SNSにSEO効果はある?サイテーションが与える効果・獲得方法も

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SNSにSEO効果はあるのか

公開日:2019年11月19日/更新日:2022年11月8日

SEO対策は、BtoCビジネス・BtoCビジネスのいずれを行う企業にとっても、商品・サービスの売り上げを大きく左右する要素です。SEO対策を効率的に進めるためには、SNSで情報発信する目的や近年注目されている「サイテーション」の概念を正しく理解し、戦略的に行動することが必要でしょう。

今回は、検索順位アップを狙いたい人に向けて、SNSがSEOに与える影響やサイテーションの基礎知識を紹介します。インターネット経由の集客を成功させて、ビジネスを軌道に乗せたい人は、ぜひ参考にしてください。

SNSの投稿にSEO効果はあるのか

検索エンジンは、「SNSに直接的なSEO効果を持たせると、検索順位を操作する目的で悪用されるリスクがある」と考えられています。

そのため、SNSの投稿にはnofollow属性(リンク元とリンク先の関係無効化を検索エンジンに伝える属性値)が付けられており、直接的なSEO効果はありません。

Tips:被リンク効果のあるSNSもある

数あるSNSの中にはfollow属性が付けられており、被リンク効果を狙えるものもあります。例えば下記は、被リンク効果を狙えるSNSです。

  • はてなブックマーク
  • NewsPics

ただし、上記はあくまでも例外であることから、基本的には「SNSによる被リンク・直接的なSEO効果はない」と考えましょう。

SNSがSEOに与える影響

SNSには直接的なSEO効果がないものの、情報発信を続けて企業・商品・サービスなどの名前を多くの人に認知させると、オウンドメディアの集客力が高まる可能性はあります。さらに、SNSで発信した情報が多くの人に拡散されると、サイテーションの獲得が可能です。

近年の傾向として、さまざまな施策によってSEO効果を得るためには、オウンドメディアのコンテンツの質・信頼度の両方を向上させることが重要視されています。サイテーションの獲得はオウンドメディアの信頼度の向上につながる可能性があるため、間接的なSEO効果を狙うことが可能です。

つまり、SNSの投稿に直接的なSEO効果はないとは言え、企業アカウントの運用は、オウンドメディアの成否を左右する要素の1つになり得ます。発信した情報が多くの人の目に留まり、ポジティブなイメージで拡散されればサイテーションのみならず被リンクを獲得できる可能性もあるでしょう。

サイテーションとは?

SNSによるSEO効果を狙うためには、サイテーションの概念を詳細に理解しておく必要があります。そもそもサイテーションとは、オウンドメディア以外のWebサイトやSNSで、企業・商品・サービスなどの名前が引用・言及されることです。

サイテーションの獲得度合いを大まかに調査するためには、検索画面で次のように検索します。

“オウンドメディアの名前”-site:オウンドメディアのドメイン

上記を実行することで、記載したドメイン以外でオウンドメディアについて言及・引用しているWebサイトの数を大まかに把握できます。なお、「オウンドメディアの名前」を商品・サービスの名前に入れ替えると、記載したドメイン以外で商品・サービスについて言及・引用しているWebサイト数を見ることが可能です。

サイテーションと被リンクの違い

サイテーションは被リンクのように、オウンドメディアへのリンクが張られる必要はありません。オウンドメディア以外の場所で名前が言及されることのみで、「サイテーションの獲得」とみなされます。

例えば、SNSにおいて「Grabの解説は分かりやすい」と口コミを書かれることがサイテーションです。第三者のWebサイトで「Grabの解説は分かりやすい」と口コミが書かれ、「Grab」リンクをクリックするとGrabのページに遷移するようになっている状態は、被リンクにあたります。

サイテーションのSEO効果

サイテーションには直接的なSEO効果はないものの、間接的に良い影響を期待できます。そのため、SNSアカウントを運用してサイテーションの獲得を図ることは、SEO対策を進める上で重要な意味を持つ施策です。

以下では、サイテーションのSEO効果についてより詳しく解説します。

Googleからの正式発表はない

Googleはサイテーションに関する公式見解を発表していないため、「確実にSEO効果が見込める」とは言えません。

ただし、サイテーションの検索順位に対する影響を明言している検索エンジンも中にはあります。少なくともプラスイメージのサイテーションがSEOに対してネガティブに働くとは考えにくいため、獲得施策を行うことが重要です。

MEOには効果がある

実店舗を持つビジネスを行っている場合は、サイテーションのMEO効果にも注目しましょう。MEOとは、Googleマップにおける上位表示を狙うための施策です。

Googleは、Googleマップにおける上位表示を狙う方法に関して、以下の見解を示します。

有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。

引用:Googleビジネスプロフィールヘルプ「Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法

サイテーションを獲得するとホテルやお店の名前が多くの人に認知され、視認性が高まります。結果として、Googleマップにおける上位表示を狙うことが可能です。

直接的ではなく間接的な効果を見込める

多くのサイテーションを獲得してオウンドメディアの認知度が高まると、企業・商品・サービスの名前を検索する人が増加します。結果としてオウンドメディアの評価が高まれば、SEO効果を狙うことが可能です。

また、Googleは近年、コンテンツの質・信頼性の両方を備えたWebサイトを高く評価する傾向にあります。2021年時点における日本人のSNS利用率は、48.6%です。20代に限って言えば71.5%もの人が、日常的にSNSを利用しています。

(出典:総務省「令和3年版情報通信白書」/https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/n1100000.pdf

多くの人が利用し、インターネット上での影響力が多大であるSNSで企業・商品・サービスの名前が拡散されれば、信頼性が大幅に高まることも想定されます。そのため、SEO施策を進める上では、SNSで情報発信することが重要です。

サイテーションを獲得するために

多くのサイテーションを獲得するためには、オウンドメディアの内容やUIの見直しが必要です。合わせて、第三者の運営するメディアへの広告掲載など、積極的な施策を取ることも検討しましょう。

ここからは、サイテーションの獲得を後押しするための施策をより詳しく解説します。

正確な情報を記載する

オウンドメディアに誤った情報が掲載されているとユーザーが不信感を持ちやすく、シェアされる可能性が低下します。オウンドメディアに掲載する会社の名前・住所・電話番号などは最新かつ正確な状態に維持し、信頼度を高めてください。

シェアされやすいコンテンツを作る

一番基本となるのは、やはりコンテンツです。コンテンツがシェアしたいと思わせるものでなければ、他の部分を工夫してもシェアされません。

ニューヨーク・タイムズの調査では、ユーザーがシェアするのは「人と繋がりたい」という欲求が根強くあり、それらは次の4つに分けられています。

(1)主張を表現するため

コンテンツに共感できるか、自分の意見として主張したいかが重要になります。

(2)流行の伝道師になるため

自分しか知らないユニークな情報、新しい情報を、自ら他の人に教えたい、というモチベーションです。

(3)交友関係を拡張・維持するため

良い情報を周囲の人に教えることで、関係を良くしたいという背景があります。「人の役に立ちたい」と言っても良いでしょう。

(4)自己確立するため

「自分はこのような人間である」というアイデンティティです。自分が共感したもの、納得したもの、反感を持ったものなどをSNS上に残すことで、自分のアイデンティティを作ります。

「この記事をシェアすれば、上記4つのいずれかを満たすことができるか?」という視点で、コンテンツを見てみてください。数ある要素の中でも、特に満たしやすいのは2つ目と3つ目ではないでしょうか。

新しく、かつユニークでオリジナリティのある情報か、さらに人に教えたくなるほど有益な情報か、といった視点でコンテンツを考えると、シェアされやすくなるでしょう。

シェアされやすいUIを意識する

サイテーションを獲得するためには、UIやサイトデザイン、さらに機能の工夫も必要です。

例えば、GrabではSNSのシェアボタンが記事の一番下にあります。これは、記事を読み、内容を理解した上でシェアしてほしいという狙いがあって配置しています。

Webサイトによっては、記事の上下についていたり、ヘッダーについていたり、サイドカラムに追従したりするものもあります。

エンタメ性の高い記事で、タイトルとリード文だけでシェアされる可能性があるなら、ページの上部にシェアボタンを配置しておいても良いでしょう。シェアボタンの配置は慎重に考え、あらゆるケースを試すことが大切です。

例えば、マーケティングメディア「ferret」は数年前まで、記事の左側にシェアボタンが追従するUIを使っていました。しかし、リニューアルの際、記事の最初と最後に比較的小さなボタンで表示されるように変更されています。おそらく、シェアボタンが追従することで、記事本文の読みやすさなどに悪影響があったのでしょう。

このように、シェアされることを重視したUIを考えることは重要ですが、あくまでもコンテンツの価値が伝わることが前提となります。

影響力のあるメディアに取り上げてもらう

主要なニュースサイトなど影響力のあるメディアにコンテンツを取り上げてもらうことも、サイテーションの獲得につながります。

予算に余裕があれば、影響力のあるメディアに広告掲載してもらう方法が一案です。予算をかけずに対策する場合はSNSでのシェアを増加させ、影響力のあるメディアのほうから注目してもらう方法を検討しましょう。

まとめ

今回は、SNSにSEO効果はあるのかというテーマで「SNSにはSEO効果は基本的にないこと」「それでも活用したほうが良い」という2点について紹介しました。

SNSに直接的なSEO効果はないものの、サイテーションの獲得を助けることによる間接的なSEO効果が期待されます。また、SNSで拡散されて企業・商品・サービスの名前が多くの人に認知されるとオウンドメディアの信頼性が高まり、検索エンジンからの評価アップを狙うことも可能です。

なお、SNSマーケティング業界では、サイテーションを「UGC」と呼ぶこともあります。多くのUGCを生む方法は、今回の内容と併せて以下の記事もぜひ参考にしてください。

顧客を巻き込むSNSの活用術|SNSマーケティングで最も重要なこと