Instagram広告の海外成功事例5選 -集客に繋げたエンターテインメント・サービス業

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Instagram広告の海外事例5選 -集客に繋げたエンターテインメント・サービス業

Instagram広告の海外事例5選-ブランディングに成功した企業」という記事では、海外アパレルブランドを中心に、ブランディングの成功事例を紹介しました。海外ブランドのInstagram広告は、シンプルなメッセージと記憶に残るユニークなクリエイティブが特徴です。
また、「Instagram広告のBtoC事例5選-ブランディングに成功した消費者向けサービス」では、化粧品や飲料品など、消費者向けサービスを中心に取り上げました。

国や業界・業種に限らず、成功しているInstagram広告は、どれも魅力的なクリエイティブが軸となり、ユーザーのニーズをつかむことに成功しています。

今回の記事ではInstagram広告の事例として、国内外のサービス、エンターテインメント業界のケーススタディを紹介します。メーカーの事例と異なり、最終的なゴールは「来店してもらう」「映画館に足を運んでもらう」ことです。
サービス業やエンターテインメント業界は、集客に課題を抱えています。そんな時、これから紹介するInstagram広告事例は、参考になるかもしれません。
さらにクリエイティブ面における「どのようにインサイトを刺激したのか」という観点も学ぶ点が多いでしょう。

Instagram広告の海外成功事例_フィード広告を使ったブランドイメージ向上の事例

Instagram広告とTVCMを同時展開し、ブランドイメージの向上に成功

画像:Instagram

A&Wはカナダで800店舗以上を展開する国内最大級のハンバーガーチェーンです。1956年の創業以来、多くのカナダ人に愛されてきたブランドです。
A&Wは質の良い食材の調達に取り組んできましたが、中価格帯のハンバーガーチェーンというイメージが強く残り、その活動に関する認知は高くありませんでした。A&Wは、ホルモンやステロイドを使用しないで育てられたビーフや、抗生物質を使用せずに育てたチキンを使っていることなど、「品質保証についてのイメージを上げたい」と考えていました。
クリエイティブは、懐かしさを醸し出す昔ながらの「ティーンバーガー」、そしてA&Wの代名詞である「ルートビア」(※アメリカやカナダで広く飲まれているスパイスやハーブを使った炭酸飲料、ノンアルコール)を活用しました。
THE A&Wといったクリエイティブは、写真広告として5週間に渡りカナダに住む若年層に配信されました。A&Wの「食材保証」をうたったTVCMと同時期に行われ、TVとデジタル双方から食材の安全性・楽しい食事体験というA&Wのイメージを伝えることに成功しました。
結果的に、「ブランドの認知向上」「広告想起率39ポイント上昇」「品質が良いことに関連するブランドイメージ4ポイント向上」という成果を得る事ができました。

ウォルト・ディズニー・フランス 映画「ファインディング・ドリー」 -動画、カルーセル広告を活用した視聴意向拡大事例(ウォルト・ディズニー・フランス)

Instagram広告の海外成功事例_動画、カルーセル広告を活用した視聴意向拡大事例

高いフリークエンシー(ユーザー1人当たりの広告表示回数)を保つことで、競争が激化する中でもユーザー行動に影響を与えた

画像:Instagram

「ファインディング・ドリー」は「ファインディング・ニモ」の続編にあたる作品で、日本でも人気を博したウォルト・ディズニー、ピクサーによるファンタジー映画です。ウォルト・ディズニー・フランスはこの映画の公開に合わせて、ターゲットである若者の視聴意向を上げる施策を検討していました。
フランスでは映画の宣伝にTVCMが使えないという背景もあり、ターゲットとの親和性が高いInstagramを活用する事にしました。クリエイティブは映画の主人公であるドリーがフィード画面いっぱいに泳ぎ回る躍動感溢れる動画を数本、さらにカルーセル広告としてドリーが劇中で出会う仲間を一覧にして表示しました。競争が激化する夏休みシーズンの公開だったため、フリークエンシーを高めに設定して幅広いターゲットに配信しました。結果として「鑑賞意向が7ポイント上昇」「広告想起率が17ポイント上昇」という大きな成果を得ることができました。

ダンキンドーナツ -ストーリーズ広告のアンケート機能の活用(ダンキンドーナツ)

Instagram広告の海外成功事例_ストーリーズ広告のアンケート機能の活用

広告であっても「インタラクティブな媒体」であることを活用し、広告を見た20%のユーザーがアンケートに回答するという驚異的な成果を残した

画像:Instagram

ダンキンドーナツは1950年にアメリカで設立されたカフェチェーンで、ドーナツやコーヒーをメインに30カ国以上で店舗展開しています。日本は米軍基地を除いて1998年に完全撤退していますが、日本におけるドーナツ文化の普及に貢献したブランドの一つと言えます。
ダンキンドーナツは、Instagram広告を使ってアメリカの消費者間におけるメニュー項目に対する意識を高めたいと考えていました。
クリエイティブはとてもユニークに仕上げられています。まず代表メニューのドーナツとフライドポテトのイメージとともに「What‘s your favorite American Classic?(あなたのお気に入りのアメリカンの定番は何?)」というメッセージ、「DONUTS|FRIES」のアンケートが表示されます。そして「You don’t have to choose anymore! Try DONUT FRIES.(もうどっちか選ぶ必要はありません!ドーナツフライを試してみて)」というメッセージとともにドーナツフライが現れます。
ダンキンドーナツは「アンケート機能付き」「アンケート機能なし」の2パターンを制作し実験したところ、アンケート機能付きの広告は、アンケート機能なしの広告と比較し、動画表示単価が20%も低い結果となりました。さらに広告を見た人の20%がアンケートに回答するという興味深い結果も得ることが出来ました。
普段からInstagramを「インタラクティブな媒体」として活用しているユーザーにとっては、企業広告であってもインタラクティブなコミュニケーションのほうが自然といえます。インタラクティブな仕掛けをセットすることにより、ユーザーのアクションを促し、結果として単価も抑えられたという良い事例と言えるでしょう。

Swiggy(インド食品配送プラットフォーム) -ストーリーズ広告を使ったアプリインストール促進(Swiggy)

Instagram広告の海外成功事例_ストーリーズ広告を使ったアプリインストール促進

ストーリーズで没入感のあるクリエイティブを配信。CPI(1回当たりのアプリインストールにかかった広告コスト)が30%減少

画像:Instagram

Swiggyはインド最大の食品配送サービスとして多くの人に使われています。Swiggyは配達の範囲を広げ、モバイルインストール数を増やすことで規模を拡大したいと考えていました。
過去のキャンペーン結果から、Instagramのパフォーマンスの高さを実感しており、今回のキャンペーンでは、特にストーリーズ広告に投資を行うことにしました。
クリエイティブは「FAVOURITE RESTAURANTS」「FAVOURITE CUISINES」「NO MINIMUM ORDER VALUE」というSwiggyのベネフィットをシンプルに表現したコピーに合わせて、没入感のあるインド料理のイメージを活用しています。画面いっぱいに映し出されるそのイメージは、とても目を引くものになっています。
結果として、他キャンペーンでの結果と比較して、「アプリインストール数は17%上昇」また「1回のインストールにかかるコストが30%減少」という大きな成果を得ることが出来ました。

バーガーキングスペイン -ストーリーズ、カルーセル広告によるキャンペーン告知(バーガーキングスペイン)

Instagram広告の海外成功事例_ストーリーズ、カルーセル広告によるキャンペーン告知

ストーリーズ広告とカルーセル広告を比較検証。結果、よりユーザーにインタラクティブな反応を返せるカルーセル広告で大きな成果を残した。

画像:Instagram

バーガーキングは日本でも幅広い層に人気で、世界中で長年に渡り愛されているアメリカのハンバーガーチェーンです。
バーガーキングは「国際キスデー(7月6日)」に合わせたユニークなキャンペーンとして「オニオンブラックアウト」を実施しました。キスの機会が増えるこの日に、玉ねぎ入りのハンバーガー、オニオンリングを販売しないというコンセプトです。普段は「においが気になるほどフレッシュな玉ねぎを使用しています」というメッセージでプロモーションしていますが、この時は逆説表現で注目を集めました。
バーガーキングはこのプロモーションに合わせて、ストーリーズ広告をメインに活用しながら、同時に「動画形式」「カルーセル形式」の効率性を測る実験も行いました。クリエイティブは、カップルに玉ねぎ入りのハンバーガーが提供されるとお互い避け合うというシーンから、玉ねぎが取り除かれると激しいキスを始めるといういかにもスペインらしい情熱的な動画です。
実験として行った「カルーセル形式」では玉ねぎが「ある・なし」で何が起こるのかをクリックによって確認出来る仕様になっています。カルーセル広告は通常の動画広告と比べて、よりインタラクティブなコミュニケーションを取る事ができ、結果としてキャンペーン全体の効率を引き上げることにつながりました。
60%以上のユーザーがカルーセル広告に対してアクションを起こし、通常の動画広告と比較して「1インプレッションあたりのコストが3%減少」「完全視聴率は2倍」「アテンション率は3倍」という結果を残す事が出来ました。

Instagram広告の海外成功事例5選まとめ

今回はサービス・エンターテインメント業界に絞ったInstagram広告事例を紹介しました。
単純な「売上拡大」「ブランド認知向上」がゴールではないため、クリエイティブに関してもユニークなものが多い印象です。

特に今回の事例から学べる点は「インタラクティブなコミュニケーション」が重要であるという事でしょう。ダンキンドーナツの「アンケート機能」付きの広告、バーガーキングの「カルーセルvs動画広告」の結果を見ても分かるように「ユーザーに対して何かアクションをしてもらう」広告の方が、高いパフォーマンスを発揮するという事が言えます。
この結果はユーザーが普段Instagramをどのように使っているかを想像すれば納得できる結果ですが、企業やブランドの「広告」に対しても同じことが当てはまるというのは、新たなファインディングでしょう。
また広告に対してアクションを起こすという事はテレビや雑誌などのオールドメディアでは出来ない、ソーシャルメディアの強みと言えます。

是非今回の事例を参考に、Instagram広告を検討してみて下さい。