インターネット広告

リスティング広告最適化のためのABテストのポイント

インターネット広告大手のCriteoによると、2017年のインターネット広告種類別金額比率はリスティング広告が14.1%と最大でした。次いで、純広告やリターゲティング広告、ソーシャルメディア広告と続きます。

情報元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000017366.html

消費者の購買行動は複雑化しており、一つの広告手法だけで成果が出ることは少なくなってきました。しかし、リスティング広告がクロージング段階で圧倒的な影響力を持つことは変わりありません。

購入段階の最後に位置するリスティング広告を最適化することは、ビジネス上非常に大きな意味を持ちます。

今回は、リスティング広告最適化のための「ABテスト」をご紹介します。

広告効果を改善するために欠かせないABテストのポイント

Google、Yahoo!などの検索画面に表示されるリスティング広告。広告としては非常にシンプルで、「タイトル」「説明文」「URL」といくつかの広告オプションのみで構成されています。

検索結果に表示されたとき、広告が魅力的であればあるほど効果的であることは言うまでもありません。また、広告文とキーワード、ランディングページの親和性により広告ランクが決まり、クリック単価や表示順序に大きな差が生じます。

広告文が最適化されていれば、低いクリック単価で上位に表示され、高い確率でクリックされます。ランディングページとの親和性も高いためコンバージョン率も高くなります。逆に広告文が良くないと、クリック率が低下し、クリック単価、コンバージョン率も悪化します。当然、費用対効果は低くなります。

つまり、広告文の最適化は広告の費用対効果に大きく影響するため、「どこに出すか(出稿キーワード)」と同じくらい「なにを出すか(広告文)」が重要になってきます。

今回のテーマは、リスティング広告を最適化するために欠かせない工程のひとつ「ABテスト」。
具体的にはどのようなテストが行われるのか、テストの際に気をつけるべきポイントとはどのようなものなのかをまとめてみました。

ABテストとは?

ABテストとは、簡単にいえば【A】と【B】という2通りのものを用意し、いずれが優れているか確かめるというものです。

リスティング広告の場合は、タイトル文や広告文のテキストを複数パターン用意して成果を確かめるというのが一般的です。「ABテスト」といっていますが、実際には3通り以上の広告を同時に出稿することがほとんどです。

複数の広告を出稿し、それぞれの表示回数やCTR(クリック率)をチェック。どちらのほうがよりユーザーの目を惹き、広告としての効果をあげたかを確認します。

このABテスト、現在ではリスティングに限らず、バナー広告やメルマガなど、インターネットを使った広告を打つ場合には欠かせないものとなっています。バナー広告やメルマガの場合には、もちろんテキストだけでなくイメージ画像やボタンの大きさ、色などもテストの対象になります。

また、ABテストの概念自体はもっと広く、インターネット広告以外の世界でも活用されています。

たとえば、ある企業が確実に売れる新製品を世に送り出すために、プレリリースを行うことがあります。複数の製品を同時に売り出し、どの製品がより売れたか、顧客満足度が最も高かったのはどれかなどをチェックします。その結果を受けて商品を改善し、大々的にリリースします。

これもABテストの一つです。プロモーションに数億円を費やす商品の場合、こうしたテストを事前に何度も繰り返すことが一般的です。

ABテストのポイント

【A】
タイトル:買取額の高さが自慢!|古書店○○堂
広告文:あなたの読み終わった本、他店よりも確実に高く買い取ります!

【B】
タイトル:業界最高の買取額を実現!|古書店○○堂
広告文:本のプロが価値をバッチリ見極めて高額買取いたします!

例文の良しあしは別として、このようにタイトルも広告文もまったく文言が違うものにしてしまうと、2つの違いが明確に見えてきません。

この例では、もし【B】のほうが効果的であることが分かったとしても、それは「業界最高」という言葉によるものなのか、「自慢」と「実現」のニュアンスの違いなのか、「他店よりも」という競合比較より「本のプロが」という信頼性訴求のほうが響いたためなのか、判断ができません。

なにが要因で成果が出たのかがわからないと、次のABテストの方向性が見えなくなります。ABテストはPDCAサイクルとして絶えず回す必要があります。そのためには「なぜ効果があったのか」をチェックし、次の改善アイデアにつなげないといけません。

そこで、まずはタイトルのみ、あるいは広告文のみを変えてみて、「ここが違う」という点が明確にわかる形でテストを行うことが大切です。次の【A】【B】は実際に運用を行った事例です。

【A】
○○市の水道トラブルはお任せください
深夜対応可。出張費無料

【B】
○○市の水道トラブルはお任せください
最短15分到着。手早い施工も実現

この二つの違いは広告文です。【A】では深夜対応、出張費無料といった対応の柔軟性を打ち出し、【B】では15分で到着など対応スピードを打ち出しています。

この二つのうち、どちらの方が効果的だったでしょうか。また、それはなぜでしょうか。

実際のデータがこちらです。

【A】
クリック率:4.29%
コンバージョン率:6.65%

【B】
クリック率:5.32%
コンバージョン率:9.86%

クリック率、コンバージョン率ともに【B】に軍配が上がりました。水道トラブルは水漏れなど緊急性を要する場合が多いため「最短15分」や「手早い施工」という言葉が効果的だったと予測できます。

今回のABテストの結果を踏まえ、緊急性のニーズを満たす広告文でABテストを重ねていきました。

しかし、今回のABテストからわかったことはそれだけではありません。深夜対応を打ち出した【A】は、深夜時間帯に限れば圧倒的なクリック率、コンバージョン率があったのです。

そこで、【A】の広告は深夜時間のみ表示されるよう変更しました。また、この結果を踏まえて新しく「早朝対応可能」を打ち出した広告文を新たに作成し、早朝時間だけに表示させました。こちらも深夜対応と同じく、非常に高いクリック率とコンバージョン率がありました。

このようにABテストを行い分析することで、様々なヒントが得られます。今回紹介した例では、効果が良かったほう、悪かったほうどちらからも学びがあり、広告成果に大きく貢献できました。

また、ABテストの内容だけでなく、データの量にも注目しましょう。効果的なABテストのためには、ある程度の時間をかけて表示回数、クリック数のデータを集めることが大切です。

たとえば表示回数10回前後、クリック数1~2回というレベルで【A】【B】を比較しても、信頼に足るデータは得られません。「表示回数が10,000を超えた時点で比較する」など、初めにルールを決めておくとより確実なテストを行うことができるでしょう。

まとめ

今回はABテスト、特にリスティング広告でのABテストをテーマに紹介しました。

広告に限らず、一つのクリエイティブ、一つの施策が成功することはめったにありません。テストを繰り返し、徐々に成功に近づいていきます。そのテストとしてABテストは最も有効で、あらゆる広告・マーケティングで活用できます。

ABテストのポイントとして「【A】【B】の違いを明確にする」「データ量を確保する」ことの2つを上げました。この2つはリスティング広告に限らず、あらゆるABテストで重要になるポイントです。

最近ではGoogleオプティマイズをはじめとする様々なABテストツールがリリースされています。広告のABテストに特化したものもあれば、ウェブサイトに特化したものもあります。

無料で利用できるツールもあるので、積極的にABテストを活用していきましょう。