていい」というのは大きな魅力ではないでしょうか。SEOを意識して検索ボリュームが多いキーワードに対して記事を書いたりするのではなく、ユーザーが漠然と興味を持っている、ユーザーに新しい気づきを与えるコンテンツにフォーカスできます

note自体、検索流入が多いので、SEO対策を行うことは重要ですが、note全体のSEO効果が強いため、自社のオウンドメディアほど意識する必要はありません

noteを使うデメリット

ではnoteを使うデメリットはなんでしょうか。もちろんnote proにしても完全に自由にカスタマイズできるわけではありませんから、その点はデメリットになるでしょう。

しかしもう一つ、大きなデメリットがnoteで公開したコンテンツはnoteが持っているということです。当然、noteは民間企業なのでサービス停止の可能性もあります。何らかの理由でnoteの規約に違反してアカウントが凍結される可能性があります。

そうなった時、これまで公開したコンテンツが消えてしまうことになります。もちろん可能性は低いリスクですが、コンテンツは企業の資産です。万が一に備え、noteで公開した記事は別に保存するようにしておきましょう。もし既にnoteを運営しているなら、万が一noteがサービス終了してもコンテンツという資産は確保できるよう、対策しておきましょう。

noteのビジネス活用

自社でnoteを使うかどうかは、目的やリソース次第です。noteは非常に優れたプラットフォームですが、自社でデザイン性の高いオウンドメディアを構築し、SEOにリソースを割くのであればWordPressなどのCMSを使った方がいいでしょう。一方で、デザイン性よりもユーザーとのコミュニケーションを重視する場合や、SEOにリソースを割けない場合、検索ボリュームが少ない業界でSEO効果が見込みづらいという場合はnoteが良い選択肢になります。

では、実際にどのようにnoteを活用していくのか、よくいわれる「企業型」「部門型」「コミュニティ型」「代表者型」に分けて見てみましょう。

企業型noteの活用事例:KIRIN

企業が主体となって公式noteを運営している場合、企業型といわれます。

2019年4月に「キリンビール」として始まった麒麟麦酒株式会社の公式noteは2021年3月に「KIRIN」に名称を変え、運営されています。

「これからの乾杯を考える」をコンセプトに運営していましたが、ノンアルコールも含めキリングループ全体で社員やファンや関係企業の声を届ける場として活用されています。

どんな投稿をしているかというと、「私の晩酌セット」などおつまみレシピ紹介や、コロナ禍に苦しむ飲食店の取り組み紹介など、様々なコンテンツを届けています。

私たちから発信されたコンテンツを見たことで、noteの皆さんにとって、少しでも身体が軽くなるような暮らしの楽しみが増えたり、読み終えたらスッキリとデトックスされるような気持ちになったり、そんな読後感を抱いていただけるような発信を目指していきます。

https://note-kirinbrewery.kirin.co.jp/n/n2f7b217a4f96

名称を変えた後は「暮らしを軽やかに、気持ちを健やかに。」をコンセプトに、社員インタビューなど求人目的にも活用されています。

部門型noteの活用事例:UUUM DESIGN

企業の特定の部門やサービスなどが主体となって運営されているnoteを部門型と呼びます。先ほどの「KIRIN」の例でいうと、「キリンビール」という部門型noteから「KIRIN」という企業型noteに変化したといえます。

部門型noteでは、その部門に特化した情報が届けられるため、1つの企業の中で部門それぞれが違う部門型noteを運営していることもあります。

YouTuber事務所であるUUUMもその1つで、「UUUM」という企業の公式noteの他にもアカウントがあり、「UUUM DESIGN」はUUUMに所属するデザイナーが運営しています。元々は社内コミュニケーションのような役割もあったようですが、8000人を超えるフォロワーがいて、他の企業のデザイナーやデザインに興味のある人にも読まれているようです。

そういう意味では、次に紹介するコミュニティ型noteともいえるかもしれません。

コミュニティ型noteの活用事例:ランサーズ

noteでは定額制マガジンなどの機能を使い、顧客を囲い込んだり、ファンクラブ、コミュニティのように運用することもあります。

クラウドソーシングサービスを運営するランサーズは、公式note「つながる!ランサーズ」を社内報・社外報として活用しています。

マネージャーが新人向けに仕事のマインドセットを書いたりしており、ランサーズの社員ではない人が読んでも学びになります。新卒・転職者の記事ではランサーズへ入社した経緯や意気込みが書かれており、ランサーズへの就職・転職を考えている人の後押しになります。

優秀な人材を確保することが難しくなったと言われる今、これまでのように求人媒体に掲載するだけでなく、このように積極的に情報を発信する取り組みが求められているのかもしれません。

代表者型noteの活用事例:SECOND DESIGN

企業の代表などが企業に所属する個人として発信することを代表者型noteと呼びます。

現在、個人事業主も含めると非常に多くの人が企業・組織のためにnoteを運営しています。代表者の思いや声を直接届けられるため、ブランディングや採用、従業員満足度の向上、顧客獲得など様々なメリットがあります。

一級建築士事務所「SECOND DESIGN」の岩永 祥氏はnoteを通じて企業やデザイン、社会に対する自身の考えを発信されています。

企業規模や形態によってはnote代表の発信した考えに共感して顧客になってくれることもあるかもしれません。社員や転職希望者はこうしたところで企業の性格を知ることもできます。

まとめ

今回は急成長するnoteのビジネス活用について紹介しました。noteの魅力や活用用途が伝われば幸いです。また、noteとブログ・オウンドメディアの違いで書いたように、オウンドメディアや他のSNSにもまた違った魅力があり、何を使うのかは戦略によって検討しなければいけません

事例を「企業型」「部門型」「コミュニティ型」「代表者型」に分けて紹介しましたが、こうした分類は便宜上のもので、複数の役割を果たしているものや、特殊な活用を行っているケースも数多くあります。

noteは他のSNSに比べて自由度が高いコンテンツが提供できるからこそ、運用方法はアカウントによって様々です。自社の目的やスタイルに近い運用をしているnoteがないか調べてみて、あれば参考にしてみましょう。